iPS細胞研究の山中氏らにノーベル賞 医学生理学賞 | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

iPS細胞研究の山中氏らにノーベル賞 医学生理学賞

スウェーデンのカロリンスカ医科大は8日、今年のノーベル医学生理学賞を、京都大の山中伸弥(しんや)教授(50)らに贈ると発表した。皮膚などの体細胞から、様々な細胞になりうる能力をもったiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作り出すことに成功した。難病の仕組み解明や新薬開発、再生医療の実現に向けて新しい道を開いた。
日本の受賞は19人目で2010年以来。医学生理学賞は利根川進さんに次ぎ25年ぶり2人目。同時に受賞するのは英ケンブリッジ大のジョン・ガードン教授(79)。経済危機の影響で今回から2割減額された賞金800万スウェーデンクローナ(約9400万円)は2人で分ける。授賞式は12月10日、ストックホルムである。
神経や皮膚など様々な細胞は1個の受精卵から分かれてできる。受精の直後は体のあらゆる細胞になる「万能性」をもつが、特定の役割を持つようになると、元の状態に戻る「初期化」はしないと考えられていた。
山中さんらはこの生物学の常識を覆した。突破口を開いたのが、ガードンさん。1960年代に脊椎(せきつい)動物で初めて体細胞からクローンを作製。オタマジャクシの体細胞から核を取り出し、核を除いた未受精卵に入れると初期化されることを突き止めた。
山中さんは、難しい核移植をしなくても、初期化できることを発見した。06年8月、マウスのしっぽから採った体細胞に四つの遺伝子を導入することで、様々な細胞になりうる能力をもつiPS細胞を作ったと発表した。07年11月にはヒトの皮膚の細胞でも成功したと発表。すでに特定の役割を持った体細胞を再び受精卵のような万能の細胞に戻す常識破りの成果だった。
それまで「万能細胞」の主役だった胚(はい)性幹細胞(ES細胞)は、受精卵を壊して作る必要があり、受精卵を生命とみる立場から慎重論もあった。ヒトiPS細胞はこうした倫理的な問題を回避できる。
iPS細胞は、新薬開発への応用が期待されている。アルツハイマー病やパーキンソン病など様々な病気の患者の細胞からiPS細胞を作り、神経や肝臓などの細胞に分化させ、薬の候補になる薬剤をふりかければ、効果があるのか、毒性がないのか、調べることができる。
また、将来的には再生医療の実現への期待も大きい。iPS細胞から神経幹細胞を作って脊髄(せきずい)損傷の患者に移植したり、心筋細胞を心不全の患者に移植したりして、病気を治す再生医療の実現に向けて世界中で研究が進んでいる。

〈山中伸弥氏〉やまなか・しんや 1962年、大阪府生まれ。神戸大医学部卒業後、87年から整形外科の臨床研修医として勤務したが、基礎研究の道を志し大阪市立大大学院医学研究科へ。米グラッドストーン研究所に留学し、研究者としてのトレーニングを積んだ。99年に奈良先端科学技術大学院大助教授となりiPS細胞の開発につながる研究をスタート。2004年に京大再生医科学研究所教授になり、06年にマウスでiPS細胞を作製、07年にヒトでも成功と発表。08年に京大iPS細胞研究センター長、10年に京大iPS細胞研究所長に就いた。朝日賞やラスカー賞、ガードナー国際賞、ウルフ賞、恩賜賞・日本学士院賞、京都賞など受賞。

〈ジョン・ガードン氏〉 1933年英国生まれ。英オックスフォード大卒。62年、オタマジャクシの細胞の核をあらかじめ核を抜いた卵に移植すると、受精卵のような多能性をもつようになり、核が初期化することを示した。現在は英ケンブリッジ大教授。ウルフ賞、ラスカー賞など受賞。

《iPS細胞》 皮膚や髪の毛などの細胞を操作して、心臓や神経、肝臓など体のさまざまな細胞になれる能力を持たせた。一定の条件で培養すれば、無限に増やすことができる。様々な細胞になる「万能性」は、1981年に作られた胚性幹細胞(ES細胞)と同じだが、受精卵を壊して作るES細胞と違って、倫理的な問題を避けられる。induced Pluripotent Stem cell(人為的に多能性を持たせた幹細胞)の頭文字で、山中伸弥教授が名付けた。
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/science/update/1008/TKY201210080300.html

iPS、ビジネスも急拡大 特許許諾2年で倍増
ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大の山中伸弥(しんや)教授が切り開いてきた万能細胞「iPS細胞」は、臓器や組織をつくって人体に移植する「再生医療」への応用だけでなく、新薬開発のスピード化で関連企業から大きな期待を集めている。研究を側面支援するビジネスも急速に広がりつつある。
製薬業界では、患者らの体の一部を使ったiPS細胞を使って病気のメカニズムの解明を目指す動きが活発になっている。新薬の候補が見つかった場合でも、効果や毒性を試すのにiPS細胞を使えば、動物実験よりも精度の高い判定ができるという。
大日本住友製薬は昨年春、京大研究所と難病の治療薬を開発する共同研究を始めた。遺伝子の変異が原因とみられる難治性希少疾患の治療薬を見つけたい考えだ。武田薬品工業も慶応大と協力。iPS細胞を使ってアルツハイマー病のメカニズム解明につなげる狙いだ。
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/business/update/1008/OSK201210080026.html

