山中さん 「異例」の早い受賞の理由は | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

山中さん 「異例」の早い受賞の理由は

京都大学教授の山中伸弥さんが、「iPS細胞」を作り出すことに成功してから僅か6年という異例の早さで、ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれたのは、研究成果を発表してからすぐに、世界中から山中さんをノーベル賞に推す推薦状が届いたためであることが、選考委員会への取材で明らかになりました。
京都大学教授の山中伸弥さんは、心臓の筋肉や神経などさまざまな細胞に変化するとされる、「iPS細胞」を作り出すことに世界で初めて成功し、通常は研究成果の発表から受賞まで10年以上かかるとも言われるノーベル医学・生理学賞に、2006年の発表から僅か6年で、ことし選ばれました。NHKの取材に応じた、スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会のハンソン事務局長は、「山中さんがiPS細胞について発表してからすぐに、世界中から山中さんをノーベル賞に推す推薦状が届き始め、私たちとしても、山中さんが世界中の研究者から有力候補として見なされていることを理解した」と述べ、世界中の研究者からの推薦状が後押しとなり、異例の早さで受賞につながったことを明らかにしました。
さらにハンソン事務局長は、「iPS細胞が医療の分野で新たな機会を作り出そうとしている」と指摘し、iPS細胞の技術が臨床で応用されて、患者の命を救うことに貢献するよう、ノーベル賞選考委員会として、今後の山中さんの研究に大きな期待を示しました。
(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121021/k10015895341000.html

“iPS細胞誕生”過程明らかに
ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞を作り出すまでの過程を記録した研究チームの資料をNHKが入手しました。
資料には、皮膚の細胞に24種類の遺伝子を入れることで世界で初めてiPS細胞の原型を作りだしたことが記録されています。
この資料はiPS細胞づくりの実験を担当した研究チームの高橋和利講師が山中教授に報告するため定期的に作成していたもので、特許の取得のため、これまで公開されていませんでした。
資料によりますと、研究は平成17年6月、2万以上あるマウスの遺伝子から初期化に関係すると研究チームが考えた24種類の遺伝子を選び出し、iPS細胞づくりの実験計画を立てるところから始まります。
実験では、皮膚の細胞に遺伝子を一つずつ入れ、変化を観察していましたが、24種類の遺伝子をすべて入れてみたところ、細胞に変化が確認され、世界で初めてiPS細胞の原型が誕生したことが平成17年8月に研究チームの内部で報告されています。
資料には、9つのiPS細胞の原型を撮影した写真があり、現在のiPS細胞に形が似たものから形の崩れた不完全なものまでありました。
また、研究チームが、この後、1か月余りでiPS細胞作りに必要な4種類の遺伝子を特定するなどノーベル賞の受賞理由になったiPS細胞作成に至る詳細な経過が記されています。
この資料について、京都大学iPS細胞研究所の担当者は「当時の研究チームが何をしてきたのか分かる資料で、日本の科学の歴史を振り返る際に役立ててもらえるようにしたい」と話しています。
(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121021/k10015905111000.html

自省する韓国、山中教授を激賞 「科学分野の博士学位は日本を圧倒しているのに…」
再生医療の切り札となるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発し、ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学の山中伸弥教授(50)と、受賞の背景にある日本の研究風土や政府の支援を韓国メディアが称賛している。
中央日報(電子版)は10日の社説の冒頭で、「やはり予想通りだ。研究は科学誌への公表後6年というスピードでノーベル賞を受けるほどのすごい業績だ」と山中教授の受賞を評した。また「日本は歴代受賞者の半分を超える11人が2000年以後に集中的に選ばれるほど加速度がついている」と過去10年余の相次ぐ受賞に注目。「受賞者の出身大学も京都大学や東京大学中心から名古屋大学、東北大学、長崎医科大学、北海道大学などに広がり、研究拠点が地方に広がっている。神戸大学出身の山中教授もiPS研究で名を上げ京都大学に招かれた」と“首都ソウル一極集中”の韓国との違いを指摘した。
同社説はさらに「山中教授は『大地震と不況の中でも50億円の支援を受けた。私でなく日本がノーベル賞をもらった』と喜んだ。未来のために基礎科学に惜しみなく投資する日本の底力に、ひとつの井戸を掘り続ける日本の科学者の精神に膝を打たざるをえない。また、日本の基礎学問の自主的な拡大再生産の構造も注視すべき部分だ」と日本を激賞している。
また、東亜日報(電子版)も10日の社説で「山中教授の受賞は、東日本大震災、経済危機、政治リーダーシップの欠如など、相次ぐ困難で落ち込んでいた日本人に矜持(きょうじ)と自信を吹き込んでいる」とし、山中教授の受賞を「日本政府の選択と集中が生んだ結果だ」と評価し、中央日報同様、日本政府の研究への支援やそれに対する山中教授の感謝の言葉を紹介した。
韓国ではノーベル賞のシーズンが来るたびに、メディアにこうした「日本称賛」の声が上がる。中央日報社説は「ノーベル賞の時期になると間違いなくため息とうらやましさが交錯してきた。今年も同じだ。日本の栄光をただぼんやり見守るほかない境遇だ」と文字通りため息をつく。「10年に米国で科学分野の博士学位を受けた韓国人は1137人で日本人の235人を圧倒しているが、韓国は科学分野のノーベル賞の実績はいまだにゼロだ。世界最高の教育熱、世界15位の経済規模に似合わないみすぼらしい成績表だ」とも自省している。
東亜日報社説は「最近の韓国では、国家信用格付けが日本をリードし、日本を侮るムードがある。日本のノーベル賞受賞はこのような軽い風潮に痛烈な忠告を与えている」と韓国社会の最近の対日観に警鐘を鳴らしている。
中央日報は「最後に注文したいのは科学者の姿勢だ。山中教授は『来週実験室に戻らなければならない。それがノーベル賞受賞者がすべきことです』と話した。こうした精神がなければ今日の彼の栄光もなかっただろう」と韓国の科学者に奮起を促した。
(SankeiBiz)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/121021/mcb1210210701002-n1.htm





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