自宅で観た映画 〜3月編〜 | ゆびにんブログ -指人形10,000体作りま…すん-

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日記を書きつつ、ゆるーく指人形10,000体を目指すブログです。

ミッドサマー風チューリップうさぎのフェルトの指人形
(2020/03/01 制作)


先月のプロフィール画像は『ミッドサマー』を意識したチューリップうさぎでした、ショウジですショウジ

ああ…劇場で映画を観ていた頃が遠く感じる…

観たい映画が軒並み延期になってしまい、テレワークの身でもあるので

劇場に行く機会がごっそり削られてしまいました。哀しみ…

もうHDDの中の映画観たり、宅配レンタルしたりするしかないな!

というわけで月末恒例の備忘録でございますー

これまでの → 2018年2019年1月2月

今月は鑑賞本数はそこそこかな。

番外編に書いている「妄想代理人」シリーズを観ていたのでそっちに時間取られました。


『ポップ・アイ』
チラシを取っておいたシリーズ。
チラシに傘を差した人が象に乗っている写真がばーんと載っていて
そのデザインからなんとなく素敵な映画なんじゃなかろうかと思っていたのだけれど
観てみたら会社からも奥さんからも邪険に扱われた悲壮感漂うおじさんのロードムービーだった。
なんかもうちょっとファンタジックでほんわかした映画を想像していたので、観たいものと違った。
道中で様々な人との出会いもあるんだけど、なんだか全体的に薄味に感じてしまったし…
結局は夫婦愛に帰結するところなんかも、そんな上手くいくかあ?と思った。
だって最初の方で、旦那に迫られた奥さんが
「臭いからあっち行って!」って突き飛ばすシーンがあるんだよ?
もうだいぶ冷え切ってるじゃん…
そんなこと言いつつも本当は愛してる、なんて都合の良い話があるかなあ…


『東京ゴッドファーザーズ』
昨年爆音映画祭で『パプリカ』を観て、今敏もっと観なきゃ!と思ったので借りた。
まあ、もっとと言っても映画は4本しかないのだけれど、私はパプリカしか観ていないので…
観ていて、ホームレス3人組を主人公にしたアニメを作る、っていう着想自体がすごいなと思った。
これを実写でやってしまうとリアルになりすぎるというか
ともすると観ている側が憐れみを持った目で観てしまうし、純粋なエンタメ作品として観られない。
そこをアニメにすることでグッとファンタジックになっているし
ちょっと都合がよすぎるんじゃ…っていう展開も「アニメだからなあ」と思って観られる。
東京の街並みはリアルに描かれているのに、起こることは空想的、このバランスが良い。
なおかつ、ヒューマンドラマとしてもちゃんと成立している。今敏、やっぱりすごい。
現代でアニメーション映画を作っているすべての人に
今一度、アニメで作る意義を考えて欲しいと正直思う。
湯浅政明監督なんかには
『夜は短し歩けよ乙女』や『映像研には手を出すな!』の路線を守ってほしい。
(彼の他の映画はアレなので…)
本作で、女の子の声を岡本綾が出していたのだが、とても上手かったので
この映画の数年後に起こるあれやこれやがなければなあ…と思った。
声優としてもっと出て欲しかったな。
あと、人間の表情がグロテスクにも近い描かれ方なのに
観ているうちにキャラクターに対してどんどん愛着が湧くのは不思議だなあと思った。


『パーフェクトブルー』
こちらも今敏。
タイトルから宮部みゆき原作かと思ったら違った。
97年の映画だが、アイドルを取り巻く状況ってこの頃から変わってないというか
むしろ悪くなってるんじゃ…と思った。
どこからどこまでが現実で、どこまでが妄想なのかわからなくなる作りになっていて
観た日に「今日悪夢見んじゃないか?」と思うくらい怖かった。
あと主人公がレイプされかけるシーンがあるのでこの映画は女性の方が恐怖を感じると思う。


『グロリア』(1980)
母が公開当時に劇場で観たそうで
内容を覚えていないのでもう一度観たいというリクエストを受けて借りた。
親とお姉さんを殺された少年が、同じアパートに住むカタギではない女性と逃げるって時点で
あれ…?これは…!と思ったら案の定『レオン』がこれに着想を得ていた。
本作はひたすら逃げる映画で中だるみしてる感が否めなかったし
少年が大根すぎるし、注文した飲食物をことごとく食べられないまま逃げる羽目になるので
せめて飲み物くらい持って出ようよ…!と思ったり、色々気になってしまった。
最後が墓地のシーンだったいうことだけ謎に覚えていた母も
「こりゃ内容忘れるわ…」と言っていたくらい。
そんなこんなで私は『レオン』の方がずっと好き。
『グロリア』が再会エンドなだけに
やっぱ守る側が死んだ方がドラマチックになるなあ…とか思ってしまった。


