「研究者・山中」念願の再始動 ノーベル賞受賞から1週間 | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

「研究者・山中」念願の再始動 ノーベル賞受賞から1週間

京都大教授の山中伸弥さん(50)がノーベル医学・生理学賞の受賞を決めて15日で1週間。日本中に巻き起こった祝福の嵐のなか報道各社の取材から首相官邸への表敬訪問まで、誠実にこたえてきた山中さん。今週から12月10日の授賞式まで公の場に出る機会を絞り込み、念願の研究活動に再び打ち込む方針だ。
15日午前9時、山中さんは、所長を務める京都大iPS細胞研究所(CiRA)で本格的に研究を再開した。終日、研究所にこもり研究に専念する。
10月8日、謙虚に喜びを語った受賞決定直後の記者会見で、山中さんは「来週からは研究に専念したい」と明言。9日は妻の知佳さん(50)と会見に臨み、研究を趣味のマラソンに例え「何十年という長い道のりを走っていきたい」とも語った。
10、11の両日は報道各社から2度目の個別取材。11日の産経新聞の取材にも、疲れを見せず「どうぞ質問を。一瞬で答えますから」とジョークを交えた。
12日は、横浜市内でバイオ関連のセミナーに出席し「iPS細胞は過渡的なもの」と断言。今年の受賞者に、高コレステロール治療薬を発見した東京農工大の遠藤章特別栄誉教授が選ばれると予想していたことを初めて明かした。
続いて首相官邸を表敬訪問。野田佳彦首相や田中真紀子文部科学相とも面会した。東京工業大では、平成13年にノーベル化学賞を受賞した野(の)依(より)良治・理化学研究所理事長と対談。集まった若者たちに「1回成功するために、9回ぐらい失敗しないと幸運は来ない。いっぱい失敗してほしい」と語りかけた。
この間、「日本人研究者がiPS細胞から心筋の細胞を作り患者に移植」との報道が駆け巡ったが、山中さんは「論文を読んでいない」として直接の言及を避け、「報道や動きに影響されることなく、リスクを減らし開発を進めたい」と慎重な態度を崩さなかった。後に報道が誤りであることが判明した。
激動の1週間を過ごした山中さんだが、17日に神戸市で予定していた講演は多忙を理由にキャンセル。12月10日の授賞式までは、受賞以前に決まっていたものなど以外、取材も原則として受けない方針にしている。CiRAの広報担当者は「受賞前の生活に戻ることはないだろうが、研究や論文執筆に費やす時間が多少はできるのでは」と話す。
(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121015-00000000-san-soci




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