【帚木448-3】古文単語「過ぐ」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木448-3】古文単語「過ぐ」

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ 

 

古文単語でよく出題されるのは、


チェックボックス1.古典特有語

   …現代にない古語。


チェックボックス2.古今異義語

   …現代と意味の異なる古語。


チェックボックス3.死語的現代ワード

   …日本語にはあるが受験生世代はほとんど使わない語。


 

…ですが、今回の古語は、

現代と異なる活用をする古語☆

 

ではいってみましょぉ~♪

٩(๑•̀∇•́๑)و

 

帚木448のイラスト訳はこちら

 

【今回の源氏物語】

やうに過ぎ嘆きまた加へ思ひ乱れなほさて待ちつけきこえさせことまばゆけれ

 

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今回出てきた古文単語
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■【の】…連体修飾格の格助詞

■【やうに】…比況の助動詞「やうなり」の連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【過ぎ】…ガ行上二段動詞「過ぐ」の連用形

※【過(す)ぐ】…過ぎる。通り過ぎる

■【に】…完了の助動詞「ぬ」の連用形

■【し】…過去の助動詞「き」の連体形

■【嘆き】…悲しみなげくこと

■【を】…対象の格助詞

■【また】…再びまた。もう一度

■【や】…疑問の係助詞

■【加(くは)ふ】…付け加える。増し加える

■【む】…推量の助動詞「む」の連体形

■【と】…引用の格助詞

■【思ひ乱る】…思い乱れる。あれこれ思い悩む

■【て】…単純接続の接続助詞

■【なほ】…そうはいってもやはり

■【さて】…そうして。こうして

■【待ちつく】…待ち受けて出会う。待ち迎える

■【―きこえさす】…謙譲の補助動詞作者⇒光源氏

■【む】…婉曲の助動詞「む」の連体形

■【の】…主格の格助詞

■【まばゆし】…恥ずかしい。きまりが悪い

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

   アップ

単語の意味文法的説明です。

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

 

――――――――――――
本日の古文単語 「過ぐ」☆

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「過ぎにし」

  アップ

こんなふうに漢字で出て来ると、

何のことか、意味は分かりますよね!

(・∀・)

 

【過ぐ(すぐ)】
 (自動詞:ガ行上二段活用)
①通り過ぎる。通過する
②時が経つ。経過する
③消え失せる。人が死ぬ
④超過する
⑤まさる。以上である
⑥暮らす。生活する


 *「学研全訳古語辞典」より

   アップ

ほら。「通」という漢字のニュアンスで、

幅広い意味も、何となくイメージできますよね♪

(-^□^-)


 

でも、今回は、

こんな形で出題してみます☆

 

できるかな?

('-^*)/
 

―――――――――――
大学入試古文 問題例☆

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夢のやうにてA過ぎにし嘆きを、またやB加へむ、と思ひ乱れて、

問題)傍線部ABの動詞の基本形・活用形・活用の種類を答えなさい。


    

基本的な問題なので、

大学入試というよりも、


書き込み式の問題集などで

しょっちゅう出てきますよね♪


 

このドリルは、けっこう重要な動詞が厳選されていますので、

2周ぐらいやっておくといいと思います☆


 

その中で、「過ぐ」という動詞は要チェックです。

(o^-')b


過ぐ


「過」という形は、

未然形連用形です。

∑(゚Д゚)


さて、どっちでしょぉ?

(;゚;∀;゚;)



 

活用形を調べる場合は、

傍線部直後の接続を見ます。


 

過ぎ//し
   アップ
「―にし」「―にき」「―にけり」

といったパターンを覚えてもいいですね。

 

「に」完了の助動詞「ぬ」の連用形です。


 

過ぎ//し
動詞/助動/助動

過ぎ/てしまっ/た

 


「ぬ」

 

つまり、「過ぎ」は、

完了の助動詞「ぬ」接続しているので、

連用形ということになります。

(o^-')b


 

―――――――――――
「加ふ」という動詞は…☆

―――――――――――

 

あまり古文で出て来ないので、

練習帳にも載ってないかもしれませんが、


 

「―ズ」をつけて見分ける

という動詞の基本法則でいけますね♪

('-^*)/

 


動詞の活用

 

「加へ(=加える)」という動詞に

打消の「ず」をつけてみると、


 

加へず(加えず)

 

となります。∑(゚Д゚)


 

未然形が「エ」の段になるのは、

下一段、下二段、サ変のみ。


 

サ変「す」「おはす」

下一段「蹴る」のみなので、


 

「加へ」は明らかに下二段活用です☆

(*^ー^)ノ

 


加ふ

 

そして、活用形☆


 

またやB加へ

   アップ

直後の「む」は、

「や―む」の係り結びの法則で、

推量の助動詞ですね。

 


む

 

未然形接続の「む」についてる「加へ」

もちろん、未然形ですよね♪

:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


 

この解き方の流れを見たらお分かりのように、


 

動詞活用の種類活用形は、

助動詞を把握してないと

明確に分かりませんね!


 

…なので、

文法のワークは2周以上しろ

と言われるんですよ。

(*^ー^)ノ

 

 


正解

A ガ行上二段活用・「過ぐ」・連用形

B ハ行下二段活用・「加ふ」・未然形
 

 


【源氏物語イラスト訳】冒頭から読む⇒

【帚木の巻】の始めから読む⇒

 

【今回の源氏物語】

やうに過ぎ嘆きまた加へ思ひ乱れなほさて待ちつけきこえさせことまばゆけれ

 

 

過去記事リンク

の(格助詞)

やうなり

に(識別)

ぬ(助動詞)

し(識別)

き(助動詞)

なげく(嘆く)

を(格・接続助詞)

や(係助詞)

む(助動詞)  

と(格助詞)

「思ひ~」の複合語一覧

乱れ・乱る

て(接続助詞)

なほ

さて

きこえさす

まばゆし

ば(接続助詞)

 

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今日もご訪問ありがとうございました☆

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