【若紫66-3】古文単語「おくらす」☆
センター試験見ました?
漢文に、イラストが出題されていましたね~!!
やっぱり!ってカンジです!
では今日も、はりきって行ってみましょう!!
古文単語には、
1.とにかく丸暗記して覚える
2.漢字やイメージで覚える
3.文脈判断で決める
などの覚え方があります。
今回は、イメージを広げる古語☆
【今回の源氏物語】
「生ひ立たむありかも知らぬ若草を
おくらす露ぞ消えむそらなき」
またゐたる大人、「げに」と、うち泣きて、
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今回出てきた古文単語
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■【生ひ立た】…タ行四段動詞「生い立つ」未然形
※【生ひ立つ】…成長する
■【む】…婉曲の助動詞「む」連体形
■【ありか】…行く先
■【も】…強意の係助詞
■【知ら】…ラ行四段動詞「知る」未然形
※【知る】…分かる。知る
■【ぬ】……打消の助動詞「ず」連体形
■【若草(わかくさ)】…まだ若いもののたとえ。ここでは少女若紫のこと
■【を】…対象の格助詞
■【おくらす】…あとに残す。先立つ
■【露(つゆ)】…はかないもののたとえ。ここでは死にゆく尼君のこと
■【ぞ】…強意の係助詞
■【消え】…ヤ行下二段動詞「消ゆ」未然形
※【消ゆ】…消える
■【む】…婉曲の助動詞「む」連体形
■【そら】…空。方向
■【なき】…ク活用形容詞「無し」連体形
■【また】…もう一人。また
■【ゐ】…ワ行上一段動詞「ゐる」連用形
※【ゐる】…座る
■【たる】…完了の助動詞「たり」連体形
■【大人(おとな)】…年輩の女房
■【げに】…ほんとうに
■【と】…引用の格助詞
■【うち泣き】…カ行四段動詞「うち泣く」連用形
※【うち泣く】…声を立てて泣く
■【て】…単純接続の接続助詞
◇ 今回は「に」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「おくらす」 ☆
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「生ひ立たむありかも知らぬ若草を
おくらす露ぞ消えむそらなき」
またゐたる大人、「げに」と、うち泣きて、
問)次の傍線部の説明として最も適当なものを1つ選べ。
1.奥まった所にとどまつ露のようにはかない我が身は、もはや死んでも死にきれません。
2.あなたに後れをとってしまった露の身は、消えようにも消えていく空がありません。
3.死期を遅らしてまで生き長らえようとする露のような身の上でございます。
4.この世に残しては、消えていく露の身は、消えようにも消える空がありません。
5.後れをとって死のうにも、死にきれないでいる露の身でございます。
古文読解のためには
次の3つの知識が必要です。
● 古文単語をきっちり覚える
● 古典文法を押さえる
● 古文常識を理解する
この【重要古語】カテゴリでは
今回出て来た『源氏物語』の一語一語を
詳しく解説しつつ、
特に今回注目したい古語をピックアップして
詳しく解説しています。
今回の古語はこれ☆
【おくらす(後らす)】
【他動詞:サ行四段活用】
…(先に死んだり出発したりして)あとに残す
*小学館『全訳古語例解辞典』より
和歌の解釈は
けっこう比喩などや文法の破格も含まれているので
なんとなく、感覚的に解いてしまいがちですけど…
やっぱり最終的選択は
単語・文法に頼るべきでしょう!
「おくらす」とは
重要古語「おくる(後る)」の他動詞形です。
【おくる(後る)】
【自動詞:ラ行下二段活用】
①おくれる
②あとに残る。とり残される
③(親しい人に)先に死なれる。先立たれる
④他のものより劣る
*小学館『全訳古語例解辞典』より
【答え】…4
「生ひ立たむありかも知らぬ若草を
おくらす露ぞ消えむそらなき」
またゐたる大人、「げに」と、うち泣きて、
● 過去記事リンク
■も
■ぞ・ぞや
■げに
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