山中教授「いっぱい失敗して」高校生らにエール | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

山中教授「いっぱい失敗して」高校生らにエール

ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「次世代へのメッセージ」(読売新聞社主催)が12日、東京都目黒区の東京工業大学で開かれ、さまざまな臓器や組織に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)を作製し、今年のノーベル生理学・医学賞に決まった京都大学教授の山中伸弥さん(50)が講演とパネル討論を行った。
山中さんは「失敗すればするほど幸運は来る。若い間に、いっぱい失敗して、挫折してください」などと語り、会場の高校生らにエールを送った。
受賞決定以来、多忙を極める山中さんは、この日も午前中に横浜市で講演し、さらに野田首相と面会するなど過密日程。フォーラム開始から約40分遅れで会場に姿を現した。集まった約350人から大きな拍手を受け、山中さんは「田中文科相とのお昼ご飯で話が弾み(到着が遅れてしまい)ました」と話した。
(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20121012-OYT1T01230.htm?from=main6

山中さんが“先輩”と対談 「4、5年以内に臨床研究」
ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大の山中伸弥教授(50)は12日、東京工業大で開かれたシンポジウムで若者らを前に講演し、平成13年にノーベル化学賞を受賞した理化学研究所の野依良治理事長(74)と対談した。
山中さんは基調講演で「4、5年以内に臨床研究を開始したい」とiPS細胞の実用化に意欲を示した。一方で、会場に集まった高校生や大学生ら多くの若者に対し、「失敗は成功の元。ジャンプしようと思ったら一度屈まないと跳べない。失敗を恐れず、思い切り屈んでほしい」と激励の言葉を送っっていた。
また、野田佳彦首相は12日、山中さんと官邸で会い、「日本中が大喜びだ」と祝福。「研究の成果を期待している人はたくさんいる。実用化に向けて支援していきたい」と強調した。
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/121012/scn12101221230004-n1.htm

動き出す再生医療  iPS備蓄
再生医療に用いるiPS(人工多能性幹)細胞を備蓄する「iPS細胞ストック」が、京都大で始動した。iPS細胞研究所が年内にも第1号となる細胞の作製に着手、移植治療の実現に向けた大きな一歩となる。一方で、安全なiPS細胞の作製や、ドナー(提供者)の確保と個人情報の保護など、課題も横たわる。
■長期の安全性 研究
<細胞作製>
ストックするiPS細胞は、血液や皮膚などの体細胞から作る。作製法はまず、山中伸弥教授が最初に見つけた計4の遺伝子(因子)のうち、がん遺伝子c―Mycをがん化の恐れの少ないL―Mycに置き換える。
この4因子に、多能性の維持に関わる遺伝子Lin28、作製効率を下げる遺伝子の働きを抑える遺伝子配列(p53shRNA)を加えた6因子を、ウイルスと比べてがん化の恐れの少ないプラスミド(環状DNA)に組み込んで体細胞に導入する。
研究所の金子新・准教授によると、6因子を導入する作製法は、血液や皮膚細胞では比較的安定して品質の良いiPS細胞ができる。血液に導入する場合については、さまざまな種類のある白血球細胞のうち、どの細胞に導入するのが最適なのかを最終的に詰めている段階という。
臍帯(さいたい)血バンクなどの協力を得てストックするiPS細胞を作る計画もあるが、臍帯血由来のiPS細胞の機能を詳しく解析しなければならない。
ストック用のiPS細胞は体細胞に分化させて人へ移植することを前提にしている。移植後に年月を経てがん化する可能性もあり、長期的な安全性の確保をどのように保障するか、さらに研究が必要だ。
■ルールづくり早急に
<ドナー選定>
iPS細胞ストックは、移植しても拒絶反応が起きにくい特殊なタイプ(HLA型ホモ)の体細胞を持つ人からiPS細胞を作って備蓄する。
HLA型は、細胞の血液型とも呼ばれ、両親それぞれから受け継いだ一対の遺伝子型で決まる。例えばAA、BBのような場合をホモといい、さまざまなタイプのホモがある。AAであれば、ACの人に移植しても拒絶反応が起こりにくい。HLA型ホモの人は千人に約1人で、75タイプのホモの人からiPS細胞を作れば日本人の80%をカバーするが、「何年で何人のドナーを確保できるかは未知数」という。
京大は、ドナーとして医学部付属病院でHLA型の検査を受けた人を予定するが、検査結果は個人情報であり、ドナー選定のために勝手に検索することはできない。受検者全員に提供を呼び掛け、同意が得られ、なおかつHLA型ホモと判明した人から血液や皮膚細胞をもらうという。
ストックする細胞は遺伝情報の詳細な解析も必要となるため、これらの情報の保護や同意手続きのルールづくりを国レベルで早急に行うことが求められている。
(京都新聞)
http://kyoto-np.jp/education/article/20121012000021




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