【夕顔404-3】古文単語「上(うへ)」
重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を1つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.とにかく丸暗記して覚える語
2.漢字やイメージで覚える語
3.文脈判断で決める語
があります。
今回はイメージで感じとる古語です♪
【今回の源氏物語】
右近はた、かしかましく言ひ騒がむを思ひて、君も今さらに漏らさじと忍びたまへば、若君の上をだにえ聞かず、あさましく行方なくて過ぎゆく。
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今回出てきた古文単語
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■【右近(うこん)】…夕顔の侍従
■【はた】…~もまた
■【かしかましく】…シク活用形容詞「かしかまし」連用形
※【かしかまし】…やかましい
■【言ひ騒が】…ガ行四段動詞「言ひ騒ぐ」未然形
※【言ひ騒ぐ】…口うるさく噂する
■【む】…仮定の助動詞「む」の連体形
■【を】…対象の格助詞
■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」の連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【君(きみ)】…源氏の君。光源氏
■【も】…列挙の係助詞
■【今さらに】…ナリ活用形容動詞「今さらなり」連用形
※【今さらなり】…今さらだ。今さらながらだ
■【漏(も)らさ】…サ行四段動詞「漏らす」未然形
■【じ】…打消意志の助動詞「じ」終止形
■【と】…引用の格助詞
■【忍び】…バ行上二段動詞「忍ぶ」連用形
■【忍(しの)ぶ】…包み隠す
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【若君(わかぎみ)】…ここでは夕顔の娘をさす
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【上(うへ)】…身の上
■【を】…対象の格助詞
■【だに】…類推の副助詞
■【え】…不可能を表す陳述の副詞
■【聞か】…カ行四段動詞「聞く」未然形
■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
■【あさましく】…シク活用形容詞「あさまし」連用形
※【あさまし】…情けない
■【行方(ゆくへ)なし】…行方が分からない
■【て】…単純接続の接続助詞
■【過ぎゆく】…時が経っていく
◇ 今回は「だに」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「上」 ☆
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右近はた、かしかましく言ひ騒がむを思ひて、君も今さらに漏らさじと忍びたまへば、若君の上をだにえ聞かず、あさましく行方なくて過ぎゆく。
問)傍線部の説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.若君様まで聞くことができず
2.若君の身の上さえ聞くことができず
3.若君が上京したことさえ知ることができず
4.せめて若君様だけでも知らなければ
5.せめて若君のことだけでも聞きたくて
「上」を古語辞典で引くと…
【うへ(上)】
【名詞】
①上部。上方
②表面。おもて。うわべ
③宮中。内裏。特に清涼殿、殿上の間
④天皇または上皇の尊称
⑤貴人の妻に対する敬称
⑥「上局」の略。中宮や女御の控室
⑦(中世以降)将軍などの尊称
⑧ほとり。そば
⑨その上。加えて
⑩~についてのことがら。身の上
⑪(物事が終了した)段階。状況
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
…途中で読むのもいやになってきますよね;;
…で、今回の「上」は
⑨の「身の上」でしょう。
こういう「上」などの古語は
現代にもある言葉だし
特に重要古語というわけでもありません。
しかし、まったく放っておいて
感覚まかせになってしまっても
正答を導き出すには不十分ですよね;;
出てきたものから
一つずつ、定着させて
いきましょうね!
【答え】…2
右近はた、かしかましく言ひ騒がむを思ひて、君も今さらに漏らさじと忍びたまへば、若君の上をだにえ聞かず、あさましく行方なくて過ぎゆく。
● 過去記事リンク
■はた
■も
■もらす
■しのぶ
■たまふ
■あさまし
■過ぐ
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