こんにちは!
のんたんです。
今回は私の大好きな作曲家ラヴェルのオーケストラ曲
「ラ・ヴァルス」の分析をしてみたいとおもいます。
ラ・ヴァルスはフランスの作曲家ラヴェルが
1919〜1920年の間に作曲したオーケストラ作品です。
2台ピアノ版もあるよ!
↓
簡単にいえば
ワルツの曲!
(ワルツ=3拍子の踊り)
この曲の解説の欄には
ラヴェルが
ウインナーワルツへの敬意を込めて
作った曲
とよく書かれています
「ラ・ヴァルス」って
すごいかっこいいよね〜
歴史に残る名曲!!
曲も精巧に作られてて〜
と言ったとしても
普通の人にとっては
どこがどうすごいのか
分かりづらいんじゃないかなーと思います。
なので
分かる「きっかけ」が少しでもあったら
楽しいかな〜と思ったのです。
というわけで
今回は
「ラ・ヴァルス」の魅力について
なるべく分かりやすく
解剖できないかなあ〜〜!!
と思ったので書いてみます。
「ラ・ヴァルス」の魅力はいっぱいあるけれど
今回注目してみるのは
保続音&半音階
です。
保続音と半音階を探してみよう
①保続音を探してみよう
保続音とは
同じ音をのばすこと!
ラヴェルのオーケストラの曲では
「保続音」
たくさんでてきます。
クラシックの歴史の中で
「保続音」は
とても価値のあるもの
和音が変わってるのに
同じ音がのびてると
うわー!!!!!
かっこいい〜〜〜〜〜〜!!!!
😍😍😍
ってなるんですね〜〜。
たいていは
長ければ長いほどかっこいい!!!
まずそれを探すだけでも楽しいですよ😊
さて
「ラ・ヴァルス」の中で
私保続音探してみたんですけど
↑スコアにふせん貼ってみたら
けっこういっぱいあった…。
今回は
楽譜なしで聴いても
分かりやすいところを
お伝えしようと思います(><)
↑とりあえずこの映像で説明してみます
保続音①
例えば
6:20から
ラ!ララ!というメロディーがあってそのあと
チェロとファゴットがラ〜〜〜ってのばしています。
保続音②
7:01から
ホルンの ド〜ドというのと同時に
ヴァイオリンも↓ド↑ド↓ド↑ド
とずっとドを弾いてますね
(ニュアンス伝わりますか〜!?😭)
保続音③
8:07からのところ
ずっとミです。
ヴァイオリンのハーモニクス
(ハーモニクスとは倍音のこと:たか〜く、すれてきこえるような音です)
ヴァイオリンのピチカート(弦をはじく奏法)
ヴィオラもミのトリル
そのあとファゴット→ホルンとミのトリル
コントラバスもミのピチカート
と16小節くらい続きます。
その後
8:25あたりからは
ずっとラ
ラヴェルの意図
当たり前ですけど
うっかり同じ音続いちゃった〜〜
とかはありえない笑
ということは
ラヴェルは意図して保続してる!!!
ラヴェルは死んじゃったのに
残された楽譜からそれが分かるのって
楽しくないですか!?!?
しかも
ずーっと同じ楽器が保続するのでもなくて
・いろんな楽器に受け渡す
・さらにいろんな奏法で弾く
(ピチカートだったりハーモニクスだったりアルコ(通常奏法)だったりトリルだったり高さがちがったり)
という工夫をたくさんしています。
そういう工夫がたくさんあるので
ラヴェルのオーケストレーションは繊細だなあとか
オーケストラの魔術師とか
言われる根拠でもありますね。
②半音階を探してみよう!
半音階というのは…
半音のスケールですね
半音とは…
すぐ隣の鍵盤が半音です。
半音2つ分で全音になります。
「ラ・ヴァルス」から半音階を探してみます。
半音階①
いちばん最初!
そもそもこの曲は
ミとファから始まります。
ミとファというのは半音同士の関係…。
聴き取りづらいけどppで
ミファ ミファ
とコントラバスがピチカートしています。
半音階②
5:22からの半音階の伴奏
チェロ→クラリネット→フルートと受け継ぎます。
半音階③
11:04あたりから
ベースが半音ずつだんだんのぼってきています
半音階④
11:42から
長さが短くなってどこまでも登っていきます。
そして
11:48
でこの曲の1番のクライマックスへ!