生物学に与えた衝撃を評価 ノーベル賞選考委員会
《解説》山中伸弥教授が開発した体のあらゆる組織の細胞になる能力を秘めたiPS細胞。再生医療への夢をふくらませるが、ノーベル賞の選考委員会が評価したのは応用への夢というよりもiPS細胞が基礎生物学に与えた衝撃だ。
iPS細胞の源流はクローン動物にある。皮膚などの細胞を、あらゆる細胞に変化できる状態に戻す「初期化」の研究は、同じ遺伝情報を持つクローン作製技術から始まった。
1952年、米でカエルの胚(はい)の細胞核を別の卵子に移植し、カエルを誕生させた。だが、ごく初期の胚で初期化に成功とはいえなかった。
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/science/update/1008/TKY201210080334.html

山中・京大教授にノーベル賞…iPS細胞作製
スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル生理学・医学賞を、様々な種類の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)を作製した京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授(50)と英国のジョン・ガードン博士(79)に贈ると発表した。
体の細胞を人為的な操作で受精卵のような発生初期の状態に戻すことができることを実証し、再生医療や難病の研究に新たな可能性を開いた点が高く評価された。山中教授は、マウスのiPS細胞作製を報告した2006年8月の論文発表からわずか6年での受賞となった。
日本のノーベル賞受賞者は、10年の根岸英一・米パデュー大学特別教授、鈴木章・北海道大学名誉教授(化学賞)に続いて19人目。生理学・医学賞は1987年の利根川進博士以来、25年ぶり2人目。
授賞式は同賞の創設者アルフレッド・ノーベルの命日にあたる12月10日、ストックホルムで開かれる。賞金の800万クローナ(約9500万円)は2人の受賞者で分ける。
◆山中伸弥(やまなか・しんや)=1962年9月4日生まれ。大阪府出身。神戸大医学部卒。大阪市立大助手、奈良先端科学技術大学院大助教授、教授を経て、2004年10月から京都大教授。10年4月から同大iPS細胞研究所長。07年から米グラッドストーン研究所上席研究員も務める。
授賞理由は「体細胞のリプログラミング(初期化)による多能性獲得の発見」。
人の身体は、60兆個もの細胞でできている。これらすべての細胞は、たった一つの受精卵が分裂と変化を繰り返してできる。脳や皮膚、内臓などにいったん変化した細胞(体細胞)は通常、元に戻ったり、他の細胞に変化したりしない。
山中教授は2006年、マウスを使った実験で、わずか4種類の遺伝子を細胞に入れるだけの簡単な方法で、皮膚の細胞を受精卵に近い状態まで若返らせること(リプログラミング)に成功し、この常識を覆した。07年には、人間のiPS細胞の作製にも成功したと発表した。
iPS細胞は、全身のあらゆる細胞に変化できる「多能性」があり、ほぼ無限に増やすこともできる。患者の体の細胞から作ったiPS細胞を使い、これまで根本的な治療法のなかったパーキンソン病や脊髄損傷の治療に道が開ける可能性がある。
また、難病の患者からiPS細胞を作れば、発症の仕組みの解明や治療法の開発にもつながるなど、幅広い分野で応用が期待されている。
共同受賞のガードン博士は、オタマジャクシの細胞の核を、核を除去した卵子に移植することで、同じ遺伝子をもつオタマジャクシを誕生させた。成熟した動物の体細胞にも、潜在的にすべての細胞に変化する能力が残っていることを示し、iPS細胞作製への道を開いた。
(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20121008-OYT1T00570.htm

