灘の過去問
今回は開成・筑駒を目指す関東トップ層男子向けの記事です。
私はもともと関東の最難関男子が塾にのせられて灘を受験することに反対の立場です。
もちろん受験生が本心から灘にチャレンジしたいと思っているなら別ですが、単に塾の実績稼ぎのために無料ツアーだからと1月の大事な時期に遠征までするのはいかがなものかと思っています。
これについては以下の記事などで詳細に述べているので、ご興味のある方は以下をどうぞ↓
ただ、それはおいておくとして、関東トップ層男子が灘の算数過去問をやるのは有意義だと考えています。
灘中算数の過去問は有意義
算数については言うまでもないですが、中学受験界最高峰です。若干出題方針は異なるものの、開成・筑駒の算数よりも難度が上であることは、息子の時に実感しました。関西の中学受験塾が異常に算数に力を入れるのも納得です。
従って、私は開成や筑駒を志望校とする男子が、灘中の算数に取り組むのは推奨しています。もちろん出題傾向は開成・筑駒ともやや異なるのですが、算数の力を伸ばすよい鍛錬になりますので、意味はあると考えています。
ただ、塾では「灘の対策が開成・筑駒の対策なる!」と灘を受験させようと声高に宣伝しますが、これは単に過去問を購入して自宅で取り組めばよく、別に灘を受験しなくてもいいです。笑
国語と理科は関東勢には無駄
国語一日目は知識問題メインです。熟語パズルみたいなものもあり、面白いのですが開成・筑駒などでは国語の知識問題は漢字数問のみですので、関東最難関にはほぼ役立ちません。従って、こちらは取り組む必要はありません。
国語二日目については、読解問題メインですが開成・筑駒より平易です。記述も多いのですが、解答しやすい問題が多いのです。関東勢は特に取り組む必要がありません。
ただ、灘は詩もでますので、同じく詩が出題される筑駒の国語への慣れという意味では練習になります。ただ、筑駒の詩の問題は一見何を書いたらいいか皆目見当がつかないような問題も多いのですが、灘の詩は割と答えやすいので、直接対策となるかは微妙ではあります。
理科はやはり開成・筑駒とは全く異なります。過去問をご覧になるとお分かりになると思いますが、関東勢からすると計算問題の割が異常に高いです。ほぼ算数じゃん、という感じですね。計算問題が出しずらいと思われる生物や地学分野でもガンガン計算問題を出してきます。
息子は計算問題の特訓として、この灘の理科を何年か分取り組ませたのですが、正直意味なかったと思います。関東の難関校でももちろん計算問題は出題されますが、多くても全体の1/4程度でしょう。ちなみに開成の理科はそこまで計算問題が出題されませんし、関東の難関校の中でも比較的平易です(守りの科目と言われています)。筑駒は物理が難問で有名ですが、これは計算問題とは異なり場合の数とか論理の問題ですので、灘の理科では対策にはなりません。
なので、関東最難関勢は、灘の国語と理科は全くやる必要がありません。
関東勢による灘受験の無駄
さて最初に戻って、関東勢の灘受験について再度一言。
本気で灘に入学したい、チャレンジしたいと受験生が望む場合を除き、塾に踊らされるような形で関東トップ層が灘受験にチャレンジするのは無駄が多いです。
上に見たように、算数の過去問は関東最難関受験でも役に立つと思いますが、国語と理科は全然必要ありません。灘を受験する場合、その対策に無駄な時間を使うことになってしまいます。特に関東の難関校とは全くベクトルが違う国語一日目と理科は対策に時間を取られます。
6年秋は飛ぶように時間が過ぎていきます。合格しても通うつもりがない学校を受験するよりは、第一志望・第二志望の対策を万全にする方がいいです。無駄に時間を使っている場合ではないのです。
灘・開成・筑駒の三冠達成は中学受験が過ぎれば本人にとって全く意味がありません。開成や筑駒に入学すると、そんな称号はただの過去の栄光となり何の自慢にもならないのです。それよりも自らの熱望校である開成や筑駒に入学し、そこで何を成し遂げるかの方がはるかに大切です。灘合格の意義があるのはそれを煽る塾だけです。
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中学受験総括⑥-6年開始から夏休み前まで(1週間スケジュール)
中学受験総括⑫-6年9月から12月(必須の模試と他塾模試の必要性)
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