4月はブレンデルのシューベルトで ③
ブレンデルの弾くシューベルト。今回は即興曲集を聴きました。録音も多くて、聴き慣れた曲ではありますが、ブレンデルの演奏で聴くのは初めてなので、新たな感慨があればいいなと思います。
【CDについて】
作曲:シューベルト
曲名:即興曲 op90 D899 (27:21)
即興曲 op142 D935 (33:23)
演奏:ブレンデル(p)
録音:1988年7月18-24日 ノイマルクト
CD:PHCP-1660(レーベル:PHILIPS)
【曲と演奏について】
シューベルトの2つの即興曲集は、たびたび演奏会でも取り上げられている曲ですが、4曲セットで演奏されることが多いと思います。4つの曲で一つにまとまっているという構成的な特徴もあるようで、特にop142の方はその傾向が強いと言われているようです。ブレンデルの演奏はここでもしっかりした構築感のある演奏ですが、前回聴いた楽興の時よりニュアンス豊かに感じたのは、曲の性格もありますが、きっと10年を経過して、シューベルトの曲をいろいろ再録しているタイミングであるためではないかと思いました。平たく言えば円熟味が増したという表現ですかね…。
op90の方から聴く機会が多いので、今回は特にop142に注力して聴きました。第1曲はソナタの第一楽章という感じです。しっかりした構成感の中で、中間部の対話的な応答がアルペジオの伴奏を伴って展開する素敵な曲になっています。第2曲はシンプルな雰囲気の美しい緩徐楽章で、第3曲の主題はロザムンデの音楽ですね。これが美しい変奏曲となって表情豊かに展開します。
第四曲がこの曲の中での一番の聴きどころ。op90の方も第4曲が素晴らしいのですが、op142の方はさらにエネルギーが溢れ、ドラマティックな曲になっています。ブレンデルは確かなテクニックで軽快に演奏していきますが、どのパッセージも乱れなくすっきりして、逆に微妙なニュアンスをあまり感じさせないような自然な演奏は素晴らしいと思います。シューベルトの音楽を聴く喜びを感じるところだと思いました。
【録音に関して】
ブレンデルのピアノの音色が美しく明瞭に捉えられています。
【まとめ】
シューベルトの即興曲もいろいろな演奏タイプがあるのですが、これはまぁ王道ですかね…。
購入:2024/01/19、鑑賞:2024/04/16
ブレンデルのいままでの記事のリンクです。一つだけ入れ替えました。

