ノーベル賞:医学生理学賞に山中伸弥氏 iPS細胞作成
スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、12年のノーベル医学生理学賞を、京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授(50)と英ケンブリッジ大のジョン・ガードン博士(79)に授与すると発表した。授賞理由は「成熟した細胞を、多能性を持つ状態に初期化できることの発見」。山中氏は06年、マウスの皮膚細胞に4種類の遺伝子を入れることで、あらゆる組織や臓器に分化する能力と高い増殖能力を持つ「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を作り出すことに成功。拒絶反応の少ない再生医療や難病の仕組みの解明などにつながる革新的な功績が評価された。最初の成果が米科学誌に掲載されてから6年余りという異例のスピード受賞だ。
山中教授はこの日、午後8時から京都市左京区の京都大で記者会見。「私たちの本当の仕事は、しっかり研究を進め、iPS細胞の医療応用を果たすこと。これからも本当の仕事を進めていかなければならないと思った。難病を持っている患者さんには、希望を捨てずにいてほしい」と決意を語った。
日本人の受賞は10年の鈴木章・北海道大名誉教授と根岸英一・米パデュー大特別教授の化学賞に続く快挙で、医学生理学賞の受賞は87年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授以来25年ぶり2度目。今回の受賞で日本人の受賞者数は、米国籍の南部陽一郎氏=08年物理学賞=を含め19人(医学生理学賞2、物理学賞7、化学賞7、文学賞2、平和賞1)となる。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金800万スウェーデン・クローナ(約9800万円)が両氏に半分ずつ贈られる。
ヒトや動物は、1個の受精卵から体のすべての細胞を作り出している。受精卵は分裂を繰り返して数を増やしながら、心臓、筋肉、神経、皮膚などさまざまな臓器や組織の細胞に変化する。これが「分化」だ。一度心臓や筋肉の細胞に分化した細胞は、分化前の状態には戻らないと考えられてきた。
ガードン博士は62年、アフリカツメガエルの卵から、遺伝情報を含む核を取り除き、代わりにオタマジャクシの体細胞の核を移植。この卵はそのまま成長し、オタマジャクシと同じ遺伝情報を持つ新たなオタマジャクシに成長した。このことは、いったん分化した細胞でも、再びあらゆる細胞に分化できる「多能性」を持つことを示すと同時に、時計を巻き戻すように「初期化」できることを世界で初めて示した。
その後40年以上たった06年、山中教授らはマウスの皮膚細胞に4種類の遺伝子を組み込む方法で細胞を「初期化」し、多能性と増殖能力を持つ「iPS細胞」を作った。07年11月には、同様の手法でヒトの皮膚細胞からiPS細胞を作ったことも報告した。
iPS細胞は、受精卵を壊して作るヒトES細胞(胚性幹細胞)に比べ倫理面の課題が少なく、患者自身や白血球の型が同じ人の細胞から作ることで、拒絶反応の少ない再生医療が実現する可能性がある。患者から作ったiPS細胞を目的の組織や細胞に分化させ、その病気の解明や新薬候補物質の探索、副作用を調べる研究への利用も期待されている。
山中教授の論文発表直後から、世界中でiPS細胞を使った研究が始まり、日本も京都大などを拠点に国が年間100億円規模の研究費を投入するなど、「オールジャパン体制」で実用化を目指している。
【略歴】やまなか・しんや 1962年大阪市生まれ。87年神戸大医学部卒。国立大阪病院(現・国立病院機構大阪医療センター)整形外科で臨床研修をした。89年大阪市立大大学院に進み基礎研究に転向。93年に米グラッドストーン研究所に留学、本格的に胚性幹細胞(ES細胞)の研究に取り組んだ。
帰国後、大阪市立大助手を経て99年奈良先端科学技術大学院大学の助教授に就任し、iPS細胞の作成を目指す。04年京都大再生医科学研究所教授。08年1月新設された京都大物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター長、10年には同センターから格上げされた同大iPS細胞研究所の初代所長に就任した。
08年ロベルト・コッホ賞、紫綬褒章、09年ラスカー賞、10年日本学士院賞・恩賜賞、京都賞など受賞多数。今年6月には優れた技術に贈られる「ミレニアム技術賞」を受賞。08年、米誌「タイム」の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれ、世界的に話題を呼んだ。
【略歴】◇ジョン・ガードン氏 1933年英国生まれ。62年にアフリカツメガエルのオタマジャクシの体細胞の核を未受精卵に移植し、コピー個体の「クローン」を作ることに世界で初めて成功。成熟した細胞を、時計を巻き戻すように「初期化」できることを示した。73年からケンブリッジ大教授。
【ことば】人工多能性幹細胞(inducedpluripotentstemcell=iPS細胞)
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20121009k0000m040010000c.html

山中・京大教授にノーベル賞 iPS細胞の作製
スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル生理学・医学賞を、生物のあらゆる細胞に成長できるiPS細胞を初めて作製した京都大学教授の山中伸弥iPS細胞研究所長(50)と、ジョン・ガードン英ケンブリッジ大名誉教授(79)の2人に贈ると発表した。
日本人のノーベル賞受賞は10年に化学賞を受けた根岸英一・米パデュー大学特別教授と鈴木章・北海道大学名誉教授以来2年ぶり19人目。生理学・医学賞では1987年の利根川進・理化学研究所脳科学総合研究センター長以来25年ぶり2人目となる。
受賞決定後に京都大学で記者会見した山中教授は「さらにこれから研究を続け、1日でも早く医学に応用しなければならないという気持ちでいっぱいだ」と語った。
授賞理由について、カロリンスカ研究所は声明で「細胞や器官の進化に関する我々の理解に革命を起こした」と説明した。
山中教授は、06年に世界で初めてマウスの皮膚細胞からiPS細胞を作った。iPS細胞は受精卵のように体のどんな部分にも再び育つ。皮膚などにいったん変化した細胞が、生まれた頃に逆戻りするという発見は常識を覆した。細胞の時計の針を巻き戻せることを示した研究は「まるでタイムマシン」と世界を驚かせた。
時間を遡る現象は「初期化(リプログラミング)」と呼ばれ、ノーベル賞級の発見と評価されてきた。
流れを作ったのが共同受賞する英国籍のジョン・ガードン博士の成果だ。1962年、オタマジャクシの腸の細胞から取り出した核を、あらかじめ核を除いたカエルの卵に移植したところ、受精卵と同じようにオタマジャクシが生まれた。腸に育った細胞でも、すべての細胞に変化できることを示した。
山中教授の報告以降、世界中の研究者がこぞってiPS細胞研究に参入し、研究開発競争が激しくなっている。サルの実験だが、iPS細胞が脊髄損傷や脳疾患のパーキンソン病の治療に役立ったとする成果も相次いで報告されている。文部科学省などが多額の研究予算を投入し、研究推進に力を入れている。
授賞式は12月10日にストックホルムで開く。賞金の800万クローナ(約9400万円)は、両受賞者が半分ずつ受け取る。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG0301P_Y2A001C1000000/