『トイ・ストーリー2』
放送されていたのでとりあえず観た。
モノは大切にしましょうっていう子どもへの教育ビデオ感が強いなあと思った。
にしても、このシリーズに登場する悪者は底意地の悪さがリアルだ。
3のクソピンクぐまも救いようなかったけど、本作のカントリーじじいも相当嫌いだった。
子どもに人間の醜さを教える意味もあるのかな…


『フェリーニのローマ』
『フェリーニのアマルコルド』もよくわかんなかったけど、それ以上によくわからなかった。
ボードヴィルショーは演者に対する野次とか横やりがひどくて
観客の「客なら何してもいい」感にいたたまれない気持ちになった。
修道院ファッションショーはシュールで面白いので見どころはそこかな…
『フェリーニの道化師』もあんまり…だったし
「フェリーニの」がつくシリーズは好みがはっきり分かれそう。
これでフェリーニの長編作品20本中5本観た。


『ブラックパンサー』
放送されていたので観た。
当時は試写会で観たのだが、やはりこれ系はスクリーンで観ないと面白さが半減するなと思った。
例によってストーリーは身内間の揉め事なので…


『ドクター・ドリトル』
エディ・マーフィーのやつ。放送されていたので観た。
とりたてて犬という生き物が好きではないのだが、犬の相棒感が良かった。
こういう作品の性質上、やっぱり相棒は犬になりますよね…


『愛なき森で叫べ』
現時点での園子温最新作。
Netflix限定作品だが、某所で見つけたので消されないうちに観た。
椎名桔平がばかばかしいことをこれでもかとやらされてるのが面白い。
おもちゃのピアノ弾くシーンとか本当ばかばかしさの極み。
北九州監禁殺人事件を元にして作られてはいるものの、内容はほとんど違う。
が、観た人が自ずと事件について調べることになるので
こういう作品が作られる意義はあると思う。
観た後に作品について調べていたら、監督のセルフオマージュだったようで
『冷たい熱帯魚』や『自殺サークル』『リアル鬼ごっこ』
など過去作を思わせるシーンが確かに多かった。
そんな感じで遊びの部分が大きいので、一本の映画としては『冷たい熱帯魚』をおすすめしたい。
それにしても園子温は女子に真っ白な下着を着けさせるのが好きねえ…
あんなの普通持ってないよ!


『モアナと伝説の海』
放送されていたのでとりあえず観た。
『リメンバー・ミー』よりずっと面白いし好みだった。
これ系は女の子主人公の方が気合入ってる気がするなあ…
途中で出会う男性キャラと主人公が恋に落ちる云々じゃないのが良かった。


『下衆の愛』
劇場で一度観ているので再見。
やっぱり最高だった。
最高であることを再確認するために観たようなもん。
岡野真也の途中の豹変ぶりはテレビサイズだと上手く見えた。
ただ、未だに劇中のような売れっ子女優になっていないのが悲しいところ…
DVDの特典映像として、カットシーンが入っていたが
内田慈の自殺シーンは要らないと思ったし、ラストシーンは本編のバージョンの方が良い。
使うシーンの判断のセンスも素晴らしい監督だと思った。


『暗殺教室 卒業編』
放送されていたのでとりあえず観た。
菅田将暉が出てる映画で面白いと思ったの銀魂くらいな気がするなあ…


『デルフィーヌの場合』
A〜Zの頭文字から始まる映画の感想と、A〜Zの頭文字で始まる短歌を組み合わせた
枡野浩一「もう頬づえをついてもいいですか?」の「D」で取り上げられていたので観た。
この本が好きすぎて、取り上げられている映画はすべて観たいと思っている。
で、本作はというと、枡野さんの感想が素敵だったので期待していた分
こんなひどい話か…しかも実話に基づいてるって…と思った。
主人公のデルフィーヌは彼氏のために行くところまで行って最終的に逮捕されるのだが
あの純真さがひたすら怖い。「愛のためならどんなことでもする!」っていう感じ…
デルフィーヌに片思いしている映画好きの少年が登場するのだけど彼が唯一の救いになっている。
釈放後に祖母の家で暮らすデルフィーヌの元に、すべてを知った上で彼がやってきて
「僕もなかなかしつこい男だろ?」と言ってビデオを3本貸す。
いけめん!!これが愛ってもんだよデルフィーヌ!と思った。
3本のうち1本がフェリーニの『道』になってるのは
今のデルフィーヌにはちょっとどうかと思ったけど…w(ちなみにあと2本は忘れた)
ただ、あの彼みたいな人は実在しなかったんだろうなと思うと余計に悲しくなる作品だった。
現実はとことん救いがなさそう…


