【夕顔63-2】「待ちきこえ顔なる片つ方」とは☆
源氏物語イラスト解釈です
では今日も行ってみましょう~♪
ヽ(○・▽・○)ノ゙
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今回の源氏物語
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うらもなく待ちきこえ顔なる片つ方人を、あはれと思さぬにしもあらねど、つれなくて聞きゐたらむことの恥づかしければ、
訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔63のイラスト訳はこちら
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母は、光源氏の乳母でもありました。この乳母が病に臥していた見舞いに、源氏は五条まで出かけます。家の門が開くのを待つ間、夕顔の花が咲く隣家に目をとめ、その花の名を尋ねたことをきっかけに、その家の主人夕顔が和歌を寄越してきました。興味を持った光源氏は返歌をし、その後、今夜の目的であった六条御息所のもとへ訪れますが、心の隅に、五条の隣家のことが残るのでした。従者、惟光は、隣家のことを調べて光源氏に報告します。
また光源氏は、空蝉の女のことも心に残っているのでした。
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☆ 「待ちきこえ顔なる片つ片人」とは ☆
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うらもなく待ちきこえ顔なる片つ方人を、あはれと思さぬにしもあらねど、つれなくて聞きゐたらむことの恥づかしければ、
問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
1.もう一つの顔を持つ下層階級の女性たち
2.隠し隔てない気持ちで待ちなさっている光源氏
3.心にもなく光源氏に想いを抱いている夕顔の君
4.光源氏がどうしようもなく待ち焦がれている空蝉
5.何の疑いもなく光源氏をお待ちし続けている軒端荻
こういう意味選択の問題は、
推薦入試などでもよく出て来ますね。
今からしっかり慣れておきましょう♪
(σ・∀・)σ
「うらなし」は、
「無心だ、隠し隔てがない」という重要古語☆
※くわしくはこちらの記事も⇒
そこに、「片つ方人」という名詞が続きます。
片つ方【かたつかた】
【名詞】
①二つあるうちの一方。片一方
②片端。片隅
③他方
*Weblio古語辞典(学研全訳古語辞典)より
無心で待ち続ける「もう一人の女」とは…
覚えてますかっ?!
彼女…そう、
空蝉と間違えられて、光源氏と関係を持った、
軒端荻(のきばのおぎ)でございます。
軒端荻【のきばのおぎ】
光源氏と関係を持った女性の一人であり、空蝉の義理の娘(夫・伊予介の先妻の娘)である。年齢は空蝉と同じくらいである。光源氏が逃げ回っていた空蝉と何とか関係を持とうとして空蝉のもとに忍んで行った際に明かりの落ちた部屋で空蝉と間違われそのまま光源氏と関係を持つ。この人物を「軒端荻」と呼ぶのは光源氏が送った和歌「ほのかにも軒端の荻を結ばずは露のかことを何にかけまし」(夕顔巻)に由来する呼称である。
*Wkipedia「軒端荻」概要より
彼女は、「空蝉」の巻でもあったように、
光源氏の愛を、本物と信じて、
光源氏からの文が来るのを
ずっと待ち続けています。。。
空蝉のこと想い、
そのついでに思い出した…ということで
「片つ方人」
と言ったのでしょう。
…(;゚;∀;゚;)
正解……5