【夕顔87-3】古文単語「引き据う」
源氏物語イラスト訳の重要古語です
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はほぼほぼ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
活用の行に注意すべき動詞☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
見返りたまひて、隅の間の高欄に、しばし、ひき据ゑたまへり。うちとけたらぬもてなし、髪の下がりば、めざましくも、と見たまふ。
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今回出てきた古文単語
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■【見返り】…ラ行四段動詞「見返る」連用形
※【見返る】…振り返る
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【隅(くま)】…目立たない所。物陰
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【高欄(かうらん)】…廊などの両端に設けた欄干
■【に】…場所の格助詞
■【しばし】…しばらくの間
■【引き据ゑ】…ワ行下二段動詞「引き据う」連用形
※【引き据う】…座らせる
■【たまへり】…~なさった。~ていらっしゃる
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
※【―り】…完了の助動詞「り」の終止形
■【うちとけ】…カ行下二段動詞「うちとく」連用形
※【うちとく】…気を許す。うちとける
■【たら】…存続の助動詞「たり」未然形
■【ぬ】…打消の助動詞「ず」の連体形
■【もてなし】…振る舞い。態度
■【髪(かみ)】…髪の毛
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【下がりば】…髪の垂れ下がった辺り
■【めざましく】…シク活用形容詞「めざまし」連用形
※【めざまし】…思いのほかすばらしい
■【も】…強意の係助詞
■【と】…引用の格助詞
■【見たまふ】…拝見する。見なさる
※【見】…マ行上一段動詞「見る」連用形
※【―たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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☆ 本日の古文単語「引き据う」 ☆
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【引き据う(ひきすう)】
【他動詞:ワ行下二段活用】
…ぴたりと座る。座らせる
*学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より
…実は、この動詞☆
意味よりも活用の区別が
よく出題されます。
見返りたまひて、隅の間の高欄に、しばし、ひき据ゑたまへり。うちとけたらぬもてなし、髪の下がりば、めざましくも、と見たまふ。
問)傍線部の動詞を文法的に説明せよ。
私大の公募推薦を受験する人は、
過去問題の傾向をよく調べておきましょう。
上のような、
「文法的に説明」させる問題が出ていれば、
このブログで、しっかり学んでいってくださいね♪
(o^-')b
まずは、
「ひき据ゑ」という、最後の音から、
何行かを考えます。
古文の五十音図より、
「ゑ」のある行は、ワ行ですね!
また、現代で「―eる」と発音する動詞は、
古文では、ほとんどが下二段活用です。
なので。
「引き据ゑ」は、
ワ行下二段活用の動詞です☆
ワ行下二段動詞は、
たった3つしかないです。
これを覚えておくと、
ア行・ヤ行・ワ行の下二段識別が
スムーズにできますので、
きっちり覚えておきましょう♪
また、傍線部のあとに、
「―たまふ」という補助動詞がついています。
なので、
用言に連なる形……連用形となるんです。
正解…
ワ行下二段活用動詞「ひき据う」の連用形
見返りたまひて、隅の間の高欄に、しばし、ひき据ゑたまへり。うちとけたらぬもてなし、髪の下がりば、めざましくも、と見たまふ。
● 過去記事リンク
■たまへり
■うちとく
■もてなす
■めざまし
■も
■見る
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