【夕顔382-3】古文単語「死に返る」
重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を1つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.とにかく丸暗記して覚える語
2.漢字やイメージで覚える語
3.文脈判断で決める語
があります。
今回は「イメージ」で覚える古語です♪
【今回の源氏物語】
小君して、「死に返り思ふ心は、知りたまへりや」と言ひ遣はす。
「ほのかにも軒端の荻を結ばずは
露のかことを何にかけまし」
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今回出てきた古文単語
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■【小君(こぎみ)】…空蝉の弟
■【して】…手段の格助詞
■【死に返り】…ラ行四段動詞「死に返る」連用形
※【死に返る】…いまにも死にそうである
■【思ふ】…ハ行四段動詞「思ふ」連体形
■【心】…気持ち。心
■【は】…とりたての係助詞
■【知り】…ラ行四段動詞「知る」連用形
■【たまへり】…~ていらっしゃる
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(光源氏⇒軒端荻)
※【り】…存続の助動詞「り」終止形
■【や】…疑問の係助詞(文末用法)
■【と】…引用の格助詞
■【言ひ遣はす】…言っておやりになる
※【遣(つか)はす】…「遣る」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【ほのかに】…ナリ活用形容動詞「ほのかなり」連用形
※【ほのかなり】…かすかだ。わずかに聞こえる様子
■【も】…強意の係助詞
■【軒端の荻(のきばのおぎ)】…軒先の荻の葉
※【荻(をぎ)】…草の名。秋風に吹かれて葉がかすれ合う音を和歌や俳句に詠む
■【を】…対象の格助詞
■【結ば】…バ行四段動詞「結ぶ」未然形
■【ずは】…~なかったなら
※【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
※【は】…係助詞「は」
■【露(つゆ)】…(露が小さいところから)わずかのもの。少しのこと
■【の】…比喩(連用修飾格)の格助詞
■【かこと】…他にかこつけて言うことば。愚痴。恨み言
■【を】…対象の格助詞
■【何】…なに
■【に】…対象の格助詞
■【かけ】…カ行下二段動詞「かく」未然形
※【かく(掛く)】…関係づける。かこつける
■【まし】…反実仮想の助動詞「まし」連体形
◇ 今回は「まし」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「死に返る」 ☆
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小君して、「死に返り思ふ心は、知りたまへりや」と言ひ遣はす。
「ほのかにも軒端の荻を結ばずは
露のかことを何にかけまし」
問)傍線部の説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.病が癒えて蘇ってきたと、あなたは知っておられますか。
2.死ぬほどあなたを思っていると、知っておられますか。
3.死に瀕してあなたを思い出したと、気づいておられますか。
4.死にそうになっていたと、あなたは知っておられますか。
5.あなたを思って死んだも同然だと気づいておられますか。
このブログの【重要古語】カテゴリでは
今回の源氏物語の中で出てきた古語を
ピックアップして載せています。
今回の重要古語はこれ☆
【しにかへる(死に返る)】
【自動詞:ラ行四段活用】
①死ぬことを繰り返す。繰り返し死ぬ
②いまにも死にそうである。死に瀕している
③(連用形を副詞的に用いて)死にそうなくらい。死ぬほど
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
今回は、連用形で副詞的に用いているので
③の用法ですね。
てか…
①って、なに(`・д´・ ;)
①も②も、比喩表現ですね。
死にそうなくらい、あなたを思っている
あなたに逢えないなら、何度も繰り返し死ぬことでしょう
…いまでも
ちょっとしたことで、すぐに死にたいと言う人がいますよね。
現代も昔も
こういう大げさな言葉があったんだな~!
【答え】…2
小君して、「死に返り思ふ心は、知りたまへりや」と言ひ遣はす。
「ほのかにも軒端の荻を結ばずは
露のかことを何にかけまし」
● 過去記事リンク
■小君
■心
■たまへり
■も
■~ずは
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