【夕顔278-3】古文単語「こしらふ」
古文単語は、たんに丸暗記するのでなく、
古文の長文の中で、出てきたものを覚えていきましょう。
下にオリジナル問題が載ってますので、解いてみてね!
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
「…『かの故里人に告げやらむ』と申せど、『しばし、思ひしづめよ、と。ことのさま思ひめぐらして』となむ、こしらへおきはべりつる」
と、語りきこゆるままに、
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今回出てきた古文単語
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■【かの】…あの
■【故里人(ふるさとびと)】…故郷の人。昔なじみの人
■【に】…対象の格助詞
■【告げやる】…知らせてやる。言い送る
■【む】…意志の助動詞「む」終止形
■【と】…引用の格助詞
■【申せ】…サ行四段動詞「申す」已然形
※【申(まう)す】…「言ふ」の丁寧(惟光⇒光源氏)
■【ど】…逆接確定条件の接続助詞
■【しばし】…今しばらく
■【思ひしづめよ】…マ行下二段動詞「思ひ鎮む」命令形
※【思ひ鎮む】…乱れがちの心をしずめる
■【と】…引用の格助詞
■【ことのさま】…状況
■【思ひめぐらす】…いろいろ考える。思案する
■【て】…単純接続の接続助詞
■【と】…引用の格助詞
■【なむ】…強意の係助詞
■【こしらへ】…ハ行下二段動詞「こしらふ」連用形
※【こしらふ(慰ふ)】…あれこれ言って宥(なだ)める。慰める
■【―おく】…~ておく(補助動詞)
■【はべり】…丁寧の補助動詞(惟光⇒光源氏)
■【つる】…完了の助動詞「つ」連体形
■【と】…引用の格助詞
■【語り】…ラ行四段動詞「語る」連用形
■【聞こゆる】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」連体形
※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲(作者⇒光源氏)
■【ままに】…~につれて。~や否や
※【まま】…とおり。まま
※【に】…時の格助詞
◇ 今回は「なむ」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「こしらふ」 ☆
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「…『かの故里人に告げやらむ』と申せど、『しばし、思ひしづめよ、と。ことのさま思ひめぐらして』となむ、こしらへおきはべりつる」
と、語りきこゆるままに、
問)傍線部の意味として、最も適当なものを一つ選べ。
1.心を落ち着かせておきました。
2.あれこれうそを並べておきました。
3.身構えて用意しておきました。
4.あれこれ言って宥めておきました。
5.どうでもいいことをを言っておきました。
「こしらえる」という言葉は、
現代では、「作る」という意味の「拵える」が浮かびますね。
しかし、古文単語では、
「拵ふ」と、「慰ふ」の、二つの漢字があるんです。
【こしらふ(拵ふ)】
【他動詞:ハ行下二段活用】
①作り上げる。造り構える
②用意する。ととのえる
【こしらふ(誘ふ・慰ふ)】
【他動詞:ハ行下二段活用】
①なだめる。とりなす。慰める
②言葉巧みに誘う。とりつくろう
※Weblio古語辞典より
1.心を落ち着かせておきました。
2.あれこれうそを並べておきました。
3.身構えて用意しておきました。
4.あれこれ言って宥めておきました。
5.どうでもいいことをを言っておきました。
「~ておきました」が、選択肢共通なので、
今回はやはり「こしらふ」が解答ポイントです。
1.心を落ち着かせておきました。(△語義ズレ)
2.あれこれうそを並べておきました。
3.身構えて用意しておきました。(△語義ズレ)
4.あれこれ言って宥めておきました。
5.どうでもいいことをを言っておきました。(△語義ズレ)
選択肢135は、「拵ふ」「慰ふ」のいずれの語義にも合いません。
まずは、このような「語義ズレ」の選択肢から削っていきましょう。
2.あれこれうそを並べておきました。
4.あれこれ言って宥めておきました。
選択肢2は「拵ふ」、選択肢4は「慰ふ」ですね。
…別に、ウソ言ってねーし!
(灬ºωº灬)
【解答】…4
「…『かの故里人に告げやらむ』と申せど、『しばし、思ひしづめよ、と。ことのさま思ひめぐらして』となむ、こしらへおきはべりつる」
と、語りきこゆるままに、
● 過去記事リンク
■か・かの
■ふるさと
■しばし
■はべり
■きこゆ
■ままに
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