iPS細胞、再生医療の切り札 難病への効果期待
2012年のノーベル生理学・医学賞が決まった山中伸弥京都大学教授のiPS細胞は、医療の姿を抜本的に変える再生医療の切り札とされる。重い心臓病や神経系難病などを克服するため、国内外の研究者が治療法の開発を競う。2013年度にも理化学研究所のチームが世界初の臨床研究を実施する。製薬各社も画期的な新薬開発を狙って創薬への活用を探る。
皮膚などの細胞に遺伝子を導入してできるiPS細胞は、体の様々な細胞を作り出すことができる。病気や事故で体の機能を失ったとしても、iPS細胞を作製し、それを神経や筋肉、心臓などの細胞に成長させて移植をすれば健康な状態に戻ることも可能だ。再生医療に使う同じ万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)と違い、患者自身の細胞からできており、拒絶反応のリスクが小さい。
様々な難病の新たな治療法開発を目指した研究が進んでいる。京都大学はパーキンソン病の治療を目指し、iPS細胞から神経伝達物質を出す神経細胞を作製し、サルに移植して細胞が働くことを確かめた。
慶応大学は脊髄損傷のサルにiPS細胞から作った神経細胞を移植し、治療効果を確認した。大阪大学はiPS細胞から作った心臓の細胞をシート状にして心筋梗塞のマウスの心臓に移植し、心機能を回復させた。
同様の研究は欧米でも盛んだ。マサチューセッツ工科大学などはiPS細胞でマウスの貧血やパーキンソン病などを改善した。
こうしたなか、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらはiPS細胞から目の色素上皮細胞を作製。これをシート状にして患者に移植し、加齢黄斑変性を治療する研究を進めている。早ければ13年度にも世界初の臨床研究を始める考え。
この目の病気は対症療法の薬しかなく根本的な治療法がない。iPS細胞を使った再生医療によって、視力が回復すると期待される。
製薬各社も新たな医薬品を生み出す研究の効率化につなげようとiPS細胞の活用に乗り出した。
武田薬品工業は慶応大学の研究者と共同でiPS細胞から神経細胞を作製した。単独の研究では、体内で血糖値を引き下げる物質であるインスリンを生み出す細胞を作ることができた。
さらに山中教授と共同で、実際の患者から提供を受けた細胞でiPS細胞を作り、病気の状態にある特定の細胞を生み出す技術の研究に取り組む。将来はこの細胞と医薬品になる可能性がある化合物(新薬候補)を反応させることで、創薬の効率化につなげる。
大日本住友製薬も山中教授が率いる京都大学iPS細胞研究所と、患者数が少ない「希少疾患」の治療法を探る共同研究を進めている。iPS細胞を使い特定の希少疾患が進行する仕組みを解明し、産学連携で治療薬を開発することが目標。11年からスタート、16年3月まで実施する計画だ。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG0302C_Y2A001C1EA2000/

ノーベル賞に山中伸弥教授
スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル医学・生理学賞を、あらゆる細胞に分化する能力があるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発した京都大の山中伸弥教授(50)と英ケンブリッジ大のジョン・ガードン教授の2氏に授与すると発表した。患者自身の細胞を移植して病気やけがを治療する「再生医療」への道を開いた功績が評価された。
日本人のノーベル賞受賞は2年ぶりで、米国籍の南部陽一郎氏を含め計19人。医学・生理学賞は1987年の利根川進氏以来、2人目の快挙となった。
iPS細胞は、あらゆる細胞に分化する能力を持つ万能細胞の一種。これを基に神経や肝臓、心臓などの細胞を作製し、病気や事故で機能を失った患者の臓器などに移植することで、難治疾患を治療する再生医療の実現が期待されている。
研究はまだ安全性評価の段階で、実際に患者に使われたケースはない。医療分野のノーベル賞は広く実用化した段階で授与されるのが通例で、極めて異例のスピード受賞となった。
山中氏は平成18(2006)年、マウスの皮膚細胞に4つの遺伝子を導入することで世界で初めてiPS細胞の作製に成功。19年には同じ手法でヒトの皮膚から作製することにも成功し、世界の第一人者として研究をリードしている。
授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計800万スウェーデンクローナ(約9500万円)が贈られる。
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/121008/scn12100819050009-n1.htm

