【帚木407-2】寝殿造りの正面「高欄」
源氏物語イラスト訳のあいです
では今日もいってみましょ~~!
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただいま「2.帚木(ははきぎ)」の巻です。頭中将たちとの雨夜の品定め(=女性談義)の翌日、久しぶりに正妻葵の上のもとを訪れた光源氏でしたが、夕方には、方違えのために、紀伊守の邸宅に行きます。そこには、紀伊守の継母である空蝉がちょうど泊まっており、光源氏は彼女と一夜を共にして、悲しい別れの朝が来ました。
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今回の源氏物語
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御直衣など着たまひて、南の高欄にしばしうち眺めたまふ。西面の格子そそき上げて、人びと覗くべかめる。
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平安時代の建具
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平安時代の貴族の屋敷は、
ふつう、寝殿造(しんでんづくり)と呼ばれるものです。
寝殿とは、主人の住む主殿で、
母屋(もや)を中心に配置し、
周囲に廂(ひさし)が付いています。
母屋と廂、廂と簀子の間には、
格子(こうし)がありますので、
ここまでが、室内というわけです。
で、廂の外には、簀子(すのこ)があります。
簀子は濡れ縁であり、
外側には高欄(こうらん)が付いています。
こういう、今では知らない平安時代の調度や建具は、
センターやMARCHレベルの古文の問題文では、
注釈がついてる場合が多いのですが、
どこに、何があるのか
という知識を、古文の基本常識として
頭に入れておくと…
今、視点人物がどこにいて、
どんな様子なのか
イメージしやすいですね♪
(°∀°)b
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「高欄(かうらん)」とは
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①殿舎のまわりや、廊・橋などの両側に設けた欄干
②「倚子(いし)」のひじかけ
おそらく光源氏は、
空蝉を送り届けたあと、
簀子(濡れ縁)辺りで、欄干にもたれて、
ぼんやり庭を見つめながら、
もの思いにふけっていたのでしょうね…
(´・ω・`)
だから、西面(にしおもて)の格子の内側から、
そのお姿が見えたのです。
ミーハー女房たちは、
光源氏の、朝日に照らされたそのお姿を、
本人に気づかれるくらいの勢いで
眺めていたのでしょう!
(;゚;∀;゚;)
「―べかめり(―に違いないようだ)」とは、
光源氏もそのことに気づいていた、
のを匂わせる、複合助動詞ですね。
(o^-')b
難関大学の古文ほど、
古文常識に重点を置くべき
というガイダンスがなされています。
ヽ(゚◇゚ )ノ
単語や文法の暗記だけではなく、
すべては読解につながっているのだ
という思いで、
毎日の古文の勉強を
目標づけてほしいと思います。
ヾ(@°▽°@)ノ
風俗博物館「貴族の生活」 を参考にさせていただきました。
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最後までお読みくださりありがとうございます。
少しでもお役に立てれば幸いです☆(o^-')b