【帚木85-③】古典文法~「るる」の識別☆
勉強お疲れさまあいです。
この重要古語は毎夕5時ごろに更新しています。
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↓今日の古文単語↓
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■【さて】…そうして、そういう状態で
■【保つ】…守るべきものとして大切にする
■【るる(自発)】…自発の助動詞「る」の連体形
■【ため】…~のため、~のせい(原因・目的)
■【心にくし】…奥ゆかしい
■【推し量る】…推察する
■【るる(自発)】…自発の自動詞「る」の連体形
■【なり】…断定の助動詞「なり」の終止形
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※上の意味は、今回の文脈での意となります。
今日は、「るる」の識別についてです☆
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「る」の識別については、以前に説明したと思ってたんですが、
よく見たら、完了「り」と受身「る」との識別ばかりを主に置いており、
基本的な受身・尊敬・可能・自発の「る」についての説明が手薄だったので、
今回取り出して説明させてもらいます^^;
問)「保た①るる女のためも、心にくく推し量ら②るるなり」
傍線①②の「るる」について、文法的に説明しなさい。
この手の問題は、各大学の赤本 などで、出題傾向をよく見ておきましょう♪
「るる」は、受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」の連体形です。
【る(助動詞)】
※未然形に接続する
れ / れ / る / るる / るれ / れよ
1.(受身)~られる
2.(尊敬)~なさる
3.(可能)~できる
4.(自発)自然と~される
この4つの意味の識別は、基本ですがよく出題されます。
オーソドックスな見分け方を書きますね♪
(o^-')b
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【「る」「るる」の文法的意味の見分け方】
1.「人に~される」というニュアンスで訳出できる→【受身】
無生物は、受身の主語にはなりません。
簡単な見分けの方法としては、
「る」「るる」の部分をペンで隠してみてください。
訳出が意味の通らない場合は、受身と考えていいでしょう。
2.主語が身分の高い人の場合→【尊敬】
古文では、主語が書かれていない場合もありますので、
部分ごとの主語の把握が必要になってきます。
3.打消や反語を表す語を伴う場合→【可能】
平安文学では、必ず打消の語を伴っています。
鎌倉以降の文学になると、打消を伴わない場合でも【可能】の意になる場合があります。
4.心中語の動詞に接続した場合→【自発】
「思ふ」「嘆く」「推し量る」など、心の動きを表す動詞に接続した場合、「自然と~せずにはいられない」という自発の意となります。
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主語が尊敬すべき人の場合や、心中語を伴う場合にも、
「(人に)~される」と受身になる場合がありますので、
まず受身かどうかを見分けるようにしてみましょう。
そして、心中語や打消などを伴うかどうかで判別していきます。
この要領で、機械的に意味を分類していきますと、
②については、
「推し量らるる」と、明らかに心中語に接続していますので、
②自発の助動詞「る」の連体形 となります。
①も、基本的には、
「保たるる女」=大切に保たれている女
受身の意味でとらえてよいのですが、
直後の「ため」という部分に、うまくつながっていきません;
なので、イラスト訳ではこう解釈してみました。
↓↓
保たるる女のためも、
訳)自然と大切に守ってしまう女性のためということもあるのだろうと、
イラストでは、「保たれる」という受身の意味で吹き出しをつけていますが、その分、補うべきことばが多くあります。
逆に、一語一語に即した逐語訳では、
「自然と~される」という自発の訳にしてみました。
すると、「ため」という部分に、スムーズにつながっていくんですね!
(゚∀゚)
どちらが正しいか、解釈の分かれるところですが、
入試問題では、こういう場合には「現代語訳」が出題されると思います。
その際、
受身ととらえるなら、意味がスムーズにつながっていくよう、言葉を補う必要があります!
こういう練習が、一般入試では必要になってきますね♪
(o^-')b
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今回の古文、一語一語、現代語訳できますか?
難しいようなら、イラスト訳や他の重要語句を復習してね♪
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【今日の源氏物語】
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「…さて、保たるる女のためも、心にくく推し量らるるなり。…」
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■心にくし
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あいでした
今日も最後までご愛読ありがとうございました(●´エ`●)