自宅で観た映画 〜12月編〜 | ゆびにんブログ -指人形10,000体作りま…すん-

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日記を書きつつ、ゆるーく指人形10,000体を目指すブログです。

大掃除うさぎのフェルトの指人形
(2019/12/01 制作)


年内にはもう観ないと踏んで、ショウジですショウジ

12月に自宅で観た映画の備忘録でっす!

これまでの → 2018年分1月2月3月4・5月6月7月8月9月10月11月

ちなみに2019年に劇場以外で観てお気に入りだった作品は以下の通りです!

日本映画
・男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎
・at Home
・ドカベン
・コミック雑誌なんかいらない!
・パプリカ
・エレファントソング (利重剛監督)
・青い春 (再鑑賞)
・ナイン・ソウルズ  (再鑑賞)
・そうして私たちはプールに金魚を、 (再鑑賞)

外国作品
・イブラヒムおじさんとコーランの花たち (自宅で観た中では1位)
・8 1/2
・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
・ドクター・ストレンジ (再鑑賞)
・リトル・ミス・サンシャイン
・レクイエム・フォー・ドリーム
・マン・オン・ワイヤー
・ゴッドファーザーPARTⅡ
・バーフバリ 王の凱旋<完全版>
・エド・ウッド
・悪魔祓い、聖なる儀式 (感想は今回)
・1001グラム ハカリしれない愛のこと (感想は今回)


では12月分をどうぞ!

『ミーン・ストリート』
GEOの宅配レンタルを利用。
豊田利晃監督の自伝「半分、生きた」の中で出てきたので借りてみた。
オープニング映像がとても好みで「これめちゃくちゃ好きかも!!!」と思ったが
本編は残念ながら好みじゃなかった。
人がもみくちゃになって喧嘩してるシーンってつまらなく感じるんだよな…
豊田監督は自身をデ・ニーロ演ずるジョニー・ボーイに例えて
「最後にはすべてを台無しにする」と書いていたけれど
映画を10本以上も作っている段階でジョニーよりずっとちゃんとしていると思う。
ジョニーは何も成し遂げない、というか着手すらしない
ひたすら人にたかって生きていく人間だと思った。
ハーヴェイ・カイテル演ずるチャーリーはジョニーをどうしても放っておけなくて
何度裏切られても喧嘩しても見捨てずに面倒を見る。
そこがこの作品の美しいところなのかもしれないが
私は金にルーズな人間とは関わり合わないようにしているので、早く逃げて!!!と思った。
まあジョニーの従妹と付き合ってるから腐れ縁ってやつなのかもしれないけど…
そうだ腐れ縁も嫌いなんだよな…腐れてると思ったら切ってるし、切られてもいるという…


『チキンとプラム ~あるバイオリン弾き、最後の夢~』
GEOの宅配レンタルを利用。
チラシが美しくて、いつか観ようと思って取っておいた。
奥さんにバイオリンを壊されて絶望した主人公が死ぬまでの7日間を描いているのだけれど
ベッドに横たわっている現在+回想シーン+2人の子どもの未来になっていて
時系列がちょっとわかりにくかった。
主人公が恋人の父親に結婚を反対されて別れて
その後好きでもない女と半ば強引に結婚させられて
死ぬまで一度も愛せなかった上に、その女に大事なバイオリンを壊されるって最悪…
いくら過去の女に嫉妬しているからって人の大事なもの壊すのは無しでしょ…
あと、こういう話に対しては
「なんで素直に親の言うことを聞き入れるの?
 大人なんだから籍入れて2人でどっか行っちゃえばいいじゃん!」
とか思ってしまうので、またこのパターンか…と思った。
すべてを敵に回してでも2人で生きていく気概はないのか!!
自分より親の方が先に死ぬ確率高いんだから絶対好きに生きた方がいい。後々親を恨まないためにも。
でもって彼女が良家のお嬢様、とかならまだわかるんだけど
本作では町の時計屋の娘だったので余計に解せない。
チラシからファンタジックな映像の作品を期待していた分、全体的につまらなく感じた。
ユーモアとかチャーミングさが欠落している。
監督がジャン=ピエール・ジュネとかだったら面白くなったかも。


