【夕顔118-3】古文単語「掛かる」
源氏物語イラスト訳の重要古語です
【古文単語の主なパターン】
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…高校生がほぼ使わない死語?
【今回の源氏物語】
そこはかとなくまどはしつつ、さすがに、あはれに見ではえあるまじく、この人の御心にかかりたれば、
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今回出てきた古文単語
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■【そこはかとなし】…どことなくはっきりしない
■【惑はす】…迷わす。混乱させる
■【つつ】…反復の接続助詞
■【さすがに】…そうはいってもやはり
■【見】…マ行上一段動詞「見る」未然形
■【で】…打消接続の接続助詞
■【は】…強意の係助詞
■【え…(打消)】…~できない(陳述用法)
■【ある】…ラ変動詞「あり」連体形
■【まじく】…打消推量の助動詞「まじ」連用形
■【この人】…ここでは夕顔の君をさす
■【の】…主格の格助詞
■【御心】…光源氏のお心
■【に】…対象の格助詞
■【かかり】…ラ行四段動詞「掛かる」連用形
■【たれ】…存続の助動詞「たり」已然形
■【ば】…順接の接続助詞
■【便なし】…不都合だ
■【軽々(かろがろ)し】…軽々しい。軽率だ
■【と】…引用の格助詞
■【思し返す】…思い直しなさる。反省なさる
※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
※【思ひ返す】…思い直す。考え直す
■【わぶ】…嘆く。悩む。困る
■【つつ】…反復の接続助詞
■【いと】…とても
■【しばしば】…頻繁に。しばしば
■【おはします】…「行く」の尊敬(作者⇒光源氏)
◇ 今回は「え」の用法にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「かかる」 ☆
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「かかる」という古語で最も覚えるべきは、
指示語の「かかり」でございます。
【かかる(掛かる・懸かる)】
【自動詞:ラ行四段活用】
①寄りかかる。頼みにする。たよる
②目や心にとまる。かかりっきりになる
③かかわり合う。関係する
④あたる。ふりかかる
⑤さしかかる。通りかかる
⑥攻めかかる。襲いかかる。
【かかる(斯かる)】
【連体詞:動詞「斯かり」の連体形】
…このようである。こんな
*全訳古語例解辞典(小学館)より
また、これら活用も複雑に派生してるので、
できたら、以下のような練習問題で
慣れていくようにしましょう♪
(σ・∀・)σ
そこはかとなくまどはしつつ、さすがに、あはれに見ではえあるまじく、この人の御心にかかりたれば、
問)傍線部の文法説明として最も適当なものを選べ。
1.指示副詞の「かく」にラ変動詞「あり」が連なった形。
2.ラ行変格活用動詞「かかり」の連体形。
3.ラ行四段活用動詞「かかる」の連用形。
4.カ行下二段動詞「掛く」に完了の助動詞「り」が連なった形。
5.カ行下二段活用動詞「掛く」の連用形。
た、たしかに…
カ行下二段活用動詞「掛く」ってあります。
「掛かる」が自動詞だとすると、
「掛く」は他動詞です。
現代でいう、「掛ける」ってとこです。
正解…3
そこはかとなくまどはしつつ、さすがに、あはれに見ではえあるまじく、この人の御心にかかりたれば、
● 過去記事リンク
■さすがに
■見る
■え~まじ
■心
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