半音階③と半音階④
のところではベース(低音楽器)が半音階になっていますが
それと同時に
クラリネットがベースとは逆で上から下がる半音階を担います
その後ファゴットに受け継いだり
オーボエに受け継いだり
どんどん半音階下降チームの人口が増えていきます。
かっこいいポイント
このいろいろな種類の半音階が
組み合わさっていることが
かっこいいポイントです
そして半音階が下からどんどん登ってくる
それがずっと繋がっているということもかっこいい!!
クライマックスに向かう緊張感が高まります
いちばん最初に
こっそりppで提示されていた半音階①が
クライマックスに向かうところで
主役となって出てきます(半音階④)
音楽の伏線回収みたいなかんじで
統一感が生まれていて
そこが私はかっこいいポイントだと思います
ラヴェルの意図
当たり前ですけど
半音階をずっと繋げる
というのも当然意図しなければできないことです。
なのでラヴェルも
ずっと繋げていくことがかっこいい!!
と思っていたということが
楽譜から分かりますよね
曲の構成を考えよう
ここまできたら曲の構成について考えないわけにはいきません。
一応紙に書いてみました↓
ピンクの線がこの曲の起伏
(私の持っていたスコアは
後半がコーダ①とコーダ②と解説されていたのでマネしてみました)
大きく分けると
前半のワルツ提示ゾーンと
後半のワルツ展開ゾーン(8:40〜)
に分かれています
前半では8種類のワルツを提示して
後半もう一度イントロの縮小版みたいなのから始まるところから(8:40〜)
前半に出てきたワルツのモチーフを使って展開していってるのですね〜〜〜
後半ゾーンでは前半のモチーフをそのまま使うだけでなく
モチーフを短くしてたたみかけるように何回も出てきて
クライマックスへの盛り上がりを作っています。
そういうやり方はフーガを作る時に使う作曲の手法です。
(フーガというのは音楽の形式のひとつで、すごーく簡単にいえばバッハみたいな曲のことです。作曲家たちは作曲技法のひとつとしてフーガの書き方を勉強するんですね〜。)
最初のほうで
いろいろな種類の半音階が
組み合わさっているところがかっこいい
と説明しましたが
「いろいろな」というのは具体的には
・拡大系
・縮小系
・順行(ふつう)
・逆行(はんたい)
というのが組み合わさっています。
それもフーガを作るときの作曲の仕方のひとつなのですね〜
あと今回気づいたのは
最初に盛り上がるところでもある1つ目のワルツのテーマが
最後に再現しています
(今まで気づいてなかった!!😂笑)
ワルツが8種類でてくるけれど
バラバラ感がないですよね
それはテーマやモチーフを
後半ゾーンでもう一度使って展開したり
再現してるからかな〜!
まとめ
曲自体はニ長調で終わるし
盛り上がるところも元気だしfでリズミカルで
明るい曲のようにみえるけど
どうしても悲しみのつきまとう曲ですね。
盛り上がるところも
どうしても気持ちは暗い
クライマックスなんて私には「嘆き」のようにも聴こえる…。
・・・・・。
なので
突然話は飛躍して
この暗さは
戦争とお母さんかなあ〜
と私は思ってしまいます。
ラヴェルほどの作曲技術があれば
底抜けに明るい曲だって作れるはず!
でもどうしても暗いっていうのは
心のどこかにある暗さがにじみでてるんじゃないかなあと私は妄想します。
いろいろ説明したのですが
いちばんは自分が何を感じたかが大切です!!
こんなに色々書いてていうのもなんなんですけど
頭でっかちに
ここがこうだから〜って
説明したって
仕方ないんですよ😂😂😂
私は今回この曲の素敵ポイントをお伝えしたくて
保続音だの半音階だの書きましたが!
いちばんは
自分が何を感じたかが大事です!!!!
でも
何かをテーマに曲を紐解いていくと
(今回は保続音と半音階)
ラヴェルが
・どんなことを考えて作ったのか
・なにをいいと思って曲を作っていたのか
というのが垣間みえてきます
ラヴェルは亡くなってしまったけれど
楽譜を通して
(または残された楽譜を演奏されたものを聴いて)
100年経っても
今を生きる私たちが
それを感じることができるのが
クラシック音楽のいいところですね!!!
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