治療用iPS、来年提供へ 山中教授、がん化克服へ改良 | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

治療用iPS、来年提供へ 山中教授、がん化克服へ改良

ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大の山中伸弥教授は11日、ヒトの治療に使える高い品質のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を、来年早々にも外部の研究機関に提供し始める方針を明らかにした。朝日新聞の単独取材に答えた。懸念されている「がん化」について、品質管理の強化や作製法の改良を通じて克服できるとした。
患者の皮膚細胞などからつくったiPS細胞を、網膜や神経など特定の細胞にしたうえで、病気の場所に移植することが計画されている。iPS細胞は自ら増え続けられる特徴もあり、その能力が残ったままだと体内で増殖し、腫瘍(しゅよう)になる懸念が残っていた。
現在、理化学研究所や慶応大などで臨床研究に向けた準備が進んでいるが、山中さんは「臨床に使えるレベルには達していない細胞で研究されている」と指摘。医療に使える品質のiPS細胞を改めて提供する必要があると述べた。
ただ、つくる過程で品質がばらつくのは避けられないといい、「工業製品のように、いい品質のものだけを選び出したい」とした。染色体の解析などを通して、安全なiPS細胞だけを選ぶ手法はほぼ確立しつつあるという。
がん化を防ぐためにも、細胞に万能性を持たせる「初期化」を完全にすることも欠かせない。このため受賞理由につながった手法から一部変更し、当面は計六つの遺伝子素材を使ってiPS細胞を作製していく方針も示した。「いまの手法に固執するつもりはなく、どんどん改良していく」とも話した。
(朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/OSK201210120003.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_OSK201210120003




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やはりこちらが本命かと。