自宅で観た映画 〜11・12月編〜 | ゆびにんブログ -指人形10,000体作りま…すん-

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もこもこうさぎのフェルトの指人形
(2020/11/01 制作)


2020年最後の備忘録、ショウジですショウジ

というわけで自宅で観た映画の感想でっす。

11月分も掲載していなかったので12月分とまとめてのお届けです。

これまでの → 2018年2019年1月2月3月4月5月6月7月8・9月10月


11月に観た映画


『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』
試写会に当たることを見越して指人形まで作っていたが当たらず、11年経ってやっと観た。
貧乏で甲斐性なしの夫を支える妻の話で暗かった。
しみったれすぎていて、お松が綺麗であること以外に見どころがない。
太宰原作だったらもっと滑稽で笑えるところがないと…


『1人8カメ(One Man Eight Cameras)』
札幌国際短編映画祭の余韻を引きずり短編を観る。 
2015年に上映された時に観なかったプログラムに入っていたので探して観た。
面白いけど不気味。観たい人はこちら


『ネズミのおきゃくさん(Perfect Houseguest)』
こちらも札幌国際短編映画祭で上映されたもの。
かわいいのでぜひ。(YouTube


『パリの灯は遠く』
黒沢清監督がおすすめの映画2本を上映した後にトークショーを開催する、というイベントがあり
トークショーのチケットだけ取ったので、2本のうち1本を予習として観た。
(もう1本は先月掲載した『マリアンヌ』)
戦時中が舞台の話で、同姓同名のユダヤ人がいたことでトラブルに巻き込まれていく男を描いている。
戦争映画は好きではなくてほとんど観ないし
自分に非がないのに理不尽な目に遭うっていう話も進んでは観ないので
あまり面白くないなあ…と思ったのだが
黒沢監督のトークショーで「主人公がとにかく女性に冷たくされて振り回される」ということや
女性キャラクターの見切れについての解説を聞いて、視点によっては面白く観られるんだなと思った。
どんな映画でも、つまらないと思ったら途中から着目する場所を変えて観てみようと思った。


『天井桟敷の人々』
北野武が好きな10本の中に入っていたので観てみた。
名作とされるのはわかったけれど、私はあんまり…
キャラクターの濃さはいいけれど、ストーリーが演劇的だから好みじゃなかったのかも。
せっかくなら、劇場の表でやっていたサイドショーのシーンをもっと観たかった。
パントマイマーのバチスト、ヒロインのガランスは最初から最後まで好きで
フレデリックは第2幕でナイスガイぶりが炸裂して好きになった。
バチストが属する劇団の座長の娘・ナタリーがバチストのことが好きで
望み通りに結婚して子どもも産むのだけれど、そうすればガランスに勝てると思っているところが
まじで痛かった。ただ、実際にいそうなキャラクターはナタリー…近くにいて欲しくはないけど。
ところで、往年の映画のデジタルリマスター版が落ち着いたと思ったら
今度は4K修復版というやつが始まったらしく、本作も上映されているよう。
本当、うまい商売考えるよなあ…


『パパってなに?』
暗い。主に冬の旧ソ連が舞台なので観ていて寒い。
母親が一人で産み落としたため、主人公の少年は実の父親を知らず
母親が引っ掛かった内縁の夫を父親として慕うのだが…という話。
義理の父親はかなり悪い男なのだけれど、私は実の母親の方に腹が立った。
男に頼らざるを得ない時代背景があるのかもしれないが
あんな変な男に寄りかからずに最初から働いて一人で育てれば
自分もあんな最期にならなかったのに…
内縁の夫が子どもを殺すニュースを見かけるので
シングルマザーになった人は観ると自戒になっていいかも。
うちも母子家庭だが、母が変な男に引っかからなくて本当に良かった…


『マラヴィータ』
犯罪者一家の話。デニーロ何でも出る…
ずっと監視されてるし、引っ越しばっかで大変そうなのに
開き直って楽しそうに暮らしてるのがいい。


『追風』
作っている最中に監督であるエドワード・ヤンが亡くなったアニメーション。
そういえばYouTubeにあったなと思いだして観てみた。
公開されているのは9分くらいのものなので一瞬で観終わるのだけれど
2時間まるまるワンカットにするつもりだったならすごい。
人と違うことをする監督だなとつくづく思った。