『森山中教習所』
録画しておいたものを鑑賞。
大学生である主人公が、今はヤクザになっている高校時代の同級生と再会して一緒に教習所に通う話。
大きな事件は起こらないし、ひと夏の出来事が淡々と流れていく作品なのだが
ヤクザの世界に生きる元同級生にとっては楽しいひと時だったんじゃないかとしんみりした。
数年後に2人が運転する車がすれ違うシーンが最後の方に入っているのだけれど
すれ違う瞬間に一切顔を見合わせないのが良い。
この先、一生会わないとしても2人が親友のように過ごした瞬間は確かに存在した。
それだけでいいと思う。
これまでは岸井ゆきのがあまり好きではなかったのだが、本作を観てちょっと克服できた。
最近『カツベン!』で成田凌を克服したので、そのうち『愛がなんだ』も観たい。
あと、本作を観て気付いたのが星野源がエンディング曲を務めている作品は大体好みだということ。
『地獄でなぜ悪い』『キツツキと雨』『108 〜海馬五郎の復讐と冒険〜』そしてこれ。
今後は気にしてチェックしてみようと思う。


『エレファントソング』
宅配レンタル返却前にもう1回鑑賞。
やっぱりいい…映画ってこれくらいシンプルで良いと思う。
寺島進が自殺した同級生にお金を返せなくなった話をして
「かなこちゃんはいいよね。約束を守ってあげられるんだから」と言うシーンが好き。
相手が亡くなっても果たしてあげられる約束があるってなんて希望があることなんだろう。
松田美由紀がアロハシャツをねじって頭に巻いたり腰に巻いたりするのも可愛いんだよね。
2回目にしてメイキングが入っていることに気づいて観たら
ちょっと前の時代な感じがくすぐったくて何とも言えない良さがあった。
これから観る方はぜひメイキングも併せて観ていただきたい。


『マルメロの陽光』
某動画サイトで鑑賞。
過去に観かけたのだが、いくら静かな映画好きとはいえ
あまりにも静かで眠くなってしまい途中でやめてしまった。
まだあるかなあ…と思ってマイリストを検分してみたら生きてた!
というわけで観た本作、まー静かだった。前回観るのやめた自分の気持ち、わかる…
でも、人が絵を描いているのを見るのが好きなので好みな作品だった。
アントニオ・ロペス・ガルシアがにこにこしながら描いているのが良い。
絵を描くことが心底好きなんだなあ。
リフォーム工事に来てる大工たちがこっそりマルメロを食べるシーンがあって
パクっておきながらまずいって文句言ってるシーンが印象に残った。
あれは民家の庭に植わってるだけで特別な手入れをしてないからだと思うな…
近所の人が毎年楽しみにしてるって言って取りに来てたけど
ジャムとかコンポートにでもするんだろう。
ビクトル・エリセは長編は3本しか撮っていないのでこれでコンプリート。
一番好きなのは『ミツバチのささやき』かなあ。
劇中に登場する『フランケンシュタイン』も観ようと思いつつまだ観てないな…


『みうらじゅん&いとうせいこう 20th Anniversary
 ザ・スライドショーがやってくる!「レジェンド仲良し」の秘密』

GEOの宅配レンタルを利用。
7枚返却したのと入れ違いに7枚レンタル。
友人に「引くくらい借りてる」と言われたが
近所のGEOで110円で借りるよりも安く借りようと思って
旧作55円×枚数+送料を計算した結果、お得なのが最低でも7枚なので仕方ないのだ…
その代わりレンタル発送から20日以内に返却すればいいし
90分前後のものを6枚と120分前後のものを1枚という借り方にして調整はしている。
(デメリットは7枚借りて好みな作品が1本とかだとしょげること)
そんな感じで借りた本作。
ザ・スライドショーの歴史を振り返りつつ、2人の仲の良さをアピールしているのだが
スライドよりなにより面白かったのは
楽屋で眉間にしわを寄せて懸命にスライドを選んでいるMJだった。
8人の食いしん坊の話も面白いけど、やっぱ面白いのはじゅん自身でしょ。
あと、私はこのカップリングよりもみうらじゅん×安齋肇の方が好きだなーと思った。


