皆さま、こんにちは!

 

今日は一昨日訪れたばかりの三陸鉄道から

田老(たろう)駅の訪問記です。

三陸鉄道・田老駅

田老駅は、先月復旧したばかりの旧JR山田線区間にある駅ではなく、

以前は「北リアス線」に属していた駅でした。

国鉄時代からの鉄道ファンならこの駅名に聞き覚えがあるって方、

きっと多くいらっしゃるのではないでしょうかね?

 

その理由ですが、三陸鉄道が昭和59年に開通する以前まで

田老駅は国鉄宮古線の終点だったからなのです。

三陸鉄道・田老駅

宮古線は総延長13キロ弱のミニ路線、

1日に4往復の気動車列車が行き交うだけのローカル路線でした。

 

宮古線は建設当初から田老駅を目指していた訳ではなく、

三陸縦貫路線の一区間として久慈駅に向けて敷設されました。

昭和47年に宮古駅-田老駅間が部分開通、これが宮古線です。

ところがその後は国鉄再建法発布によって建設工事は中断し、

昭和59年に第三セクター化されて全線開通するまで

工事は凍結されてしまったのですよ。

自分も中学生だった35年前に

「いい旅チャレンジ20,000km」の宮古線踏破目的で

田老駅を訪れてますが、その時も

「なんでこんな場所に路線の終点があるの?」状態だったような。

 

こちらは昭和52年に撮影された田老駅の航空写真です。

当時はここが終点だったために

この頃は単式ホームが1本あるだけだったみたいですね。三陸鉄道・田老駅

ちなみに下に写っているのは

スペースの一部が駅舎だった「田老観光センター」でした。

民家は駅の周りにパラパラある感じかな?

 

それでは一昨日に訪れたばかりの田老駅周辺は

どのような様子だったかというと…

三陸鉄道・田老駅

あれ?バス停以外は何もない…?

 

駅の入口から正面を見るとこんな感じです。

小高い丘陵の上に伸びる国道45線以外、何も残ってませんでした。

三陸鉄道・田老駅

 

「田老観光センター」がバス待合室(プレハブの建物)の奥に見える

トラックが停まってる辺りにあったはずなのですが、

こちらも姿が見えず。

三陸鉄道・田老駅

実はニュースを見て知っていたのですが、

田老地区は震災による津波被害が甚大だった地域で、

付近の民家は流失してしまったそうです。

PC造りの駅舎は残ったものの機能を戻すことは出来なかったようで、

現在は撤去されてしまったんですって。

 

そんなことから現在は、

駅周辺で民家を見ることが出来ない田老駅に変わった模様。

三陸鉄道・田老駅

復興住宅を含め、田老地区の中心は駅の北部にあるので

仕方ないかもしれません。

 

それでは田老駅のチェックを開始します。

三陸鉄道・田老駅

丘陵にポッカリ開いた通路が田老駅の出入口です。

駅舎があった時代はここまで上屋が繋がってたみたいですね。

 

通路は意外に狭い感じ。

三陸鉄道・田老駅

津波はホーム上面まで押し寄せたみたいですね。

この通路も濁流にのみ込まれたとはビックリ。

 

通路を抜けて階段を上がればホームに進入出来るのですが、

通路の途中でちょっとばかり気になるものを見つけました。

三陸鉄道・田老駅

 

通路の反対側に壁面を塞ぐ状態で木版が貼られてたのです。

三陸鉄道・田老駅

田老駅が開業したのは昭和47年ですから、

これがエレベーターの設置準備工事とは考えにくく。

板の形状からして通路の設置準備工事かと思うのですけど…

 

そこでこの先に何があるのかが気になり、ホームに上がってみました。

三陸鉄道・田老駅

 

え~っと、通路の上辺りはというと…

わぉ!なんか塞いだような跡がありましたよ!

三陸鉄道・田老駅

あくまでも推測ですが、

三陸縦貫路線のひとつとして宮古線が建設された当初は、

将来は長大な編成の旅客列車や貨物列車が構内で行き違いできるよう、

長いホームを持つ駅にアップデート可能な構造だったのでは?

その際は、ホームに上がる階段がもう一本

設けられる計画だったのではないでしょうかね?

あ~ このコンクリート板をかち割りたい。

 

田老駅のホームです。

列車の行き違いが可能な島式ホーム1面2線構造で、

保線車両の留置のための側線が1本設けられてました。

三陸鉄道・田老駅

三陸鉄道・田老駅

 

待合室の中はご覧の通りでした。

三陸鉄道・田老駅

 

はい、今後の人生はポジティブに生きていこうと思います。

三陸鉄道・田老駅

 

ホームの上から周辺を眺める。

三陸鉄道・田老駅

赤丸の辺りに田老観光センターがあったはずなのですが…

津波の威力は本当に恐ろしいです。

 

震災によって街の中枢が北部に移った田老地区ですが、

この地に今年の10月末、新田老駅が開業を予定しているそうです。

…ということで今年の秋も田老地区を再訪の予定。

リアス線は2年前に開業した十府ヶ浦海岸駅から新駅開業ラッシュで、

駅好きのオッサンはワクワクが止まりませんって。

 

 

訪問駅リスト(第三セクター 私鉄線 ほか)

三陸鉄道リアス線(宮古駅-久慈駅)

 

↑(宮古駅方面)

山口団地駅(平成27年9月19日)

一の渡駅(平成27年9月19日)

佐羽根駅(平成31年4月3日)

田老駅(平成31年4月3日)

摂待駅(平成31年4月3日)

小本駅(平成25年2月10日) ・岩泉小本駅改称後(平成31年4月3日)

島越駅(平成31年4月3日)

田野畑駅(平成26年6月30日)

普代駅(平成25年2月10日)

白井海岸駅(平成25年2月9日)

堀内駅(平成25年2月10日)

野田玉川駅(平成25年2月9日)

十府ヶ浦海岸駅(平成31年4月19日) 前編 ・後編

陸中野田駅(平成25年2月9日)

陸中宇部駅(平成25年2月9日)

久慈駅(平成25年2月10日)

 

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