【帚木320-2】夏の夜の暑苦しさによる「乱れ」☆
いつもご愛読ありがとうございます☆あいです
【源氏物語~これまでのあらすじ】
桐壺帝の御子である光源氏は、輝くように美しく、帝の寵児であったにもかかわらず、亡母の身分の低さにより賜姓「源氏」として臣下に降格します。五月雨が続くある夜、宮中の宿直所で、光源氏は頭中将、左馬頭、藤式部丞と女性の品定めで盛り上がります(雨夜の品定め)。光源氏はそれを聞きながら、藤壺宮のことを思い浮かべるものの、雨もあがり、久々に左大臣家の正妻、葵の上のもとを訪れますが…
↓今回の源氏物語↓
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大臣も渡りたまひて、うちとけたまへれば、御几帳隔てておはしまして、御物語聞こえたまふを、「暑きに」とにがみたまへば、人びと笑ふ。
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梅雨の間の宮中での長期滞在のあと、
それでもやはり…ということで、
光源氏は、正妻、葵の上のいる、大殿へ足を向けることになります。
正妻・葵の上は、
けざやかにけ高く、乱れたるところまじらず、
まったく、乱れのない葵の上に対して、光源氏は…
「暑さに乱れたまへる御ありさま」です。
梅雨の後は夏が来ます。
光源氏のこの「乱れ」は、
もちろん、夏という季節による「暑さ」のせいでしょう。
しかし、
光源氏の心理をつきつめて言えば、
おほかたの気色、人のけはひも、けざやかにけ高く、乱れたるところまじらず、
左大臣家も、葵の上の様子も、
「けざやかにけ高く、乱れたるところもまじら」ない。。。
バリ窮屈~(((( ;°Д°))))
几帳を隔てて、葵の上や義父とする話は、
けっして、面白いものではなかったでしょう。
。(´д`lll)
つまり。
光源氏は、表面的には、夏の暑苦しさに乱れているようですが、
それは、夏という季節のみによるものではなく、
左大臣邸が、光源氏にとって、あまり楽しい空間ではなかったということなのでしょう。
彼の苦々しい顔も、左大臣家のむさ苦しさによる「乱れ」の表れなんですよね。
ご意見・ご指摘等があれば、メッセージお願いします。
では次回の講釈もおたのしみに☆
(o^-')b
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あいでした