『悪魔祓い、聖なる儀式』
GEOの宅配レンタルを利用。
チラシを取っておいたシリーズ。
『エクソシスト』で有名な悪魔祓いのシーンを収めたドキュメンタリー。
UFOや未確認生物、幽霊の存在は信じる私だが悪魔に対しては、本当に?と思った。
キリスト教徒じゃなければ悪魔に憑りつかれることってないんじゃないだろうか。
入りやすい人は教会に来たことで逆に悪魔を取り込んでしまうとか本末転倒では…
悪魔のせいだと思うんです…という相談をひとつひとつ聞いて
それは違う、それは悪魔とか判断して、時には体を張って祓う神父、つくづく気苦労が絶えないね…
電話でまで対応してたし。効き目があるのか甚だ疑問だったけど。
恋人に暴力をふるっている男が「その時は自分自身じゃないんだ、記憶がない」
とか何とか電話で言い訳がましく言っていて、悪魔のせいだと思い込んでいるのが醜悪だった。
スキンヘッドでタトゥー入れまくりでピアスもしまくりで服とかアクセサリーもいかにもな感じで
ドラッグやってそう…いや、でも見た目で判断しちゃいけないよな…
とか思いながら観ていたら、鼻から白い粉を吸引しているシーンが出てきて
イメージのまんまじゃん!!と思った。
悪魔じゃなくてドラッグのせいだろ…


『ツィゴイネルワイゼン』
GEOの宅配レンタルを利用。
鈴木清順の幻想三部作は『陽炎座』だけ観ていて
わけわかんないけど2回観るくらい好きだったので借りてみた。
『陽炎座』より断然わかりやすいじゃーん!なんて思いながら観ていたのだが
終わりに近づくに従って、えっ…?どういうこと…??となって
混乱しているうちに「終」の文字が出た…やられた…
でも原作の方が怖いし、2回観るほどは好きじゃなかった。
まあ『陽炎座』は松田優作だし、美術も好みだったので2回観ちゃったのかも。
龍平さんほどではないけど優作も好きなんだな、きっと。
原田芳雄が出ている作品はハズレを引いた記憶がないので積極的に観ていきたい。
今のところ芳雄出演作の私的ベストは『寝盗られ宗介』。


『1001グラム ハカリしれない愛のこと』
GEOの宅配レンタルを利用。
チラシを取っておいたシリーズ。
劇場で予告も観ていて、観たいなーと思っていたのだけど結局行かなかった。
4年越しで観てみたらとても好みな作品だった。
同監督の『キッチン・ストーリー』も良かったけれど、こっちの方がより好き。
青い電気自動車や水色の寝具、水色の傘に水色のコート…と
寒色系で寂しさが際立つような絵作りがされている世界から
徐々に暖色系の世界に変わっていくのがとても好みだった。
主人公・マリエとパイのカップルは末永くお幸せに…と思ったし、純粋に羨ましかったな。
最後の方「15.5cm」「18cm!」の件は完全に下ネタだったけれど
本当に終わりの方までは寂しさに満ち満ちているので、あのシーンがあって良かった。
バランスが取れてる。