番外編 ~ BTTF3部作をスクリーンで ~

午前十時の映画祭が3月で終了した。
クロージング作品はバック・トゥ・ザ・フューチャー三部作。
3本ともすでに観ているし、1なんかは数回観ている気がするが
スクリーンで観たことは一度もなかったのでこの機会に行った。
北海道はコロナの患者数が最多で殺伐とした時期だったが、劇場はほぼ満席。
シリーズの人気の高さが窺えた。
スクリーンで観るBTTFはやはりとてつもなく面白かったし
PART3の最後のドクのセリフにはほろりと来る…そう、未来は自分で切り開くもの。
そんな感じで大満足な午前十時の映画祭10 Finalだったが
なんと復活が決定して今年の4月からまた始まるー!と思ったら、来年の4月だった…
今度こそ前に流れてしまった『ミツバチのささやき』やってほしいなあ。

ところでBTTF本編も面白かったのだが、もっと面白かったのは
1作目を観に行った日に右隣に座っていた女の子に声をかけられたこと。
「バック・トゥ・ザ・フューチャーお好きなんですか?」と聞かれ
パッと彼女を観ると、なんとマーティのようにデニムに赤いダウンベストを観につけている。
おおおお…これは筋金入りのBTTFファン!
「3本のうちどれが好きですか?」と尋ねられて
「3って西部劇でしたっけ…?あ、じゃあ3です」
とおずおず答えるくらいのにわかファンの私は恐縮しきりだった。
PART2を観に行った日はロビーで発見したので
今度はこちらから声をかけて指先電氣館を渡させてもらった。
PART3の時もロビーで遭遇。この時はTwitterをフォローしていただいていたのでお礼を言う。
映画館で知り合うってこと実際にあるんだな…と思った。
BTTFがくれたご縁に感謝。


番外編 ~ マンスリーフリーシアターで観た映画 ~

友人がやっている無料自主上映会で新藤兼人の『鬼婆』を観た。
ホラー映画ってくくりみたいだけど、最後の方結構笑えた…
だってお面が取れないくだりがやたらとしつこいんだもん。笑かそうとしてるとしか考えられない。
新藤兼人は『午後の遺言状』と『裸の島』とこれしか観てないが、もれなく変。
新藤兼人は有名監督だし、観たことがない方からすると
タイトルや雰囲気からして真面目そうに見えるかもしれないが
実際に観てみると異様さがすぐにわかると思う。
ついでに言えば、私は「嫁にここまでやらせるか…!」と毎回思う。
今回もおっぱい出させる意味、ある?と思ったし。
乙羽信子、とことん夫に対する付き合いがいいな…
あとどうでもいいけど題字が岡本太郎って無駄に豪華だなと思った。

マンスリーフリーシアターは誰でも参加できる上映会なので来てみたい方はぜひ。
札幌市民交流プラザ3階・小練習室3で月に1度開催する予定みたいです。
気になる方はTwitterの@M_FreeTheaterをフォローしてみてください。


番外編 ~ 妄想代理人イッキ見 ~

テレワークしていると帰宅時間がなくなるため、私の場合17時過ぎから即自由な時間となる。
この機会を活かさない手はない!ということで
全作品制覇しようと思っている今敏の唯一のアニメシリーズ『妄想代理人』をイッキ見してみた。
DVD6枚を宅配レンタル。アニメ1巻目の無料キャンペーンが行われていたのでお得に借りられた。
ざっと内容を説明すると
精神的に追い詰められた人々の元に少年バットという通り魔が現れ、殴りかかる。
殴られた人は精神的に解放され…という内容で
2つの事件以外はすべて少年は幻というか概念という設定。
全13話を5日間で観たのだが、まあ…私は観なくてもよかったな…と言った感じ。
引っ張られはしないが、この殺伐とした世情の中で観るとちょっと暗い気持ちにはなるので。
OP映像もそうだが、最終回は津波が通った後のような街並みの映像が流れ
SF作品を産み出す人の予知能力というか業のようなものを感じた。
ちなみに、まったく関係ないが今敏は東日本大震災の前年に亡くなっている。
彼が震災後もアニメを作り続けていたとしたら
本作よりもシンプルな優しい作品も作っていた気がするし
そういう作品も観てみたかったなと思った。
私は13話中唯一、8話の「明るい家族計画」が好きで、これは4巻に収録されているので
気になる方は4巻だけ借りてみてください。
本筋とは直接は関係ない話なので単品で楽しめます。


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今回のおすすめは『東京ゴッドファーザーズ』と『下衆の愛』です。