『クラバート』
怖いけど素敵な映画。
ただし幼児はトラウマになりそうなので観ない方が良い。
小学校高学年より上の年齢向け。


『バッド・チューニング』
リンクレイターの作品全部観ようかと思ったけど別にいいかな…と思うくらいには
他の作品との類似点が多すぎる。
一日とか数時間の話作るの本当好きだな!
監督本人が野球やってたっていうのもあるけど、野球本当好きだな!って感じ。
中身があまりにも軽すぎる。
これを観るんだったら『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』を観た方が良い。


『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
ナギニは人間だったの!?
妹なんでそっち側につくん!?の2点しか覚えてない。
このシリーズはハリポタに比べて初っ端から暗いのが嫌だ。
もうちょっと夢を見させてほしい。
あと、例によってハリポタの人物が出てくるけどほぼほぼ思い出せなかった。


『俺たちは天使じゃない』
脱獄コメディ。デニーロわりかし何でも出るんだな…


『SOMEWHERE』
ソフィア・コッポラは『マリー・アントワネット』しか観ていなくて
くそつまらなかったので本作も期待せずに観たのだが
こーれがとても良かった!!!
父と娘の数日間が淡々と描かれるのだけど不思議とまったく退屈しないし
また観たいと思った。他のソフィア・コッポラ作品も観てみたい。


『狼煙が呼ぶ』
昨年9月に劇場で観て以来の鑑賞。
『破壊の日』のクラウドファンディングのリターンのDVDが届いたので観た。
やっぱこれはスクリーンで観た方が良い作品だな…
家で観ると音圧が圧倒的に足りてないし、テレビの画面サイズでは森に入っていく感じが出ない。


『ファイア byルブタン』
パリのナイトクラブ・クレイジーホースでルブタンがプロデュースした「ファイア」
というヌードショーのドキュメンタリー作品。
綺麗だしおしゃれなんだけど、映画としては退屈だった。
ダンサー紹介で1人1人がスノードームに入っているような映像にしていたのは面白かった。


『バーフライ』
ブコウスキー作品なら『酔いどれ詩人になるまえに』の方が好みだった。
バーフライは脚本、酔いどれ〜は原作だから厳密には違うタイプの作品なのだが
描かれていることがほぼ同じなので、マット・ディロンの演技とラストのモノローグで後者に軍配。


『おいしい家族』
いまいち。色んな年代の人が出てくる割に人物像が描き分けられていない感じがした。
同監督作品は『君が世界のはじまり』の方が圧倒的に良い。
作るごとに良くなっていっているということだからこれからが楽しみ。


『ジェリーフィッシュ』
レンタル落ちDVDの中にあって気になったので宅配レンタルしてみた。
想像してたより暗めな映画でインナーチャイルド的なあれだった。
3つの話が交差するのだが、ヘルパーの人とおばあさんの話は好み。
新婚夫婦の話なんかは「うっ」と思うオチがつくので
こういう情勢の中では観ない方が良いと思う。


『10ミニッツ・オールダー RED』
ビクトル・エリセ監督の短編が観たくて借りた。
7人の監督の作品が収録されているのだが、やはりエリセの『ライフライン』が一番好み。
次点でジム・ジャームッシュの 『女優のブレイクタイム』。
ジャームッシュ作品は1本も観たことがないので今後観たいと思う。
スパイク・リーの 『ゴアVSブッシュ』もちょうど大統領選が始まった頃だったので印象に残った。
ゴア陣営から見た大統領選についてのドキュメンタリー作品なのだが
「再集計の権利があった。1票ずつ数え直して本当は勝ったかを見る」
「再集計を主張した彼を誇りに思うわ」「票は奪われたと感じているわ」
などと言った発言があって、じゃあトランプ大統領にももちろんその権利があるよね?と思った。
あと、スパイク・リーの映画はしばらくいいや…とも思った。


『巴里の空の下セーヌは流れる』
フランス映画あんまり好きじゃない…っていう話で一致した友人に勧められて鑑賞。
フランスで製作されているのに、フランス映画の嫌な部分がまったくない作品だった。
ジメッとした感じとか、露骨すぎて笑えないような下ネタがない。
タイトルの通り、人間の世界でどういうことが行われようと
セーヌ川は素知らぬ顔でいつも通り流れる…というストーリーなので、無情な話ではある。
きっと観たことは忘れないだろうな。