『(500)日のサマー』
GEOの宅配レンタルを利用。
以前より観たいとは思っていたのだが失念していて
フリーペーパー"スガラムルディ"で取り上げられているのを見て思い出して借りてみた。
美術とかファッションが可愛いし、映像も凝っていて好みなんだけど、ストーリーが好きじゃないのか
観てから日が経つにつれてどんどん嫌いになっていく稀有な作品。
私は主人公のトムを演じているジョセフゴードンレヴィッドが好きなので
全編通してヒロインのサマーにムカムカしてしまった。
もともと「私、結婚したんだ」って元カレにわざわざ言うシーンが嫌いなのもあって余計に。
最終的にサマーは運命を感じた相手と結婚するわけだけど
それってトムがサマーに対して運命感じたのと同じことじゃん…
つまり、どちらにしても上手く行かないということ。
サマーが心の有り様を変えない限り、サマーの人生では同じことが繰り返されるのでは…
Twitterで本作について友人(女性)と話していて気づいたのが
『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』が本作と似ているということ。
男をとことん振り回す女が登場し、その女に振り回されることで主人公が成長する。
どうも『(500)日のサマー』に対してトラウマを抱いている人が一定数存在するみたいなので
そういう方は『奥田民生に〜』は観ないほうがいいと思う。少なくとも楽しくは観られないはず。


『ピンカートンに会いにいく』
GEOの宅配レンタルを利用。
チラシを取っておいたシリーズ。
解散したティーンアイドルグループが20年以上の時を経て再結成する話。
なぜ観たいと思ったかというと内田慈が主演だから。
実際観てみたら内田慈以外の見どころは特になかった。
彼女は人をむかつかせる演技とかみじめな女を演じるのが本当に上手い。『下衆の愛』も最高だった。
本作は松竹ブロードキャスティングのプロジェクトで作られた作品だが
この企画って『恋人たち』が生み出されたという一点でもてはやされている気がする…
あれはそもそも監督が良いんだよ…


『イレブン・ミニッツ』
GEOの宅配レンタルを利用。
チラシを取っておいたシリーズ。
昨年劇場で観た『早春』のイエジー・スコリモフスキ監督の現時点での最新作。
『早春』は「トラウマ恋愛映画入門」で知って気になって観てみたのだけれど面白いと思えず
本作も好みではなかった。
17時〜17時11分までの11分間を様々な人の視点から描いたサスペンス、という触れ込みなのだが
どこがサスペンスなのかは最後の最後までわからないようになっていて
オチにたどり着くまでは思わせぶりなシーンの連続になっている。伏線の連続というか。
一応伏線は回収されるものの、回収されることで大惨事が起こる話なのですっきりはしない。
劇場で観た人はさぞかしげっそりしたことだろう…
先月レンタルで観た『エレファント』と作りは似ているけれどあっちの方が断然良かった。


『トゥルーマン・ショー』
録画しておいたものを鑑賞。
午前十時の映画祭でリクエストが多かった作品の中に入っていたので観てみたのだが
とても嫌いな映画だった。
これをリクエストするほど好きな人が多いのが謎。
望まれずに出来てしまった子どもを生まれた時点から24時間テレビ放映する
っていう前提からして私はもう無理だった。
『ブリグズビー・ベア』も同じ系譜だけどあっちは好きなんだよなあ…
あっちは自分が下界から遮断されて生活していたことに気づいてからが描かれるから良いのかも。


『マイ・インターン』
録画しておいたものを鑑賞。
デ・ニーロかわいいかわいいムービーだった。
アン・ハサウェイが演じているジュールズもめちゃくちゃ素敵な女性で
不倫する旦那の気が知れなかった。
ちゃんと2人の時間描かれてるのに寂しかったとか甘えだろ…
ベタベタな演出の旦那のくだりを除けば好みな映画だった。


『にがくてあまい』
録画しておいたものを鑑賞。
特段心を鷲掴みにされるような作品ではないが
川口春奈は女優の中では好きな方なので飽きずに観られた。
大河ドラマがんばってほしい。
ちなみに本作の林遣都はおっさんずラブとほぼ同じ役柄。


