【夕顔315-3】古文単語「しきる(頻る)」
推薦入試が終わった人は、
合否が出るまでは気持ちを切り替え1秒も無駄にせず、
一般入試の学習に取り組んで下さいね!
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【現代語】のニュアンスで覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
あやしう夜深き御歩きを、人びと、「見苦しきわざかな。このごろ、例よりも静心なき御忍び歩きの、しきるなかにも、昨日の御気色の、いと悩ましう思したりしに。…」
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今回出てきた古文単語
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■【あやしう】…シク活用形容詞「あやし」連用形ウ音便
※【あやし】…奇妙だ。不思議だ
■【深き】…ク活用形容詞「深し」連体形
■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒光源氏)
■【歩(あり)き】…忍び歩き
■【を】…対象の格助詞
■【人びと】…女房たち
■【見苦しき】…シク活用形容動詞「見苦し」連体形
※【見苦し】…見るにしのびない。みっともない
■【わざ】…こと
■【かな】…詠嘆の終助詞
■【このごろ】…近ごろ
■【例(れい)】…いつも
■【より】…比較の格助詞
■【も】…強意の係助詞
■【静心】…落ち着きのない心
■【なき】…ク活用形容詞「なし」連体形
■【御―】…尊敬の接頭語(女房⇒光源氏)
■【忍び歩き】…貴人などが人目を避けて外出すること
■【の】…主格の格助詞
■【しきる】…何度もくり返す。たび重なる
■【に】…時を表す格助詞
■【も】…添加の格助詞
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【御―】…尊敬の接頭語(女房⇒光源氏)
■【気色(けしき))】…ようす
■【の】…主格の格助詞
■【いと】…たいそう
■【悩ましう】…シク活用形容詞「悩まし」連用形ウ音便
※【悩(なや)まし】…苦しそうだ
■【思し】…サ行四段動詞「思す」連用形
※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(女房⇒光源氏)
■【たり】…存続の助動詞「たり」の連用形
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【に】…逆接の接続助詞
◇ 今回は「に」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「しきる」 ☆
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あやしう夜深き御歩きを、人びと、「見苦しきわざかな。このごろ、例よりも静心なき御忍び歩きの、しきるなかにも、昨日の御気色の、いと悩ましう思したりしに。…」
問)傍線部の説明として最も適当なものを、次の中から1つ選びなさい。
1.たどり着く
2.たび重なる
3.指揮する
4.心を閉ざす
5.雨が降りしきる
古文読解で重要なのは、
たんに単語の力だけで意味を理解しようとするのではなく、
前後のつながり、つまり文脈判断で考えることです。
【しきる(頻る)】
【自動詞:ラ行四段活用】
…(波が押し寄せるように)何度も繰り返す。たび重なる
※『全訳古語例解辞典(小学館)』より
今でも、「雨が降りしきる」などという意味で用いる言葉ですよね。
ただ、現在よく使う「仕切る」という言葉も、
古文で出て来るかもしれないので、
どちらかよく分からないときは、すぐに答えを出さず、
前後の文脈を見るようにしましょう。
例よりも静心なき御忍び歩きの⇒「しきる』
この「の」をはさんだ前後が、主語―述語の関係になっています。
光源氏の、いつもより落ち着きのないお忍び歩きが⇒「しきる」
古文は、単語だけではありません。
前後の文脈を把握するためには、
助詞や助動詞、敬語などの文法も
しっかりとらえられるよう、
ふだんから、練習を積んでおきましょうね!
(*^_^*)ノノ
【解答】…2
あやしう夜深き御歩きを、人びと、「見苦しきわざかな。このごろ、例よりも静心なき御忍び歩きの、しきるなかにも、昨日の御気色の、いと悩ましう思したりしに。…」
● 過去記事リンク
■あやし
■人びと
■見苦し
■わざ
■も
■いと
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