山中京大教授らにノーベル医学賞 iPS細胞を開発
スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル医学生理学賞を、さまざまな組織の細胞になる能力がある「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を開発した山中伸弥京都大教授(50)ら2人に授与すると発表した。
iPS細胞は生命科学研究の一大潮流をつくり、再生医療や創薬への利用も期待される画期的な成果。開発から6年のスピード受賞となった。日本人のノーベル受賞は2年ぶり19人目、医学生理学賞は25年ぶり2人目。
山中教授は京都大で開いた会見で「これからの発展に対する期待の意味も大きい。現役の研究者として研究開発に取り組みたい」と述べた。
同時受賞は、「クローンカエル」を実現した英ケンブリッジ大のジョン・ガードン名誉教授(79)。2人への授賞理由は「成熟した細胞を、多能性を持つ状態に初期化できることの発見」。
(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201210/CN2012100801001678.html

山中氏にノーベル賞=iPS細胞開発―医学・生理学賞、日本人25年ぶり
スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル医学・生理学賞を、体のあらゆる細胞に変わる能力を持つ万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を世界で初めて開発した山中伸弥京都大教授(50)と、英ケンブリッジ大のジョン・ガードン博士(79)に授与すると発表した。
皮膚などの細胞に3~4種類の遺伝子を導入して「初期化」したiPS細胞は、さまざまな種類の細胞に変化することができ、ほぼ無限に増殖する。難病患者からiPS細胞を作れば原因解明や新薬開発に役立つほか、将来は脊髄損傷患者にiPS細胞から作った神経細胞を移植して再び歩けるようにするなど、再生医療の実現が期待されている。
日本人のノーベル賞受賞は、10年の鈴木章北海道大名誉教授(82)と根岸英一米パデュー大特別教授(77)の化学賞以来。米国籍の南部陽一郎米シカゴ大名誉教授(91)を含め、計19人となった。医学・生理学賞は、利根川進米マサチューセッツ工科大教授(73)が1987年に受賞して以来、25年ぶり2人目。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2012100800301

「本当の貢献、これから」=山中さん、笑顔で会見-京大
iPS細胞の開発でノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大教授山中伸弥さん(50)は午後8時から京大で記者会見し、「iPS細胞は新しい技術。仕事は終わっておらず、本当の医学への貢献をこれから実現させなければいけない」と笑顔で決意を語った。
iPS細胞を使った新薬の開発や治療は実用化に至っていない。山中さんは「まだ受賞はないと思っていた」と振り返り、「これからの発展への期待の意味が大きいと思う。速やかに現場に戻り、研究に取り組みたい」と意気込んだ。
また国の研究費支援に感謝し、「私は無名の研究者だった。国の支援がなければ受賞できなかった。日本という国が受賞した」と話した。
ノーベル財団からの受賞決定の知らせは、大阪市内の自宅で受けた。「洗濯機が音を立てており、直そうと思って座り込んでいた時に携帯電話が鳴った。受賞がピンと来ず、ぼうぜんとした」と笑った。
山中さんは午後7時20分すぎ、タクシーで京大キャンパスに到着。記者団から「おめでとうございます」と声を掛けられると軽く黙礼し、やや緊張した面持ちで会見場に向かった。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012100800399

