【夕顔262-3】古文常識「大殿の君達」
古文の重要古語カテゴリでは、
源氏物語の中で出てくる古語をピックアップして
オリジナル問題も作成しております。参考にしてね♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【古文常識】を覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
大殿の君達参りたまへど、頭中将ばかりを、「立ちながら、こなたに入りたまへ」とのたまひて、御簾の内ながらのたまふ。
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今回出てきた古文単語
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■【大殿(おほとの)】…ここでは左大臣のこと
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【君達(きんだち)】…ご子息たち
■【参り】…ラ行四段動詞「参る」連用形
※【参る】…「来」の謙譲(作者⇒光源氏)
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒大殿の君達)
■【ど】…逆接確定条件の接続助詞
■【頭中将(とうのちゅうじょう)】…左大臣の長男。光源氏の義兄
■【ばかり】…限定の副助詞
■【を】…対象の格助詞
■【立ち】…タ行四段動詞「立つ」連用形
■【ながら】…状態の継続の接続助詞
■【こなた】…こちら
■【に】…場所の格助詞
■【入り】…ラ行四段動詞「入る」連用形
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」命令形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(光源氏⇒頭中将)
■【と】…引用の格助詞
■【のたまひ】…ハ行四段動詞「のたまふ」連用形
※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【御簾(みす)】…(光源氏の前の)すだれ
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【内(うち)】…内側
■【ながら】…状態の継続の接続助詞
■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
◇ 今回は敬語にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「大殿の君達」 ☆
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大殿の君達参りたまへど、頭中将ばかりを、「立ちながら、こなたに入りたまへ」とのたまひて、御簾の内ながらのたまふ。
問)傍線部の意味として最も適当なものを一つ選べ。
1.宮中からの使者たち
2.帝のご子息たち
3.左大臣のご子息たち
4.光源氏の従者たち
5.夕顔の実家の使者たち
「大殿の君達」というのは誰か?
『源氏物語』では、しょっちゅう出てくるので
この機会に、覚えてしまいましょ♪
【大殿(おほとの)】
【名詞】
①立派な御殿。お屋敷
②大臣殿(大臣の尊敬語)
③貴人である当主の父をいう尊敬語
※Weblio古語辞典より
「大殿」というのは、
今回では、②もしくは③の意味☆
光源氏の義父、
つまり、光源氏の正妻、葵の上の父親が、
「大殿」すなわち左大臣なんです!
「君達」は、古文重要語☆
【きんだち(君達・公達)】
【名詞】
①貴公子(たち)。ご子息(がた)。姫(がた)
②あなた。あなたがた
※Weblio古語辞典より
つまり、
ここでは、左大臣のご子息たちのことをさします。
左大臣の子息としては、
『源氏物語』第2帖「帚木」の「雨夜の品定め」で
登場した、頭中将が有名ですね!
この貴公子は、
光源氏の正妻、葵の上の実兄で、
左大臣の長男でもあります。
実は、
光源氏の愛人であった夕顔の
元彼かもしれないんでしたよねー!
( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚
(☆「雨夜の品定め」より)
夕顔亡き今、
光源氏は、周りの者に悲しみを打ち明けるわけにもいかず、
ふと見舞いに来た、夕顔の元愛人の頭中将に
話がしたくなったのでしょう!
はてさて…
いったいどんな話が飛び出してくるやら…
(((゜д゜;)))
【解答】…3
大殿の君達参りたまへど、頭中将ばかりを、「立ちながら、こなたに入りたまへ」とのたまひて、御簾の内ながらのたまふ。
● 過去記事リンク
■大殿
■たまふ
■ばかり
■ながら
■のたまふ
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