【夕顔62-3】古文単語「いぶかし」
源氏物語イラスト訳の重要古語です
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はほぼほぼ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
現代でも意味の分かる…重要古語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
かやうの並々までは思ほしかからざりつるを、ありし「雨夜の品定め」の後、いぶかしく思ほしなる品々あるに、いとど隈なくなりぬる御心なめりかし。
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今回出てきた古文単語
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■【かやうの】…このような
■【並々(なみなみ)】…(様々な)並の人
■【まで】…添加の副助詞
■【は】…提示の係助詞
■【思ほしかかる】…お思いを寄せなさる
※【思ほす】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
※【思ひかかる】…心の中で思いを寄せる
■【ざり】…打消の助動詞「ず」の連用形
■【つる】…完了の助動詞「つ」の連体形
■【を】…~のだが(単純接続の接続助詞)
■【ありし】…先日の。以前の
■【雨夜の品定め】…「帚木」の巻で光源氏たち四人の貴公子が論じた女性談義
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【いぶかしく】…シク活用形容詞「いぶかし」の連用形
※【いぶかし】…気がかりだ。知りたい
■【思ほしなる】…思うようになりなさる
※【思ほす】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
※【思ひなる】…思うようになる
■【品々(しなじな)】…様々な身分(の女性)
※【品(しな)】…身分。階級
■【ある】…ラ変動詞「あり」の連体形
■【に】…対象の格助詞
■【いとど】…ますます
■【隅なく】…ク活用形容詞「隅なし」の連用形
※【隅(くま)なし】…陰りが無い。あけっぴろげだ
■【なり】…ラ行四段動詞「なる」の連用形
■【ぬる】…完了の助動詞「ぬ」の連体形
■【御心(みこころ)】…お心。お気持ち
■【なめり】…~であるようだ
※【な】…断定の助動詞「なり」連体形撥音便の無表記
※【めり】…推定の助動詞「めり」の終止形
■【かし】…念押しの終助詞
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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今回の古文単語 「いぶかし」 ☆
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【いぶかし(訝し)】
【形容詞:シク活用】
①心が晴れない。気がかりだ
②不審である。疑わしい
③(ようすが)知りたい。見たい。聞きたい
*学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より
「いぶかしい」という言葉は、
現在では、①②の意味としてよく使われますよね。
もちろん、古文でも、基本的にはその意味です。
しかし、③の意味にあるように、
決してマイナスの意味だけってことはないんです。
─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
これって……
同じように、文脈判断でプラスの意味になりうる古語です。
(▰˘◡˘▰)
では、入試対応問題行ってみましょぉ~☆
かやうの並々までは思ほしかからざりつるを、ありし「雨夜の品定め」の後、いぶかしく思ほしなる品々あるに、いとど隈なくなりぬる御心なめりかし。
問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
1.付き合いたいと思うに至るような、様々な身分の女性たち
2.かわいそうだと同情してしまうような、様々な階層の人々
3.不審に思われてしまうような、様々な品物
4.どうしようもなく思いが深まるような、様々な容姿の女たち
5.不吉に思ってしまうような、様々な事例の数々
正解……1
かやうの並々までは思ほしかからざりつるを、ありし「雨夜の品定め」の後、いぶかしく思ほしなる品々あるに、いとど隈なくなりぬる御心なめりかし。
● 過去記事リンク
■まで
■思ほす
■ありし
■思ひなる
■いとど
■なめり
■めり
■かし
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