源氏イラスト訳【夕顔63】うらもなく
うらもなく待ちきこえ顔なる片つ方人を、あはれと思さぬにしもあらねど、つれなくて聞きゐたらむことの恥づかしければ、
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【源氏物語イラスト訳】
うらもなく待ちきこえ顔なる片つ方人を、
訳)なんの疑いもなく光源氏をお待ち申し上げている様子であるもう一人の女を、
あはれと思さぬにしもあらねど、
訳)いとしいとお思いにならないわけでもないけれど、
つれなくて聞きゐたらむことの恥づかしければ、
訳)(空蝉があの情事を)素知らぬふうで聞いていたとしたらと思うと、それが恥ずかしいので、
【古文】
うらもなく待ちきこえ顔なる片つ方人を、あはれと思さぬにしもあらねど、つれなくて聞きゐたらむことの恥づかしければ、
【訳】
なんの疑いもなく光源氏をお待ち申し上げている様子であるもう一人の女を、いとしいとお思いにならないわけでもないけれど、(空蝉があの情事を)素知らぬふうで聞いていたとしたらと思うと、それが恥ずかしいので
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■【うらもなし】
※【うらなし】
■【待ち】
■【きこえ】
■【―顔(がほ)】
■【なる】
■【片つ方人】
※【片つ方(かたつかた)】
■【を】
■【あはれ】
■【と】
■【思さ】
※【思(おぼ)す】
■【ぬ】
■【に】
■【しも】
※【し】
※【も】
■【あら】
■【ね】
■【ど】
■【つれなく】
※【つれなし】
■【て】
■【聞きゐ】
※【ゐる】
■【たら】
■【む】
■【の】
■【恥づかしけれ】
※【恥づかし】
■【ば】
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「うらなく待ちきこえ顔なる片つ片人」とは、
光源氏が空蝉と間違えて夜を共にした、
「軒端荻」という女の子のことです。
その娘のことも「あはれ」と感じないではないけど
空蝉が、彼女との情事を素知らぬふうに聞いていたかと思うと…
…彼女に言い寄る勇気は
光源氏には出なかったようですね^^;