【夕顔262-2】二方面敬語☆偏差値58(共通テスト対応)
大学入試によく出る『源氏物語』で、
古文目線を身につける訓練をしましょう!
今日のイラスト解釈は、偏差値58のオリジナル問題です☆
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は急死してしまいます。部下の惟光(これみつ)に後始末をさせ、光源氏は茫然自失のまま二条院へ戻ります。
【今回の源氏物語】
大殿の君達参りたまへど、頭中将ばかりを、「立ちながら、こなたに入りたまへ」とのたまひて、御簾の内ながらのたまふ。
↑
――――――――――――――――――――
☆ 古文オリジナル問題~偏差値レベル58 ☆
――――――――――――――――――――
大殿の君達A参りたまへど、頭中将ばかりを、「立ちながら、こなたに入りBたまへ」とのたまひて、御簾の内ながらCのたまふ。
問)傍線部A~Cの敬語の説明として、最も適当なものをすべて選べ。
1.Aは二方面の敬語で、「参り」は光源氏への、「たまへ」は大殿の君達への敬意である。
2.Aは「参る」「たまふ」と尊敬語を二つ用いた、最高敬語である。
3.Bは、尊敬の補助動詞で、光源氏から大殿への敬意である。
4.Cは、「言ふ」の尊敬語で、作者から光源氏への敬意である。
5.A・Bの「たまへ」は、ともに尊敬の補助動詞「たまふ」の已然形である。
敬語の問題は、
近年、センター試験でも、少し敬遠されてたような気がしますが、
今後、…特に、大学入試共通テストに移行する
ここ2、3年の間に、上のような問題形式で
出題される可能性があります!
「すべて選べ」という問題は、
共通テストになったら、出てくるようになると思います。
センター試験の間は、
「1つ選べ」「2つ選べ」という出題形式なので、
偏差値55程度でしょうね^^;
また、特にAの二方面の敬語は、
思考力・判断力を要する敬語識別なので、
共通テストで出題する可能性が高くなると思います。
【のたまふ(宣ふ)】
【他動詞:サ行四段活用】
①おっしゃる(「言ふ」の尊敬)
②申し聞かせる。言い聞かせる(上位の人との対話の中で、話し手が身内の者や目下の者に上位の人の言葉を「言い聞かせる」意で用いる。聞き手である上位の人に対する謙譲的な用法)
※Weblio古語辞典より
Cの「のたまふ」は、「言ふ」の尊敬語です。
地の文なので、作者から光源氏への敬意ですね。
敬意方向についても、
出てきたものを、きちんと押さえていくようにしましょう。
(●‘∀‘●)ノ"
1.Aは二方面の敬語で、「参り」は光源氏への、「たまへ」は大殿の君達への敬意である。(○)
2.Aは「参る」「たまふ」と尊敬語を二つ用いた、最高敬語である。(×「参る」は謙譲語)
3.Bは、尊敬の補助動詞で、光源氏から大殿(×「大殿の君達)への敬意である。
4.Cは、「言ふ」の尊敬語で、作者から光源氏への敬意である。(○)
5.A・Bの「たまへ」は、ともに尊敬の補助動詞「たまふ」の已然形である。(×Bは命令形)
【正解】…1・4