『Ryuichi Sakamoto: CODA』
珍しくEテレで実写映画が放送されていたので、とりあえず録画しておいたものを鑑賞。
取り上げられている人物に興味がなかったり
全く知らない人物だったとしても引き込まれるドキュメンタリー作品は存在するが
本作は最後の最後まで全く没入できなかった。
坂本龍一に対してはこれまでもこれからも興味を持つことはないだろう。
細野晴臣のドキュメンタリーは観ていないが、あちらの方が面白そう。


『太陽』
録画しておいたものを鑑賞。
気になってチラシを取っておいていたのだが
実際に観てみたら戯曲を無理やり映画にしている感が強かった。
村上淳の役がクソすぎて早く殺して欲しくてたまらなかった。
実際声に出して「殺せ殺せえ!」と言ってしまったほど…
あと、水曜日のダウンタウンで人がいるシリーズでおなじみの
能面みたいな顔した俳優が出てて怖かった。
どうも入江監督の映画の常連らしいので
映画で先に観てた人は水ダウ観て「あ!あの俳優だ!」って思ったんだろうな。
アメトーーク!のビビリ-1グランプリで大宮イチさんが脅かし役で出たのを観たときの私みたいに。


番外編 〜 ユナイテッド・シネマ札幌 リニューアル記念特別上映 〜

ユナイテッド・シネマ札幌がどこここ!?ってくらい新しくなった。
なんかそこはかとなくイギリスの映画館っぽい。行ったことないけど。
各シアターの入り口についてる「1Screen」っていう看板も超おしゃれ。
トイレの内装も変えたのか…!と入った瞬間思ったけど
直後に視界に飛び込んできた個室の「故障中」の張り紙。
内装は変えたのに、なぜ修理しないのか…
なんて話を母にしていたら「故障中なんじゃなくて"出る"んじゃないの?」と言われた。
その考えはなかった。

そんなユナイテッドのリニューアルを記念して1週間無料上映されたのは『そらのレストラン』。
無料かつ平日とはいえ19時台っていう仕事帰りに寄りやすい時間なのに
客が10人くらいしかいなかった。相当な人気のなさが窺える。
今年の作品なので本来なら指人形を作って独立した記事を作るところなのだが
指人形を作るのが心底面倒だったので今回は備忘録に載せることにした。
それにしても公開から1年も経たずに無料で上映って、金払って観た人いたたまれないんじゃ…
私は試写会にはずれ、"あの"シリーズなのでそのまま観に行かなかった。
1作目が『しあわせのパン』、2作目が『ぶどうのなみだ』、3作目がこれ。
1と2は監督が同じで、3作目だけ違う監督になっている。
2作目の評判が悪かったのでさすがにまずいと思ったんだろうか。
監督変更が功を奏したのか3作目は1・2よりはだいぶマシだったが、メンヘラの奥さんは健在。
吹雪の日にいきなり現れて
「ここは海の見える牧場ですか?」「ここで働けますか?」ってホラーだろ…
さらに恐ろしいことにどういう来歴の人物なのか作中では一切明かされない。
ヘタしたら洋もまったく過去を知らない可能性がある…連続殺人犯とかだったらどうすんだろ…
この役が本上まなみなのがより一層怖さを引き立てている。
『群青の夜の羽毛布』とか『まほろ駅前狂騒曲』とかなんかメンがヘラってる役が多いんだよな…
そんな奥さんはさておき
今回は愉快な仲間たちの中に石崎ひゅーいと眞島秀和がいたのでそこは期待していた。
ひゅーいは自作のカセットをかけながらUFOを呼ぶシーンが多かったので
この役を別の人がやっていたらもう見てらんなかったな…と私は思ったが
実際問題、観客のほとんどはひゅーいに興味ないだろうからぽかーんだったと思う。
眞島秀和は出番が少なく、かつ、別に誰がやってもいいような役だと思った。
やっぱりおっさんずラブの使い方はめちゃくちゃ上手い。
ドラマのサギデカですら起用している役が本作よりずっと合っていたし。

全体的にアレな脚本なのだが、特にこれはどうなの…と思ったのが
酪農家である主人公が師匠の遺したチーズを見つけるシーン。
 ① チーズに書かれた年月日を見る
 ② 「俺が初めて牛乳を届けた日だ」とつぶやく
 ③ チーズ工房へ続く階段が光る
 ④ 初めて牛乳を届けた日の回想シーン
…って、② いらないだろ…超説明台詞だし、観客はそこまで馬鹿じゃないぜ!
あ、③ もいらないかな?