山中京大教授にノーベル賞 iPS細胞で医学生理学賞
スウェーデン王立カロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル医学生理学賞を、京都大iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授(50)に贈ると発表した。受賞理由は「細胞の初期化」。英ケンブリッジ大のジョン・ガードナー博士と共同受賞。
山中教授は四つの遺伝子(山中ファクター)の導入で、皮膚などの体細胞から、さまざまな細胞に分化する能力のある幹細胞に初期化する技術を世界に先駆けて実現、iPS(人工多能性幹)細胞と名付けた。再生医療や難病の原因解明、新薬開発につながる画期的業績で、新たな医学の可能性を開いた。
12月10日にストックホルムで授賞式が行われる。
日本人のノーベル賞受賞は2010年の鈴木章氏、根岸英一氏に続き19人目。医学生理学賞は1987年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授に次ぎ2人目。これまでの受賞者18人のうち、湯川秀樹博士をはじめ10人が京都にゆかりがある。
山中教授は、さまざまな細胞に分化する能力があるES(胚性幹)細胞で働いている遺伝子を網羅的に解析。初期化に重要な四つの遺伝子を見つけ出した。この四つの遺伝子を、ウイルスを用いて皮膚細胞に導入して働かせ、細胞が心筋細胞や神経細胞などさまざまな種類の細胞に分化する能力を再び獲得することを見つけた。
がん化を防ぐ安全な作製法の開発が進み、慶応大との共同研究で脊髄損傷のサルの機能回復に成功、理化学研究所がiPS細胞を用いて加齢黄斑変性を治療する臨床試験の開始を予定するなど、再生医療の実現に近づいている。
また、京大の別のグループがマウスのiPS細胞から精子や卵子を作ることに成功、生殖補助医療への応用も期待されている。
難病患者の体細胞からiPS細胞を作って病態を再現した上で治療薬を探索する研究も進んでおり、医学の進歩への貢献が今後も期待されている。
■山中 伸弥氏(やまなか・しんや)1962年9月4日、大阪府生まれ。大阪教育大天王寺中学、高校から神戸大医学部に入学、87年に卒業。国立大阪病院臨床研修医を経て大阪市立大医学研究科博士課程修了。米グラッドストーン研究所に留学し、96年に大阪市立大助手、奈良先端大助教授、教授を経て、2004年に京都大再生医科学研究所教授、08年1月にiPS細胞研究センター長、10年4月から現職。
ES(胚性幹)細胞で特定の遺伝子が多能性獲得に必須であることを発見、06年にマウスで四遺伝子の導入によって多能性を獲得することに成功、iPS細胞と名付けた。07年に人の細胞でも成功した。
07年に大阪科学賞、08年に紫綬褒章、ロベルト・コッホ賞、島津賞、京都新聞大賞。09年にガードナー国際賞、ラスカー賞。10年に文化功労者、京都賞。11年にウルフ賞。12年にフィンランド・ミレニアム賞。
(京都新聞)
http://kyoto-np.co.jp/top/article/20121008000069

山中教授にノーベル医学生理学賞 iPS細胞開発
スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル医学生理学賞を、さまざまな組織の細胞になる能力がある「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を開発した山中伸弥京都大教授(50)ら2人に授与すると発表した。
iPS細胞は再生医療への利用が期待され、生命科学研究の一大潮流をつくった日本オリジナルの画期的な成果。開発から6年のスピード受賞となった。
日本人の受賞は、10年化学賞の鈴木章・北海道大名誉教授と根岸英一・米パデュー大特別教授以来2年ぶり19人目。医学生理学賞は、1987年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授以来25年ぶり2人目となった。
同時受賞は英ケンブリッジ大ガードン研究所長のジョン・ガードン氏(79)。
山中教授は、マウスの皮膚細胞に4種類の遺伝子を組み込むと、さまざまな組織の細胞になる能力を持った万能細胞に戻せることを世界で初めて発見。iPS細胞と名付け、2006年に発表した。07年11月には、人間の皮膚細胞でも成功したと明らかにした。
万能細胞「胚性幹細胞(ES細胞)」は、生命の萌芽ともいえる受精卵を壊して作るため倫理的な問題が指摘された。また、心臓や神経などの細胞に育てて移植しても、体が異物と認識して拒絶反応が起きる問題があった。iPS細胞は患者自身の細胞から作るため、こうした問題を回避できると期待される。
ほぼ無限に増やせるiPS細胞から作った体細胞の移植による再生医療のほか、患者由来のiPS細胞を使った病気の仕組みの解明や、新薬の安全性試験など、医療への応用を目指した研究が盛んになっている。
授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金800万クローナ(約9400万円)が2人に贈られる。
(中国新聞)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201210080154.html

ノーベル医学・生理学賞、iPS細胞の京大・山中氏らに
2012年のノーベル医学・生理学賞(Nobel Prize for Medicine)は、京都大学(Kyoto University)の山中伸弥(Shinya Yamanaka)教授と英ケンブリッジ大学ガードンイン研究所(Gurdon Institute in Cambridge)のジョン・B・ガードン(John B. Gurdon)氏の2氏に贈られることが決まった。スウェーデン・カロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)のノーベル委員会が8日、発表した。
「成熟した細胞を多能性細胞に再プログラムできることを発見した」業績が高く評価された。
選考委員は2氏について、「成熟して特化された細胞を再プログラムし、体のあらゆる組織に発達可能な未成熟な細胞を作れる」ことを発見し、「疾患研究や診断・治療手法の開発において新たな機会を作り出した」と受賞理由を説明した。
(AFPBB News)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2906644/9653749?ctm_campaign=txt_topics

