山中教授ノーベル賞受賞で難病支援の輪広がる | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

山中教授ノーベル賞受賞で難病支援の輪広がる

さまざまな種類の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)を作製した山中伸弥・京都大教授のノーベル生理学・医学賞受賞が決まってから10日余り。手だてが見つかっていない難病治療に道を開く技術とともに、望みを託す患者らにも関心が集まり、支援の輪が広がっている。
発症率が200万人に1人とされ、筋肉などが骨へと変化する希少難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」。原因不明のこの病気と闘う兵庫県明石市の市立魚住中3年山本育海
いくみ
君(14)は、8日夜の山中教授の受賞決定のニュースで紹介され、支援団体を通じて激励メッセージが多く届く。
「病気のことを初めて知りました」「早く新薬で治ればいいですね」
山本君と母智子さん(39)は「見知らぬ人からも応援してもらえてうれしい。さらに支援してもらえるよう、できるだけ返事を出したい」と話す。
山本君は小学3年だった2006年夏、鉄棒から落ちて背中が腫れたことで受診し、FOPとわかった。けがなどで筋肉に負担がかかると骨化が進むため、好きな運動を我慢しなければならない。それでも、病気を「神さまからの宿題」ととらえ、ブログをつづって病気への理解を求めてきた。
07年11月に人のiPS細胞が登場。「これなら薬ができる」と〈希望の光〉を感じたという。治療法の開発依頼に多くの研究者を訪ね、09年11月、山中教授と面会できた。「僕自身のiPS細胞を作って、FOPの研究を進めてください」と依頼し、「手探りだけど、やってみます」と快諾を得られた。今、山本君の皮膚からとった細胞で研究が進む。
ノーベル賞受賞決定で、山本君の支援団体「FOP明石」が出版した病気を紹介する絵本「神さまからの宿題」(A4判16ページ、500円)への問い合わせも急増。これまで平均月5冊程度だった注文は、この10日で300冊以上になった。
絵本は、山本君が「宿題」についてつづった手紙を風船に付けて飛ばし、国内外の支援者らと交流するストーリー。「読んだ人たちが、それぞれの『宿題』に頑張って取り組もうという気持ちになってもらえれば」と山本君は話す。
絵本の収益の一部は、山中教授が所長を務める京都大iPS細胞研究所に寄付される。問い合わせは電子メールでFOP明石(ehon@fop-akashi.jp)へ。
(読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20121020-OYO1T00597.htm?from=top





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