源氏物語イラスト訳【夕顔382】小君して
小君して、「死に返り思ふ心は、知りたまへりや」と言ひ遣はす。
「ほのかにも軒端の荻を結ばずは
露のかことを何にかけまし」
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【源氏物語イラスト訳】
小君して、「死に返り思ふ心は、知りたまへりや」と言ひ遣はす。
訳)小君を使って、「死ぬほど思っている気持ちは、知っていらっしゃるのか」と言っておやりになる。
「ほのかにも軒端の荻を結ばずは
訳)「ほんの一夜限りでも、軒端の荻を結ぶ契りをしなかったなら
露のかことを何にかけまし」
訳)露のようにはかない恨み言を何にかこつけて言ったらよいのだろう」
【古文】
小君して、「死に返り思ふ心は、知りたまへりや」と言ひ遣はす。
「ほのかにも軒端の荻を結ばずは
露のかことを何にかけまし」
【訳】
小君を使って、「死ぬほど思っている気持ちは、知っていらっしゃるのか」と言っておやりになる。
「ほんの一夜限りでも、軒端の荻を結ぶ契りをしなかったなら
露のようにはかない恨み言を何にかこつけて言ったらよいのだろう」
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■【小君(こぎみ)】
■【して】
■【死に返り】
※【死に返る】
■【思ふ】
■【心】
■【は】
■【知り】
■【たまへり】
※【たまふ】
※【り】
■【や】
■【と】
■【言ひ遣はす】
※【遣(つか)はす】
■【ほのかに】
※【ほのかなり】
■【も】
■【軒端の荻(のきばのおぎ)】
■【を】
■【結ば】
■【ずは】
※【ず】
※【は】
■【露(つゆ)】
■【の】
■【かこと】
■【を】
■【何】
■【に】
■【かけ】
※【かく】
■【まし】
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この「軒端の荻を結ぶ」という
光源氏の和歌の文句から
かの女のことを、「軒端荻(のきばのおぎ)」と
呼んでいるようですね。
…別に、光源氏はこれまで、
全く軒端荻のことを思い出してなかったのに
こんな「お約束」の恨み言を言うわけですね!
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