源氏物語イラスト訳【夕顔278】かの故里人
「…『かの故里人に告げやらむ』と申せど、『しばし、思ひしづめよ、と。ことのさま思ひめぐらして』となむ、こしらへおきはべりつる」
と、語りきこゆるままに、
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【源氏物語イラスト訳】
「…『かの故里人に告げやらむ』と申せど、
訳)「…『あの前に住んでいた家の人に知らせてやろう』と申し上げるけれど、
『しばし、思ひしづめよ、と。ことのさま思ひめぐらして』となむ、
訳)『今しばらく、落ち着きなさい、と。状況をよく考えて』と、
こしらへおきはべりつる」と、語りきこゆるままに、
訳)あれこれ言って宥(なだ)めておきました」と、語り申し上げるにつれて、
【古文】
「…『かの故里人に告げやらむ』と申せど、『しばし、思ひしづめよ、と。ことのさま思ひめぐらして』となむ、こしらへおきはべりつる」
と、語りきこゆるままに、
【訳】
「…『あの前に住んでいた家の人に知らせてやろう』と申し上げるけれど、『今しばらく、落ち着きなさい、と。状況をよく考えて』と、あれこれ言って宥(なだ)めておきました」
と、語り申し上げるにつれて、
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■【かの】
■【故里人(ふるさとびと)】
■【に】
■【告げやる】
■【む】
■【と】
■【申せ】
※【申(まう)す】
■【ど】
■【しばし】
■【思ひしづめよ】
※【思ひ鎮む】
■【と】
■【ことのさま】
■【思ひめぐらす】
■【て】
■【と】
■【なむ】
■【こしらへ】
※【こしらふ(慰ふ)】
■【―おく】
■【はべり】
■【つる】
■【と】
■【語り】
■【聞こゆる】
※【聞こゆ】
■【ままに】
※【まま】
※【に】
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夕顔のお付きの女房であった右近は、
惟光と恋仲になってましたよね~;
こういう状況を知っていれば、
この時の惟光の「なだめ」ている様子なんかも
躍動的に伝わってきますね~!