『予兆 散歩する侵略者 劇場版』
『散歩する侵略者』は劇場で観たので、こちらもいつか観ようと思っていた。
面白いんだけどワンカットが長いシーンなんかが入ってて全体的にめちゃくちゃ長く感じた…
もうちょっと短くできなかったんだろうか…
東出の役は本筋の方にも出ていたのにまったく記憶になかった。
本作は東出無双でどんどん強力な力を持っていくのが観ていて面白かった。
このシリーズは地球に来た宇宙人が侵略の前準備として地球人が持っている「概念」を奪うのだが
夏帆は概念を奪われない人間かつ宇宙人を見分けられる能力を持っている。
見分け方は違和感を覚えるか否かなのだけれど、あの能力欲しいな…と思った。
あそこまで行かなくとも勘の良さというか違和感の感度を高めたい。
あと、大杉漣がちょっとだけ出ていて切なくなった。


『アニエスの浜辺』
アニエス・ヴァルダが自身の人生を振り返るドキュメンタリー。
彼女の作品は『幸福』しか観ていなかったので、もっと色々観てから観るべきだったと思った。
鏡を使ってスタッフを撮影するシーンや
アニエスがたくさんのほうきをプレゼントされるシーンが印象に残った。


『タオルを湯船につけるな!』
今年の札幌国際短編映画祭で観た『私にティッシュをください。』の監督が過去に作った作品。
同じ女優さんが主演でこちらも1テーマ。
ティッシュの方が面白かったけれど、1テーマで作り上げる潔さは好き。
あとタック・ハーシーが出ていてびっくりした。
観たい方はこちらでどうぞ!



12月に観た映画


『L.A.コンフィデンシャル』
枡野浩一著「もう頬杖をついてもいいですか?」に掲載されている作品は全て観たいと思っていて
「L」が本作で、テレビ放映されたのをすかさず観た。
ミステリーにしては最後の方がドタバタし過ぎているように感じてあまり好みではなかったが
ラッセル・クロウの役が幸せになれそうだったのでそこは良かった。


『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせに
 ちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』

タイトル長すぎ。
博士の異常な愛情か。
本編は面白いのでぜひ。
私はジーン・ワイルダーと羊、巨大おっぱい、体内の司令塔の3本が特に好き。
ジーン・ワイルダーは『星の王子さま』で今年観たばかりだったのでギャップに驚いたし
演技が上手すぎると思った。あれくらいクソ真面目にやってくれると観てる側が心置きなく笑える。


『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』
良い!!!
ヘドウィグのファッションが観ていて楽しいし、音楽がめちゃくちゃ良いし
現在と回想シーンの切り替え方も好きだし、とにかく全体的に好きだった。
特にお気に入りはトレーラーの中で歌う「Wig In A Box」のシーン。
また観たいしサントラ欲しいなー


『On your mark』
チャゲアスのPVとして作られたジブリの短編
『魔女がいっぱい』の感想を読んだ友人におすすめされて観たのだが
両作品で描こうとしていることが合致していた。
駿がこんな意味深な作品を作っていたなんて…ただの少女好きじゃなかったんだなと思った。


『天使 L'ANGE』
デジタルリマスター版のチラシを劇場で貰って気になったものの
観たことがない監督だったし、リマスターじゃなくてもいいか…と思い
宅配レンタルで借りようと思ったがなく、海外のサイトの配信で見つけた。
セリフが一切ないので問題なく観られた。
それにしてもこれは…劇場で観ていなくて良かった…
初見が劇場だったら不可解さ不気味さに震えたと思う。
リマスター版を観に行くのは本作のファンの人だけでいい。


『ザジ ZAZIE』
枡野浩一著「もう頬杖をついてもいいですか?」の「Z」で取り上げられていて
掲載されている中で最も観たかった作品。これで観ていない作品は26本中9本となった。
2020年という年は本当に明日何が起こるのかわからないということを強く実感した1年だったので
叶えられることは叶えておこうと思い、ヤフオクでVHSを落札。
そう、本作はDVD化されていないのです…
その後、中古のVHSデッキもヤフオクで落札。
(テスト用のVHS付きだったので動作確認にありがたく使わせていただいたら中身はポケモンだった)
そしてついにZAZIEを鑑賞…
「もう頬杖をついてもいいですか?」に書かれている通り、退屈なシーンが多い映画ではある。
ちょっとうとうとしてしまったし…
だけど、不思議と心に残る作品で、枡野さんが何度も観てしまうと言うのもわかった。
主人公と松下由樹演ずるヒロインが素敵なものを交互に言い合うシーンなんかは好きだったし。
横道坊主の中村義人が演じる主人公・ザジは複数のレコード会社から声がかかるくらいの
人気のバンドを率いていたのだが、あっさりと辞めてしまい、新しい表現方法を模索している。
ザジは人と同じように弱いところを持っていて、自分というものが何なのか絶えず揺らいでいるのに
周囲には自由で、強くて、確固たる自分を持っていると思われていて、嫉妬もされている。
私には人から見られている自分と、自分が知っている自分の乖離にザジが苦しんでいるように見えた。
これってきっと世の中の大多数の人に当てはまることなんだけれど
こういうことを表現している映画って実は少ない気がする。
「性格の80%は癖だ。癖は治せる」とか
「ゆっくり悪くなったものって、ゆっくりしか治らないんじゃないか?」といった
ザジのセリフが説得力があって、詩人になればいいのに…と思ったが
それだとバンド時代とやってることがあまり違わないからダメだったんだろうか…
この2つのセリフ、治せるって思っただけでも救われるから良い言葉だなと思った。


