【夕顔357-3】古文単語「生ひ出づ」
高校生・浪人生のみなさん。
国公二次までの受験古文では、
800語が必要と言われます。
このブログで、一つ一つ身につけていきましょう♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.古今異義語(現代の意味と違う)
2.古典特有語(現代死語・使わない)
3.古文常識語(現代にない慣習)
があります。
でも大学入試によく出るのは、今回のような多義語です♪
【今回の源氏物語】
「…かの西の京にて生ひ出でたまはむは、心苦しくなむ。はかばかしく扱ふ人なしとて、かしこに」など聞こゆ。
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今回出てきた古文単語
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■【かの】…あの
■【西の京】…京都の右京区のこと
■【にて】…場所の格助詞
■【生ひ出で】…ダ行下二段動詞「生ひ出づ」の連用形
※【生(お)ひ出(い)づ】…育つ
■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」の未然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(右近⇒夕顔の子)
■【む】…仮定(婉曲)の助動詞「む」の連体形
■【は】…とりたての係助詞
■【心苦しく】…シク活用形容詞「心苦し」の連用形
※【心苦し】…気の毒だ
■【なむ】…強意の係助詞(結びの省略)
■【はかばかしく】…シク活用形容詞「はかばかし」連用形
※【はかばかし】…しっかりしている。頼りになる
■【扱(あつか)ふ】…世話をする
■【人】…誰か。人
■【なし】…無い
■【とて】…~ということで
※【と】…引用の格助詞
※【て】…単純接続の接続助詞
■【かしこ】…こちら。あちら
■【に】…場所の格助詞
■【など】…引用の副助詞
■【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲(作者⇒光源氏)
◇ 今回は「む」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「生ひ出づ」 ☆
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「…かの西の京にて生ひ出でたまはむは、心苦しくなむ。はかばかしく扱ふ人なしとて、かしこに」など聞こゆ。
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.夕顔様のお子が、あんな辺鄙な右京で生まれたとしたら
2.夕顔様のお子が、あんな寂しい右京で育たれるとしたら
3.夕顔様のお子が、あんな遠くの右京で生きながらえるなら
4.夕顔様のお子が、あんな賑やかな右京で成長するのは
5.夕顔様のお子が、あんな田舎の右京で生きなさるのは
古文単語は、着々と覚えていますか?
もちろん、ゴロゴなどの単語帳を買って、
1つずつ丸暗記していくことも大事ですが、
今回のように、古文のなかで、生きた古語を覚えていくことが、
最も実力につながる勉強法といえます。
(〃^∇^)o
【おひいづ(生ひ出づ)】
【自動詞:ダ行下二段活用】
①生まれ出る。また(植物などが)はえ出る
②成長する。育つ
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
文法や重要古語ばかりに着目してたら、
「あっ! 『たまふ』が尊敬だから、5を選ぼう!」
などと、文脈も考えずに選んだりしてしまいます;
(;゚;∀;゚;)
※NHK「チコちゃんに叱られる」より
「…かの西の京にて生ひ出でたまはむは、…」
1.夕顔様のお子が、あんな辺鄙な(○)右京で生まれた(×)としたら
2.夕顔様のお子が、あんな寂しい(○)右京で育たれる(○)としたら
3.夕顔様のお子が、あんな遠くの(?)右京で生きながらえる(×)なら
4.夕顔様のお子が、あんな賑やかな(常識ズレ△)右京で成長する(△敬語ナシ)のは
5.夕顔様のお子が、あんな田舎の右京で生き(△語義ズレ)なさるのは
【解答】…2
「…かの西の京にて生ひ出でたまはむは、心苦しくなむ。はかばかしく扱ふ人なしとて、かしこに」など聞こゆ。
● 過去記事リンク
■か・かの
■西の京
■たまふ
■心苦し
■とて
■きこゆ
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