「2拍ずつコードが変わる曲はどのように考えればいいのか?」

 

だんだんマニアックになってきました。

 

もう普通の方はついて来れません・・・

 

ようするに「いじわるなコード進行をやっつけたい」ということなんですが・・・

 

ウインクみなさんは 4 on 6 という曲をご存知ですか?

 

偉大なる Wes Montogomery のオリジナルです。

 

・・・と言いたいところですが、実はこの曲は George Gershwin のサマー・タイムが元ネタの、コード進行カヴァー曲?です。

 

 

コード進行は次の様になっています。

譜例1)4 on 6 [Wes Montgomery]

 

今回のタイトル「いじわるなコード進行」とは

譜例1の2段目の2拍づつ変わるとこ

 

譜例2

この部分です。

 

これの何がいじわるか?

 

「こんな細かい2-5いちいちできるか〜ムキー

 

という事ですが…

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

グラサンジャズのスタイルの一つにビバップと呼ばれる物があります。

 

テンポを早くしたり、コード進行を難しくしたり、めちゃ難しいメロディをみんなで仲良くユニゾンしたりと、今思えばなんでそんな事せなあかんの?と言いたくなる様な、かっこいい音楽なのですが・・・・

 

人間、何事もエスカレートしてきたらとんでもない事をしでかす動物です。

 

ニヤリどんどん難しい曲を創っては「へん!俺の方が凄い!」とかいってマウントの取り合いをしてたわけです(今も変わらず)

 

グラサン細かい2-5はビバップによく出てくるコード進行ですが、

 

例えば次のような曲はその代表です。

 

Moment’ s Notice (John Coltrane)

Lazy Bird  (John Coltrane)

Stable Mates 

etc…

 

まだまだ数多くのいじわる曲が存在します。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

4 on 6(譜例1)の話に戻します。

 

この曲はGマイナーをトニックとした、マイナー・チューンです。

 

平行調はB♭メジャー

 

♭が2個です。

 

 

譜例2のコード進行にはGマイナーの中に無い?コードがあります。

 

譜例3

 

厳密に言うとAm7 D7もGマイナーキーには無いのですが2−5(Gマイナーに対する)になってるのでまあいいか、ということにして、

 

問題点を整理しましょう。

 

B♭m7 E♭7はA♭メジャーキーの2−5

E♭m7 A♭7はD♭メジャーキーの2−5

 

滝汗「ん?これは転調してるのでは?」(さあ大変!)ペンタ一発で出来ないじゃーん笑い泣き

 

と、混乱してしまう方もいらっしゃると思います。

 

実はこれらの意地悪な2-5は転調してるのではなく機能的和声によるリハモナイズなんです。

 

酔っ払い「なんじゃそれ?」


機能的和声(和音)とは、そのキーに出現する可能性のある全てのコードです。

 

ダイアトニックはもちろん、セカンダリー・ドミナント、サブ5、リレイテッド2マイナー、パッシング・ディミニッシュ、トニック・ディミニッシュ、あるいはモーダル・インターチェンジまで含みます。

 

これらの詳しい説明はこちら又はこちらに載せてありますので参照してください。

 

節分転調ではないので、ブルース一発で演奏できます!拍手(工夫が必要)

 

ウインク「やった〜〜〜」

 

では話が終わってしまいますので、少し掘り下げて・・・

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

 

ニヤリいじわるコード進行撃退法その1

「2-5は 2 だけ弾けば良い・・・?」

 

2-5が2拍ずつ連続する進行の場合5を省略してマイナー・コードが平行移動してることにしちゃうという手を使います。

 

例えば前述の4on6ならば・・・

 

譜例4)5を省略

 

スケールを当てはめると

譜例5)

 

全部ドリアンにしましたが、メロディック・マイナーも可

譜例6)

 

これらを基にしてフレーズを組み立ててみましょう。

 

譜例7)解り易い様に平行移動でつくりました(まずはこれで感じを掴みましょう)

 

譜例8)ランダムに配置

 

譜例9)ランダムに配置

 

と、いう感じです・・・

 

えー「先生〜」

 

キョロキョロはい、何でしょう?

 

てへぺろ「もっと簡単なやつありませんか?」

 

ガーン・・・・

 

 

ニヤリいじわるコード進行撃退法その2

「2-5のガイド・トーンを弾けば良い・・・?」

 

使う音を限定してそれを基にフレーズを作ります。

ここではマイナーは7度7thは3度にします。

そうする事に寄って2−5はガイドトーンでは半音につながります。

 

譜例10)7−3を使ったガイドトーンのみを弾いてみる。

 

大事な音は2つですがその周りを上手く装飾します。

ガイド・トーン(7-3)を使ってフレーズを組み立てましょう。

 

譜例11)ガイド・トーン系フレーズ

 

譜例12)ガイド・トーン系フレーズ

どの音がガイドトーンになっているか注意して弾いてみてください。

 

いじわるコード進行撃退法その3

「マイナー・ペンタ一発で弾けば良い・・・」

 

この曲はGマイナー・キーなのでこのGマイナー・ペンタが使えます。

譜例13)

 

これを使ってフレーズを創ってみましょう。

 

譜例14)Gマイナーペンタ一発で・・・

 

マイナー・ペンタはキーに対して使えます。

そのキーのファンクショナル(機能的)なコード達にはいい感じでマッチします(使い方には慣れが必要ですが・・・)

 

譜例15)Gマイナーペンタ一発で・・・

 

ウインクこのようにいじわるなコード進行が出て来た時は、ゲーム感覚で対策をたててその部分のみのエキササイズを作ってみてはいかがでしょうか?

 

もちろんグレートなプレーヤー達がどうやって意地悪に挑んでいるか?それをパクリンコして自分の物にするという事も忘れないでください。

 

ちゅーちなみにサマー・タイムのオリジナル進行は、こんなかんじです(ルイ・アームストロング&エラ・フィッツジェラルドより・・・)

譜例16)Summertime[George Girshwin]

 

最近はレコーディングや家事(プライベートの意)でブログ書く時間が無くて質問がたまってきました・・・またまたQ&Aで答えていきますのでしばしお待ちを〜〜

 

それではこのへんで〜〜〜