『学校の怪談』
公開当時小学生だったので世代だったのだけれど
シリーズを1本も観たことがなかったので借りてみた。
子どもが学校から帰ってこないのに親や教師があまり心配していなくてめちゃくちゃ違和感あった…
池田小の事件が起こる前だったから危機感が薄い描写になったのかな…
キャラクターとしてはテケテケが一番謎で
学校に鎌背負ったゴリラの化け物が出る意味がわからなかった。
特に面白い点はなかったのでこのシリーズはこれっきりでいいや。


『俗物図鑑』
筒井康隆の小説を映画化したもの。
南伸坊のエッセイか何かで本作の話が出て来て
末井昭も出ているとのことだったためいつか観ようと思っていたのをやっと観た。
全体的にバカバカしくて面白かったし、キャストが大真面目にバカなことをやっているのが良い。
風刺も効いていて女性リポーターが青年にインタビューするシーンが特に面白かった。
以下、そのシーンの抜粋。
青年「僕の意見とあなたの意見が違うからってアナウンサーのあなたがなんで怒るんですか?」
リポーター「私の意見じゃありません。局の意見です。いえ、マスコミ全体の意見です」
青年「ああ、そうですか。あなたの意見はまた違うわけか」
リポーター「あなた、なんてこと言うのよ!なんてこと言うのよぉ…マスコミの意見は絶対です!
ベトナム問題でも反核のことでも、すべての人間の意見なんです!
それなのになぜ反対するんですか!!!」(以降泣きながら錯乱)


『修道士は沈黙する』
チラシのこの写真
修道士は沈黙する
これが気になっていつか観ようと思っていたので借りてみた。
世界の経済に多大なる影響力を持つ人物が修道士に告解を頼み、その夜に自殺してしまって
告解の内容に経済に関するある計画の内容が含まれているのでは…
と訝しまれ、修道士の命が狙われるという話。
写真のシーンは最初の方で登場し、これだけか…と思ったし
話自体がシンプルに面白くなくて退屈だった。
でもまあ最後の方のシーンは良かったかな…


『ピンク・フラミンゴ ノーカット版』
角田光代がエッセイで一番好きな映画に挙げていて
なおかつこんな映画を好きな自分はいけないんじゃないかと思ってあまり人に言わない
みたいなことを書いていたので、ずっと気になっていた作品。
なるほど、これは言わないわw
私はまあまあ好きだった。とにかく下品だけど全体的にあっけらかんとしているのがいい。
ただ観るのは一度きりで満足…
ところで「ノーカット版」というのは語弊があって、本編の最後に監督が登場して
カットしたシーンを解説付きで紹介してくれるというものだった。
「鶏のシーンは動物愛護団体から苦情が来たけど普通の鶏だって自然な殺し方はされない。
 この鶏は死ぬ前に3P出来て幸せ者だ」
とか言ってて面白かった。愛護団体の人が聞いたら顔真っ赤にして怒りそう。


『ホーリー・マウンテン』
初ホドロフスキー。
Twitterで「好きな映画10個あげると人柄がバレる」というハッシュタグが流行った時に
私が好きな映画と被っている人が結構挙げていたのでいつか観ようと思っていた。
(ちなみに『マルホランド・ドライブ』『デリカテッセン』同様だったが
 『デリカテッセン』はあんま好きじゃなかった。『マルホランド・ドライブ』はまだ観てない。)
まず字幕で観たが、ちんぷんかんぷんで途中うとうとしてしまい
次に特典のタロットカードの解説映像を観て
「あ、タロットカードを下敷きにしてたのか!だから塔とか逆さ吊りのシーンとか出て来たのね!」
と腑に落ちて、ホドロフスキーのコメンタリー+コメンタリー字幕で再度観て5割くらい理解した。
衣装も美術も独特で、単純に映像として面白いのでぼーっと眺めるだけでも楽しめる。
虹の部屋のシーンが特に好きだった。
コメンタリーでは各シーンの撮影方法を説明してくれる他にも
誰がいくら出資してくれただとか、誰と喧嘩して仲直りしただとか
キャストのほとんどが俳優ではないのでこの人はどういう人だとか
本作を観たフリードキン監督が音効を気に入ってその人を借りて出来たのが『エクソシスト』だとか
裏話が盛りだくさんで面白かった。
まだ観ていない方にはちょっと面倒でも字幕とコメンタリーの両方を観ることをおすすめしたい。


