【夕顔4-3】古文単語「やうかはる」
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はホボホボ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
古文特有のつながり古語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
立ちさまよふらむ下つ方思ひやるに、あながちに丈高き心地ぞする。いかなる者の集へるならむと、やうかはりて思さる。
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今回出てきた古文単語
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■【立ちさまよふ】…立ってうろつき歩く
■【らむ】…現在の婉曲の助動詞「らむ」の連体形
■【下つ方(しもつかた)】…下の方
■【思ひやる】…想像する。思いを馳せる
■【に】…順接(単純接続)の接続助詞
■【あながちに】…ナリ活用形容動詞「あながちなり」連用形
※【あながちなり】…むやみだ。ひどい。はなはだしい
■【丈(たけ)高し】…背が高い
■【心地(ここち)】…気。感じ
■【ぞ】…強意の係助詞
■【する】…サ変動詞「す」の連体形
■【いかなる】…どのような(ナリ活用形容動詞「いかなる」連体形)
■【の】…主格の格助詞
■【集(つど)へ】…ハ行四段動詞「集ふ」の已然形
■【る】…存続の助動詞「り」の連体形
■【なら】…断定の助動詞「なり」の未然形
■【む】…推量の助動詞「む」の連体形
■【と】…引用の格助詞
■【やう】…さま。風
■【変はり】…ラ行四段動詞「変はる」の連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【思さ】…サ行四段動詞「思す」の未然形
※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【る】…自発の助動詞「る」の終止形
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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☆ 今回の古文単語 「やうかはる」 ☆
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古文特有のつながり古語
というのは、
古文特有の組み合わせによって、
重要古語のように、意味あいが特定される語です。
今回出て来たのは、
「様(やう)」+「変はる」の連語です。
【連語】
…様子が変わっている。風変わりだ。
「様(やう)」+「変はる」⇒「風変わり」
OK?=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
光源氏は、
半蔀を開けた上部から、簾越しに見えるシルエットが、
むやみに座高が高く見えたので、
なんだか「やう変はり」て滑稽に感じます。
それは、けっして「異様」とか「おかしい」とかいうのではなく、
一風変わった光景として
光源氏のアンテナに触れた
と考えるほうが、
今後の展開ともマッチしますね
立ちさまよふらむ下つ方思ひやるに、あながちに丈高き心地ぞする。いかなる者の集へるならむと、やうかはりて思さる。
● 過去記事リンク
■思ひやる
■あながち
■ぞ・ぞや
■いかなる
■ならむ
■変はる
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