シューベルト:さすらい人幻想曲,楽興の時 ブレンデル(p) (1971/2) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

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学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

4月はブレンデルのシューベルトで ②

ブレンデルの弾くシューベルト。今回はピアノ・ソナタから離れて、さすらい人幻想曲と楽興の時の2曲の入ったCDを聴きました。演奏は一連の80年代後半のものではなく、1970年代のもの。いわゆる旧盤の方ですね。

【CDについて】

作曲:シューベルト

曲名:幻想曲ハ長調「さすらい人」D760 (21:04)

   楽興の時 D780 (27:52)

演奏:ブレンデル(p)

録音:1971年10月(D760)、1972年5月(D780) オーストリア

CD:PHCP-9596(レーベル:PHILIPS)

 

【曲と演奏について】

さすらい人幻想曲は、一楽章の音楽ですが、内容は四楽章の部分に分けることができる構成になっています。さらに、その楽章部分の間で主題が統一されているという画期的な試みで、このスタイルはリストのロ短調ソナタなどにも大きな影響を与えているものです。ブレンデルの演奏は、とても元気が良い感じで始まります。テンポが良く統一されていて、聴いていて楽しくなる演奏だと思いました。ブレンデルの音は、どっしりと地に足がついた深みのある音で、アクセントもはっきりしている上に、装飾も美しいもの。安心して聴き通すことができます。

 

楽興の時もしっかりした演奏で、何度も聴いても飽きがこないようないい演奏だと思います。聴いていてとてもテンポ良くて楽しく感じます。楽興の時という訳語は、言い得て妙といった感じがして面白く感じます。原題はSix Moments Musicals。この訳語からどういうイメージを持って聴くかというところも、音楽への感じ方に影響するのかなと、いろいろ考えてみました。結論が何かある訳ではありません…。

 

この曲集を初めて聴いたのは、確か抒情的に演奏されたスタイルのもので、それはそれでいい雰囲気で聴いていたので、この曲にはどちらかというと情緒的なイメージを持っていましたが、今回改めてブレンデルの演奏を聴いてみると、とても輝いて楽しく聴ける演奏だと思いました。ブレンデルもまだ40歳代になったばかりの頃で、大変溌剌とした演奏と思います。

 

【録音に関して】

アナログ録音時代のブレンデルの演奏によるピアノの音色です。基本的に変わらないのでしょうが、何か奥深い感じがしました。

 

【まとめ】

シューベルトの音楽が溌剌として入ってくる、楽しい演奏だと思います。

 

購入:2024/01/26、鑑賞:2024/04/08

 

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