『不思議惑星キン・ザ・ザ』
クー!
ひたすらのほほんとしたSFなんだけど
こんな調子じゃ地球に帰れないんじゃないかと思って気が気じゃなかった。
デブの方の宇宙人は私だったら余裕で見捨てる。平気で裏切るんだもん。
ベルリンの壁が崩壊する3年前にソ連で作られているので
全体的にソ連の情勢とか階級社会を風刺していたんだとは思うが
具体的にどこが何を表しているとかはわからなかった。
ギリシャの人にとっての『旅芸人の記録』みたいな映画なんだと思う。
現代日本でこういう映画を観てみたいものだけれど
そもそもこういう形で映画を撮る監督が見受けられないからなあ…


『ポエトリー アグネスの詩』
歌人の枡野浩一さんがイ・チャンドン監督作品の中で一番好きだと言っていたので観てみた。
私はこれが初イ・チャンドン。
どんな映画なのかも知らずに観たのだが、観ている最中にこれは基になった事件があるのでは…?
と思って調べたら、実際に起こった事件に着想を得て作られていた。
そしてこういうタイプの映画のセオリー通り、実際の事件の方が何倍も酷い。
韓国は他国のあれこれを責める前に
自国の男尊女卑や性犯罪者を野放しにしている状況について、自国で対応するべきだと思った。
せめて救いのある結末が、実際の被害者にとっても救いになっていたらいいのだけれど…
主人公のミジャ以外の人物は全員自分のことしか考えていなくてイライラさせられるのだけれど
最終的には全部やり返すのでスカッとした。
ミジャ役のユン・ジョンヒの演技がとにかく素晴らしいのでそれだけでも一見の価値あり。
日本で言うと市原悦子並みの達者さ…
あと、詩を書く警察官も良かったなあ…バドミントンの相手になるところなんか忘れられない。


『劇場版 ムーミン谷の彗星』
テレビ放映されていたので観た。
ムーミンは原作もアニメも観たことがなく
しかしグッズは可愛いので持っているという状態だったのだが
本作を観てみてもこれじゃない感が強かった。
原作の通りに作ってはいたらしいのだが、パペットがとにかく可愛くないし
スナフキンなんか可愛くない通り越して不気味だったし
キャラクターたちが終始ドタバタと焦っていて、一旦落ち着け!!!と思った。
岸田今日子版のムーミンが観たい…


『裸足の季節』
「タイガー&ドラゴン」の一挙再放送や紅白やその他諸々を録画するために
HDDの空き容量を増やすべく、録画しておいてなかなか手をつけられなかったこちらを観た。
結果、途中からの展開に耐えられず倍速で観ることに…
5人姉妹の末っ子・ラーレが奮闘する姿は清々しいし、ラストは良いけれど
最初から最後まで人の人生を一体なんだと思ってんだ!と憤慨しっぱなしだった。
5人姉妹には祖母と叔父を殺すという選択肢があっても良かったと思うが
まあトルコはそういう発想も浮かばないような社会なんだろうな…


『はやぶさ/HAYABUSA』
つい先日深夜に放送されていたので録画しておいたものを鑑賞。
本作が今年の映画納めとなった。
小惑星探査機・はやぶさの打ち上げから帰還までを描いているのだが
研究所内ではやぶさにトラブルが起こっては指令コードを送って解決することの繰り返しなので
『空母いぶき』同様のダメさを感じた…
ところで、本作は竹内結子が主演なのだが
ラストで命の尊さについて大勢の人の前で語るシーンがあり、何とも言えない気持ちになった。
本作は後世に残るような名作ではないし、あくまでもセリフだから言わされているわけだが
言った人が自殺という形で亡くなると説得力がなくなってしまうんだな…とは思った。
亡くなった時はきっと必死でこの作品で言ったセリフもたぶん忘れてしまっていただろうけど。


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