皆さま、おはようございます!

 

盛駅-久慈駅間を結ぶ国内最長の第三セクター線である三陸鉄道リアス線。

旧・山田線である釜石駅-宮古駅間が平成31年3月に復旧する以前は、

この区間を境に「南リアス線」「北リアス線」と呼ばれてました。

つい先頃までのことですので、よくご存じですよね。

 

両線とも東日本大震災による津波で甚大な被害を被り

普及まで長い年月を費やしましたが、

その中でも特に被害が大きかったのが

旧・北リアス線にある島越(しまのこし)駅です。

島越駅は駅舎だけではなくホームがあった高架線も津波で流失。

復旧に際しては防波堤を兼ねた丘陵上に線路が付け替えられ、

ほぼ新規で造り直された駅でした。

 

そんな島越駅を自分が最後に見たのは

北リアス線が全線復旧した平成26年4月のこと。

しかしこの日は駅舎の新築工事が終わっておらず、

駅舎は養生で覆われた状態だったのです。

 

あの日から5年が経過…

ついに駅舎が完成した

島越駅を訪れることが出来ました☆

島越駅は太平洋に面した田野畑村島越地区に

三陸鉄道が開業した昭和59年に開設された駅でしたよ。

 

田野畑村は人口の1割の方が漁業に従事されてる村とのこと。

小高い場所にある駅を下ると漁船が並ぶ港が見えてきました。

駅の近くで海が見れるので

観光客にとってはとても魅力的な立地ですけど、

国道45号線から離れた場所にあるため、

復旧前に運行されてた代行バスに乗るためには

4キロ(約1時間)も歩かねばならなかったらしい。

しかもこの道のりは急勾配の連続ときた。

住民の皆様は駅の復旧を心待ちにしてたことでしょうね。

 

それでは復活した島越駅を見てみましょう。

駅舎に入ると目の前に螺旋階段が飛び込んできました。

三陸鉄道・島越駅

螺旋階段が「昇っていいよ」と語りかけてく~

念のために1階にある売店の職員さんにお聞きすると、

遠慮せずに見てってくださいとのことでした。

 

階上はちょっとした展望台になってましたよ。

三陸鉄道・島越駅

ここからの景色よりもホームからの眺めの方が良く感じたので、

島越駅から見える景色は後ほど触れることにしまして…

 

ここに来たなら見なきゃ損するスポットがあるのです。

それがこちらの展示コーナー。

三陸鉄道・島越駅

 

震災前の島越地区を今に伝えるためのジオラマ等々が

展示されてるのでした。

三陸鉄道・島越駅

 

今は駅周辺に民家は1軒もありませんけど、

震災前はこんなに賑やかだったとは…。

三陸鉄道・島越駅

ジオラマにアクリル製の札が立ってますが、

ここにお住まいだった方のお名前と

地元の方の思い出が記されてるのです。

「ばばのお手伝いをした場所」

「漁業の網をつくったり漁師のご飯を作ったところ」…

これらはすべて津波で流されてしまいました。

 

展示中の写真によると、震災前の島越駅周辺はこんな光景だったらしく。

三陸鉄道・島越駅

震災前の島越駅は現在とは反対側にホームがあった模様。

摂待駅に似た造りの駅だったみたいですね。

 

他にも復興に尽力してくれた現巨人・岩隈投手のユニフォームや

志村けんさん、白鵬関の記念パネル等々も展示されてました。

三陸鉄道・島越駅三陸鉄道・島越駅

そういえば、南リアス線が部分開業した時

志村けんさんも現場に駆けつけてくれたんでしたっけ。

 

続いてはお待ちかねの眺めが良いホームに入ります。

三陸鉄道・島越駅

三陸鉄道・島越駅

島越駅は単式ホームが1本あるだけの棒線構造の駅でした。

 

そしてホームから見える景色。

冒頭にUPした港を

ちょこっとですけどここからも見ることが出来ましたよ。

三陸鉄道・島越駅

 

視線を右にずらすと見えてくるのが震災前に島越駅があった場所。

赤い矢印の先に昔は島越駅がありました。

三陸鉄道・島越駅

 

実はこの場所、今はちょっとした観光名所になってまして、

有名な震災遺構を見ることが出来るスポットでしたの。

久しぶりにこの場所に来たら公園に変わってましたわ。

三陸鉄道・島越駅

 

これ、なんだかわかりますかね?

三陸鉄道・島越駅

階段が見えますけど、

流失した島越駅のホームに繋がる階段の根元部分なのです。

 

そして宮沢賢治の詩碑。

三陸鉄道・島越駅

ともに津波に流されずに残されたモノでした。

島越駅が復旧する以前から存在は知られてましたが、

開業当時から地元の皆さんに愛され続けた旧駅を記憶に留めるために

保存が決まったそうですよ。

 

いかがです?

見どころが満載なリアス線沿線でしたが、

ここは絶対に外せないと思いません?

ところで、35年前に開業した

三陸鉄道「南リアス線」「北リアス線」ですけど、

震災の復旧後に一本の「リアス線」に変わるとか、

路線名が、将来的に一本の路線に繋がる伏線に感じてたのは

自分だけですかね?

何はともあれ三陸沿岸が一本の鉄路で結ばれて本当に良かったです。

 

 

訪問駅リスト(第三セクター 私鉄線 ほか)

三陸鉄道リアス線(宮古駅-久慈駅)

 

↑(宮古駅方面)

山口団地駅(平成27年9月19日)

一の渡駅(平成27年9月19日)

佐羽根駅(平成31年4月3日)

田老駅(平成31年4月3日)

摂待駅(平成31年4月3日)

小本駅(平成25年2月10日) ・岩泉小本駅改称後(平成31年4月3日)

島越駅(平成31年4月3日)

田野畑駅(平成26年6月30日)

普代駅(平成25年2月10日)

白井海岸駅(平成25年2月9日)

堀内駅(平成25年2月10日)

野田玉川駅(平成25年2月9日)

十府ヶ浦海岸駅(平成31年4月19日) 前編 ・後編

陸中野田駅(平成25年2月9日)

陸中宇部駅(平成25年2月9日)

久慈駅(平成25年2月10日)

 

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