【帚木77-②】「えなむ思ひ定むまじかりける」の解釈☆
おはようございますあいです。
このイラスト解釈は、毎朝7時ごろ更新しています。
休憩時間などの隙間時間にお読みくださいね♪
毎日読むクセがつけば、着実に古文目線が身についてきますよ☆
↓今日の源氏物語はコレ↓
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「…わがものとうち頼むべきを選らむに、多かる中にも、えなむ思ひ定むまじかりける。…」
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【源氏物語~これまでのあらすじ】
桐壺帝の御子である光源氏は、臣下に降格してからも継母である藤壺宮を忘れられないでいました。ある五月雨の降る夏の夜、宮中の宿直所で、光源氏は頭中将(源氏の義兄)と、女性論の話になり、そこに友人の左馬頭、藤式部丞が加わって、さらに話は盛り上がります。「品定め」とは、身分を定めるという意味であり、女性の身分を3つに分けられ、様々な議論が交わされます。左馬頭はこう話を続けます。
今回は、「えなむ思ひ定むまじかりける」の解釈です♪
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左馬頭は、また女性論に関して話を続けます。
「雨夜の添い無さダメ」においては、けっこうリーダー的存在のようですね^^☆
「えなむ思ひ定むまじかりける」の解釈として最も適当なものを選べ。
1.自分の妻にする女性を選ぶとなると、まったく決定するに至らないものだと、自分の不甲斐なさを嘆いている。2.真剣に付き合う女性を選び出す時には、とうてい理にかなう人がいないだろうと、理不尽な世情を憂えている。
3.自分の妻にしうる頼りがいのある女性は、この世の中でまったく選べるはずはないと、女性の品薄さを悲嘆している。
4.真剣に付き合うとなると、とても恋人とする意志決定ができそうになかった、と左馬頭は自分の経験談を述べている。
5.妻として信頼できるような女性を選ぶ段になると、なかなか決められないものだと、左馬頭は嘆息している。
「え」という語を見つけられましたか?
「まじかり」と呼応する不可能の構文に気づいたあなたはエライ!
未然:まじく/まじから
連用:まじく/まじかり
終止:まじ
連体:まじき/まじかる
已然:まじけれ
命令:○
「まじかり」は打消推量の助動詞「まじ」の連用形です。
【え~まじ】
…とても~できない、~できそうにない
「まじ」は「べし」の否定形ですので、
スイカトメテに打消の意を加えた意味になります。
え?マジΣ(゚д゚;)
「え~(打消)」という構文で、すでに不可能の意になってますので、
■「まじ」=打消推量→~(でき)そうにない
■「まじ」=打消当然→~(でき)ないはずだ
など、文脈に合わせて「まじ」の意を考えてみましょう。
また、「まじ」を【不可能】の意ととらえ、
強い不可能の意を表すものとして、「とても~できない、なかなか~できない」の訳出でも良いでしょう。
傍線が引かれて出題されてない場合は、軽く読み飛ばしてくださいね^^;
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では、この「え~まじ」に焦点を当てて、選択肢を見てみましょう。
1.…、まったく決定するに至らないものだ(全否定)
2.…、とうてい理にかなう人がいないだろう(全否定+打消推量)
3.…、この世の中でまったく選べるはずはないと、(全否定+打消当然)
4.…、とても恋人とする意志決定ができそうになかった、(不可能+打消推量)
5.…、なかなか決められないものだと、(不可能)
「え~まじ」の構文がきちんととらえられているのはどれでしょう?
4と5ですよね♪
(●´エ`●)
※本番の入試では、もう少し見分けやすい問題になってるはずです^^;
次に、「ける」の文法的意味☆
■「けり」が【過去】の場合は、間接体験
■会話文・和歌中の「けり」は【詠嘆】
こういう長文の会話の場合には、常に意識していないと見落としてしまいがちですが、
4は、いちばん始めに消去できるんですよ♪
正解は……5
(o^-')b
今日も最後まで読んでくれてありがとうございました☆
夕方5時ごろに、本日の重要古語を更新しますね♪
あいでした