ノーベル医学・生理学賞に山中伸弥さんら
ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に、体のさまざまな組織や臓器になるとされる「iPS細胞」を作り出すことに成功した京都大学教授の山中伸弥さんと、いったん成長した細胞にも受精卵と同じ遺伝情報が含まれることを発見したイギリス、ケンブリッジ大学のジョン・ガードンさんが選ばれました。
日本人のノーベル賞受賞は19人目で、医学・生理学賞は昭和62年以来2人目です。
山中さんは大阪市生まれで50歳。
神戸大学医学部を卒業し、大阪市立大学の大学院で薬理学を学びました。
平成5年にアメリカに渡り、遺伝子の働きに関する研究に取り組みました。
その後、奈良先端科学技術大学院大学の教授を経て、平成16年に京都大学の教授になり、現在は、京都大学の「iPS細胞研究所」の所長を務めています。
山中さんは、特定の4つの遺伝子を皮膚の細胞に組み込んで心臓の筋肉や神経などさまざまな細胞に変化する「初期化」を起こし、まったく新しい「iPS細胞」を作り出すことに世界で初めて成功しました。
これによって、病変が生じた細胞と同じものを体の外で再現し、培養出来るようになったことから難病の治療法や新たな薬の開発に結びつく可能性があるとして研究競争が世界的に激化していました。
iPS細胞の製造技術は医薬品の市場が大きいアメリカやヨーロッパで相次いで京都大学の特許として認められ、京都大学は、再生医療への応用に向けた研究を進めています。
一方、今回、山中さんと同時に受賞することになったイギリス、ケンブリッジ大学のジョン・ガードンさんは、いったん成長した細胞にも受精卵と同じ遺伝情報が含まれることを発見しました。
ガードンさんは、1962年に行った実験で、カエルの卵から核を取り除き、代わりにオタマジャクシの細胞の核を移植しても、卵がそのまま成長することを示しました。
いったん成長した細胞の核でも、卵の中に入れることで、受精卵の細胞核と同じような状態になる、「初期化」が起きるとした世界で最初のケースでした。
こうした業績から山中さんとガードンさんは、3年前、アメリカで最も権威のある医学賞、「ラスカー賞」を同時に受賞しました。
ラスカー賞の受賞が決まったときの記者会見で山中さんは、「身に余る光栄で、この分野の父と呼ぶべき人と、ともに受賞できるのは格別の思いです」とガードンさんへの敬意を込めて喜びを語っていました。
(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121008/t10015593171000.html

夢のiPS細胞“期待と課題”
「iPS細胞」は、皮膚など、体の細胞を元に人工的に作る、万能細胞の1つで、あらゆる組織や臓器になるとされています。
6年前、京都大学の山中伸弥教授がマウスの細胞で実現可能なことを示し、その1年後には世界で初めて、ヒトの細胞から作り出すことに成功しました。
山中さんが開発したiPS細胞をめぐっては、世界中の研究者が医療への応用を目指して研究を進めていますが、一方で治療の課題や、倫理面の問題も指摘されています。
“あらゆる組織や臓器になる”
山中教授は受精卵を壊して作る万能細胞で活発に働いている遺伝子のうち、特定の4つを皮膚の細胞の核に加えました。
すると受精直後の細胞のように、あらゆる組織や臓器になる、万能性を持った状態になることを確かめ、「人工多能性幹細胞」という英語の頭文字から「iPS細胞」と名付けました。
この細胞にアミノ酸や遺伝子などを加えて刺激すると、さまざまな細胞に変化することから、組織や臓器にして体に戻せば病気やけがで失った機能を取り戻せるのではないかと期待されています。
また、難病の患者から作ったiPS細胞を使って、病気が発症するまでの細胞の様子を観察する研究が行われているほか、薬の候補物質を試し、治療薬の開発につなげるために使っている製薬会社もあります。
こうしたiPS細胞の活用法を巡り特許を取得する競争が世界中で激しく行われていて日本でも国の全面的な支援で医療への応用を目指した研究が進められています。国が研究の拠点としているのはおととし発足した京都大学のiPS細胞研究所など4つの研究機関で、山中教授は、iPS細胞研究所の所長を務めています。
治療への応用に期待
iPS細胞は世界中の研究者が医療への応用を目指して研究を進めており、このうち細胞を使った治療で最も早く実現すると期待されているのがiPS細胞から作った目の網膜の移植です。
神戸市にある理化学研究所の研究グループは、視界がゆがんだり視力が低下したりする目の病気、「加齢黄斑変性」の患者にiPS細胞から作った網膜を移植する臨床研究を早ければ来年にも始める見通しです。
iPS細胞を使って、治療が難しい病気の進行のしかたや原因の解明を行う研究も加速しています。【病態の解明と、薬の開発】iPS細胞は、誰の細胞からでも作ることができるため、難病の患者から皮膚などの提供を受け、iPS細胞を作って神経などの細胞に変化させれば、病気がどのように発症するのか、観察することが出来ます。
慶応大学では、パーキンソン病やアルツハイマー病などの患者からiPS細胞を作り、どの薬を使えば病気の進行を食い止められるのかなどについて研究を進めています。
また、難病の患者のiPS細胞から作った細胞に薬の候補物質を試すことで、薬が有効かどうかやどの程度の毒性があるかを調べ、治療薬の開発に生かそうとしている製薬会社もあります。
治療に“課題”も
一方、課題もあります。
治療への応用を目指す中で直面している最大の課題は、iPS細胞ががんになってしまうことをどのように防ぐかです。
iPS細胞は、皮膚などの細胞に特定の遺伝子を入れて作り出しますが、この中にはがんを引き起こすとされる遺伝子も含まれていました。
山中教授らのグループは、去年、別の遺伝子を使うと出来たiPS細胞はがんにならないという研究結果を発表し、細胞を使った治療の実用化につながる成果として注目されています。
iPSには倫理問題も
研究が進展する中で、iPS細胞の倫理的な課題も明らかになってきました。
去年8月、京都大学の研究グループが、マウスの体の細胞から作ったiPS細胞を精子に変化させ、卵子と受精させて子どものマウスを誕生させました。
さらに今月、同じグループが、マウスの体の細胞から卵子を作ることにも成功し、子どものマウスが生まれたと発表しました。
理論的にはヒトでも同じことが可能になるため、専門家は、生命倫理上の問題が起きるおそれがあると指摘しています。
現在は、国の指針で、ヒトのiPS細胞から作った精子や卵子を受精をさせることは禁止されていますが、不妊治療の研究に必要となった場合、認めるべきかどうかなど、規制のあり方について、国の総合科学技術会議で議論が行われています。
加熱する特許争い
特許をめぐる先陣争いも生じています。
iPS細胞の製造技術について、京都大学とアメリカなどの企業との間でどちらが先に開発したかという特許の取得を巡って緊張が高まっていましたが、去年、医薬品の市場が大きいヨーロッパとアメリカで相次いで京都大学の特許として認められました。
民間企業が特許を取得した場合、研究でiPS細胞を作る場合にも高額な特許料の支払いを求められるおそれがあったため、京都大学は「研究が進展する環境が整ってきた」としています。
(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121008/k10015594711000.html

