【夕顔204-3】古文単語「応(こた)ふ」
古文読解の基本は、1に単語、2に文法、
そして、古文常識も含めた読解演習です。
主語のないこぶんでも、このブログで慣れていってね♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
「我、人を起こさむ。手たたけば、山彦の応ふる、いとうるさし。ここに、しばし、近く」
とて、右近を引き寄せたまひて、
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今回出てきた古文単語
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■【我(われ)】…私。自分
■【人】…誰か。従者の者
■【を】…対象の格助詞
■【起こさ】…サ行四段動詞「起こす」未然形
■【む】…意志の助動詞「む」終止形
■【たたけ】…カ行四段動詞「たたく」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【山彦(やまびこ)】…こだま。反響音
■【の】…主格の格助詞
■【応(こた)ふる】…ハ行下二段動詞「応ふ」連体形
■【いと】…たいそう
■【うるさし】…わずらわしい。うっとうしい
■【ここ】…ここ。こちら
■【に】…場所を表す格助詞
■【しばし】…しばらくの間
■【近く】…ク活用形容詞「近し」連用形
■【とて】…~と言って
※【と】…引用の格助詞
※【て】…単純接続の接続助詞
■【右近(うこん)】…夕顔のお付きの女房
■【を】…対象の格助詞
■【引き寄せ】…サ行下二段動詞「引き寄す」連用形
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
◇ 今回は「む」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「応(こた)ふ」 ☆
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「我、人を起こさむ。手たたけば、山彦の応ふる、いとうるさし。ここに、しばし、近く」
とて、右近を引き寄せたまひて、
問)傍線部の解釈として、最も適当なものを1つ選べ。
1.手をたたいて山彦を呼ぶと答えてくれるが、それがまたひどくうるさい。
2.手をたたいて人を呼ぶと、こだまが反響するばかりで、ひどく鬱陶しい。
3.手をたたいて反響音を確認すると、こだまが応じてくれるので、とてもすばらしい。
4.手をたたいて山彦を呼ぶと、応じる声が反響してしまうので、たいそう煩わしい。
5.手をたたいてみると、こだまの声が感応しているのが、非常に行き届いている。
この傍線部は、どちらかというと、「うるさし」の文脈解釈ですが;;
【うるさし】
【形容詞:ク活用】
①面倒だ。わずらわしい
②わざとらしくていやみだ
③立派だ。すぐれている
④ゆきとどいている。気配りがされている。細心だ
※Weblio古語辞典より
1.手をたたいて山彦を呼ぶと答えてくれるが、それがまたひどくうるさい。
2.手をたたいて人を呼ぶと、こだまが反響するばかりで、ひどく鬱陶しい。
3.手をたたいて反響音を確認すると、こだまが応じてくれるので、とてもすばらしい。
4.手をたたいて山彦を呼ぶと、応じる声が反響してしまうので、たいそう煩わしい。
5.手をたたいてみると、こだまの声が感応しているのが、非常に行き届いている。
…「うるさし」で、まったく絞れませんよねー;;
(;゚;∀;゚;)
そんな時には、
前後の文脈を見るまえに、他の単語も確認してみましょう。
手たたけば、山彦の応ふる、いとうるさし。
「応(こた)ふ」という古語は、
現代の「答える」に通するので、とばしがちですが…
現代の「答える」は、
古語の「いらふ」なんです!
;;(゚Д゚≡゚Д゚);;
【こたふ(応ふ・答ふ)】
【自動詞:ハ行下二段活用】
①答える。うけこたえする
②反響する。こだまする
③感応する。信心に神仏などが反応を示す
※Weblio古語辞典より
…まあ、漢字のイメージで、けっこう理解できる古語ですが、
1.手をたたいて山彦を呼ぶと答えてくれる(△)が、それがまたひどくうるさい。
2.手をたたいて人を呼ぶと、こだまが反響するばかりで、ひどく鬱陶しい。
3.手をたたいて反響音を確認すると、こだまが応じてくれるので、とてもすばらしい(△)。
4.手をたたいて山彦を呼ぶと、応じる声が反響(△)してしまうので、たいそう煩わしい。
5.手をたたいてみると、こだまの声が感応している(△)のが、非常に行き届いている。
状況とビミョーにズレてる所が確認できますね。
(o^-')b
正解…2
「我、人を起こさむ。手たたけば、山彦の応ふる、いとうるさし。ここに、しばし、近く」
とて、右近を引き寄せたまひて、
● 過去記事リンク
■いと
■近し
■とて
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