そして、一番うわあと思ったのが
小日向の役が癌であることを知らせてほしかったと野菜農家が怒るシーン。
マキタスポーツが「知ってたら治せんのか!」と言い返すんだけど、本当それ。
病気である本人が言って欲しくないのに、どうして周りの人間に知らせなきゃならないんだよ…
周囲に腫れ物に触れるような態度をとって欲しくなかったし
いつも通りの生活を送って死にたかったってなんで考えらんないんだよこの単細胞!!!と思った。
実際こういう人が多いので映画を通じて怒ってしまった。
病気もそうだし、自殺した人に対して「相談して欲しかった」っていうアレ。
おまえ…自分に相談したら生きていく希望を与えてあげられたのにってか!
自分が他者に希望を与えられる人間だと思ってんの、やべえな! って思っちゃう…
「相談されなかった自分が可哀想」「信頼されてなかったなんて寂しい」
になっている気がして怖いし。
私は自殺を悪いことだと思っていなくて、自分で人生を終了させる地点を選ぶ行為だと思っているので
自殺した人を責める人のことが本当に理解できない。
(飛び降り自殺して下にいた人を巻き込んで死なせてしまう、とかは良くないと思うけど)
生まれてくる・こない自体を選べないのに、死ぬことも選べないってなんか割に合わない気がする。
心の中で「いつ死んだって良い」と思っていた方が生きやすくなったりもするし
別に個人の自由じゃん…
ZARDだって事故死でも自殺でも死んだことには変わりないわけで
ことさらに事故死を強調したい気持ちがわからない。

そんなこんなで
レストランの名前を決める時にメンヘラ奥さんが「そらのレストラン」とつぶやいたり
メニューが運ばれた後、一人一人の説明が始まったり(食べることに集中させてほしい)
作品全体としては「いかにも!」なところが多くて、やっぱりこのシリーズ…無理…と思った。
果たして道民でこのシリーズが好きな人っているんだろうか?
私は今後、間違いなくお金を出しては観ないし、試写会も応募しないと思う。
テレビでやったら観るかもしれないけど、もうスクリーンでは観なくていい。
深川栄洋監督作品も今後避ける。(三島有紀子はもちろん既に避けてる)

あと、高専の同期の名前をエンドロールに見つけた。おそらく木工品の協力だと思う。
『しあわせのパン』も、ちっちゃいもの店でご一緒したことのある作家さんが携わっていたりして
石を投げると知り合いに当たるくらい、このシリーズには道内作家が協力しているので
迂闊に悪口も言えない感じなのだが、まあ言うよね…
作家さんには全く罪ないというか、むしろ被害者だと思ってるし
これは映画自体に対する悪口だから…
考えすぎかもしれないけれど、こういう雰囲気映画作ってるプロデューサーが
道内作家の作品とか道産食材並べてドヤってるかと思うとむかむかする。
おまえが作ったんじゃないだろ!!!ドヤるのは作ってからにしろ!!って。
せっかくのリニューアル記念なんだから
こんな不人気映画じゃなくて『探偵はBARにいる』の1作目上映すればよかったのに。

それとこの映画、絵本の「わすれられないおくりもの」に着想得てるんじゃないかと思った。
絵本は名作なので未読の方はぜひ。


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来年は豊田監督の脚本担当作も観たいです。まだ2本観てないのがあるので。