【夕顔357-2】文末の「なむ」の識別☆
高校生のみなさん☆
古文は、文法と古語、そして古文常識の
3つの知識がそろって、初めて読解に繋がりますよ~♪
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいます。部下の惟光(これみつ)の助けを借りながら夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意に沈みつつ、右近(夕顔の侍従)を二条院へ招き入れます。ある夕暮れ時、右近から亡き夕顔の忘れ形見である少女がいることを聞き出しました。
【今回の源氏物語】
「…かの西の京にて生ひ出でたまはむは、心苦しくなむ。はかばかしく扱ふ人なしとて、かしこに」など聞こゆ。
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☆ 古文オリジナル問題~「なむ」の識別~☆
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「…かの西の京にて生ひ出でたまはむは、心苦しくなむ。はかばかしく扱ふ人なしとて、かしこに」など聞こゆ。
問)傍線部「なむ」の用法として適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.完了の助動詞+推量の助動詞
2.強意の助動詞+意志の助動詞
3.自己の希望の終助詞
4.他への願望の終助詞
5.強意の係助詞
「なむ」の識別は、
大学入試でよく出題されています。
中でも、今回のように、
文末の「なむ」になると、
慣れていないと識別が難しいので
国公や難関私大でも、よく出題されるんです。
ここでポイントは、
「―しく」という形容詞の連用形に
「なむ」が接続している、ということ。
カリ活用は補助活用で、
下に、助動詞が続く場合の活用です。
なので、
シク活用(本活用)の方に接続している、この「なむ」は、
強意の助動詞「ぬ」の未然形+推量の助動詞「む」ではなく、
強意の係助詞「なむ」と分かるんですっ!
……ん……?
まてよ……
…ならば、未然形の「しく」である可能性も…;;
未然形+「なむ」は、願望の終助詞ですよねー!
`;:゛;`;・(゜ε゜ )ブッ!!
☆未然形接続の助詞☆
●順接仮定条件の接続助詞「ば」
●打消接続の接続助詞「で」
●願望の終助詞「ばや」「なむ」
この中で、
打消接続「で」と、願望の終助詞「ばや」「なむ」も、
補助活用のほうに接続するんです。
こんなふうに、
学べば学ぶほど、疑問が湧いてくる
そんな、内側から涌いてくる疑問を
段階をふまえて解決していくことで、
自分自身の知識として、定着させることができるんですよ!
ヽ(○・▽・○)ノ゙
【解答】…5