【空蝉95-3】古文単語「かしこ」
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…日本語にはあるが受験生世代はほとんど使わない語。
…ですが、今回の古語は、
漢字で意味を識別したい古語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
小君、かしこに行きたれば、姉君待ちつけて、いみじくのたまふ。
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今回出てきた古文単語
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■【小君(こぎみ)】…空蝉の弟
■【かしこ】…あちら
■【に】…場所の格助詞
■【行き】…カ行四段動詞「行く」の連用形
■【たれ】…完了の助動詞「たり」の已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【姉君(あねぎみ)】…姉。ここでは空蝉のこと
■【待ちつけ】…カ行下二段動詞「待ちつく」の連用形
※【待ちつく】…待ち受ける
■【て】…単純接続の接続助詞
■【いみじく】…シク活用形容詞「いみじ」の連用形
※【いみじ】…たいそうひどい。はなはだしい
■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒空蝉)
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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☆ 本日の古文単語 「かしこ」 ☆
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「かしこ」という表現をきくと、
よく古文でも出て来る、
「あなかしこ」や「かしこみかしこみ」
などの「かしこ」を想い浮かべる人もおおいでしょう。
(*・ω・*)
これは、
「かしこし(=おそれ多い)」という形容詞の語幹で、
「畏」という漢字を当てます。
φ(.. )
ですが、今回の「かしこ」は、
「彼処」とい字を当てて、
「あそこ、あちら」という遠方の所在を表す代名詞です。
【代名詞】
…あそこ。かのところ
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
「あなかしこ」は、「畏」の字♪
「かしこに行く」は「彼処」の字♪
音の響きだけでなく、
文脈のつながりも考えてみなくちゃいけないようですね。
(o´・ω・`o)ノシ
小君、かしこに行きたれば、姉君待ちつけて、いみじくのたまふ。
問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
1.恐れ多い場所に行ったので、
2.光源氏の住む二条院へ行くと、
3.怒っている姉君の部屋へ向かうと、
4.あちらの紀伊守邸へ戻ったところ、
5.憔悴しきって紀伊守邸に帰ったので、
解答……4
小君、かしこに行きたれば、姉君待ちつけて、いみじくのたまふ。
● 過去記事リンク
■小君
■か・かの
■いみじ
■のたまふ
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