【空蝉80-3】古文単語「丈だち」
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…日本語にはあるが受験生世代はほとんど使わない語。
…ですが、今回の古語は、
高校生はあまり使わない死語?
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
「民部のおもとなめり。けしうはあらぬおもとの丈だちかな」
と言ふ。丈高き人の常に笑はるるを言ふなりけり。
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今回出てきた古文単語
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■【民部のおもと】…民部のお方
※【民部(みんぶ)】…民部省の略。ここでは女房の呼称
※【御許(おもと)】…ご婦人。お方
■【なめり】…~であるようだ
※【な】…断定の助動詞「なり」連体形撥音便の無表記
※【めり】…推定の助動詞「めり」の終止形
■【けしうはあらぬ】…連語「けしうはあらず」の連体形
※【けしうはあらず】…そう悪くはない。さほど不自然ではない
■【おもと】…ご婦人。お方
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【丈(たけ)だち】…立った時の背丈。身長
■【かな】…詠嘆の終助詞
■【と】…引用の格助詞
■【丈(たけ)】…身のたけ。身長
■【高き】…ク活用形容詞「高し」の連体形
■【人】…ここでは女房のこと
■【の】…主格の格助詞
■【常に】…常に。いつも(ナリ活用形容動詞の連用形)
※【常なり】…普通だ。あたりまえだ
■【笑は】…ハ行四段動詞「笑ふ」の未然形
■【るる】…受身の助動詞「る」の連体形
■【を】…対象の格助詞
■【言ふ】…ハ行四段動詞「言ふ」の連体形
■【なり】…断定の助動詞「なり」の連用形
■【けり】…過去の助動詞「けり」の終止形
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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☆ 本日の古語 「丈だち」 ☆
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「丈(たけ)」というと、
は? なにそれおいしいの?
( °д°)
…みたいに固まっちゃう受験生いませんか~?
でも、「身の丈」は分からなくても、
「背丈(せたけ)」って言い方は、
今でもよく使いますよね!
(*。◇。)ハッ!
【名詞】
…立ったときの背の高さ。背丈。身長
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
今回は、「民部のおもと」の背丈が問題になっています。
「丈」という語は、
もし今回あまりなじみのなかったなら、
この機会に、現代語として
覚えておきましょうね♪
(σ・∀・)σ
「民部のおもとなめり。けしうはあらぬおもとの丈だちかな」
と言ふ。丈高き人の常に笑はるるを言ふなりけり。
● 過去記事リンク
■なめり
■めり
■なりけり
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