ノーベル医学・生理学賞に京大・山中伸弥教授 「iPS細胞」作成
日本時間8日午後、2012年のノーベル医学・生理学賞が発表され、「iPS細胞」を世界で初めて作成した京都大学教授の山中伸弥さんら2人の受賞が決まった。
受賞したのは山中教授と、イギリス人研究者・ジョン・ガードン博士の2人。
山中教授は、1962年生まれの50歳。
2007年に、ヒトの皮膚の細胞から、体のさまざまな組織や臓器を作り出すことができるとされている、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を世界で初めて作成した。
体細胞に特定の因子を導入して作られる、このiPS細胞は、ほかの細胞のように、受精卵を破壊するという倫理的な問題をクリアしたうえで、免疫拒絶反応の起きない細胞を作成できるという技術で、再生医療の応用や、新たな治療法の開発など、今後の医学・医療に画期的な進歩をもたらすとされている。
京都大学に新設されたiPS細胞研究所の所長を務めている山中教授は、2009年、アメリカ医学界で最高の栄誉とされ、ノーベル賞に最も近いといわれているラスカー賞を受賞した。
また、2011年5月には、ノーベル賞の前哨戦ともいわれているウルフ賞を医学部門で受賞するなど、ノーベル賞受賞の期待が高まっていた。
(FNNニュース)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00233102.html

山中教授らにノーベル賞、iPS細胞作製
日本人がノーベル賞を受賞です。今年のノーベル医学・生理学賞に京都大学の山中伸弥教授が決まりました。
スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル医学・生理学賞を京都大学の山中伸弥教授ら2人に授与すると発表しました。
山中伸弥教授は1962年9月4日生まれの50歳で、ヒトの皮膚細胞から体のあらゆる組織や臓器になるとされる新型万能細胞「iPS細胞」を作ることに世界で初めて成功しました。
授賞理由について、カロリンスカ研究所は「成熟した細胞を多能性を持つ状態に初期化できることの発見」としています。
日本人のノーベル賞受賞は2010年に化学賞を受賞した鈴木章・北海道大学名誉教授と根岸英一・米パデュー大学特別教授以来2年ぶり、19人目です。医学・生理学賞の受賞は1987年の利根川進さんに続いて史上2人目のことです。
(TBS News i)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5151241.html

前原科学技術担当相 iPS細胞「実用化をバックアップ」
前原誠司科学技術担当相は8日、「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を開発した山中伸弥京都大教授(50)がノーベル医学生理学賞に決まったのを受け「努力に敬意を表したい。一日も早く実用化され、難病で苦しむ方々の命を救うものになるよう政治がバックアップしていく」と話した。
山中教授とは同い年で5、6年前からの知人だといい「人間的にも素晴らしい方。自分のことのようにうれしい」と述べた。
(スポニチ・アネックス)
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/10/08/kiji/K20121008004287470.html




ついに!!

【速報】iPS細胞の京大山中伸弥教授がノーベル賞を受賞
ラスカー賞以前から言っていた通り、三年前の予想と同じ二人でした!

再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞--山中先生
再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞--ガードン卿

山中先生、ガードン卿、そして高橋先生、おめでとうございます!!