源氏イラスト訳【夕顔62】かやうの
かやうの並々までは思ほしかからざりつるを、ありし「雨夜の品定め」の後、いぶかしく思ほしなる品々あるに、いとど隈なくなりぬる御心なめりかし。
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【源氏物語イラスト訳】
かやうの並々までは思ほしかからざりつるを、
訳)このような並の女性までは、思いを寄せなさらなかったのだが、
ありし「雨夜の品定め」の後、
訳)先日の「雨夜の品定め」の後は、
いぶかしく思ほしなる品々あるに、
訳)気がかりに思うようになりなさる様々な身分の女がいることに、
いとど隈なくなりぬる御心なめりかし。
訳)ますます開けっぴろげに関心を持つようになったお持ちであるようだよ。
【古文】
かやうの並々までは思ほしかからざりつるを、ありし「雨夜の品定め」の後、いぶかしく思ほしなる品々あるに、いとど隈なくなりぬる御心なめりかし。
【訳】
このような並の女性までは、思いを寄せなさらなかったのだが、先日の「雨夜の品定め」の後は、気がかりに思うようになりなさる様々な身分の女がいることに、ますます開けっぴろげに関心を持つようになったお持ちであるようだよ。
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■【かやうの】
■【並々(なみなみ)】
■【まで】
■【は】
■【思ほしかかる】
※【思ほす】
※【かかる】
■【ざり】
■【つる】
■【を】
■【ありし】
■【雨夜の品定め】
■【の】
■【後】
■【いぶかしく】
※【いぶかし】
■【思ほしなる】
※【思ほす】
※【思ひなる】
■【品々(しなじな)】
※【品(しな)】
■【ある】
■【に】
■【いとど】
■【隅なく】
※【隅(くま)なし】
■【なり】
■【ぬる】
■【御心(みこころ)】
■【なめり】
※【な】
※【めり】
■【かし】
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「雨夜の品定め」――
源氏物語の原文でも出てきてたんですね!
第2帖「空蝉」の巻で、
頭中将や左馬頭、式部丞らと
梅雨夜に語り合った女性談義のことです。
空蝉の女は、まさに、この談義で
光源氏が惹かれた「品位」の女だったわけですね!
(▰˘◡˘▰)