フランク/ピエルネ:フルート・ソナタ ランパル/バルビゼ (1972) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

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学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

【CDについて】

①作曲:フランク

 曲名:フルート・ソナタイ短調(23:38)

②作曲:ピエルネ

 曲名:フルート・ソナタ op36(18:49)

演奏:ランパル(fl)、バルビゼ(p)

録音:①1972年12月21日、②1972年12月22日

   パリ リバン、ノートルダム教会

CD:WPCS-11021(レーベル:ERATO、販売:ワーナーミュージックジャパン)

 

【曲に関して】

ガブリエル・ピエルネは、ドビュッシーたちと同世代のフランスの指揮者であり作曲家で、長くコロンヌ管弦楽団の常任指揮者として、当時の数々の作品も初演にあたりました。作曲にあたっての作風は比較的判りやすいロマン派的なものということですが、印象派的な雰囲気も加味されているということです。このCDではフランクの作品と同様に、ヴァイオリン・ソナタからの編曲となっており、原曲はティボーに献呈され、のちに作曲者自身により、フルート・ソナタに編曲されました。

 

【演奏についての感想】

フランクのヴァイオリン・ソナタは、濃厚でロマンティックな素晴らしい曲で、もちろんヴァイオリンの名曲として、耳にしみついているところですが、今回はフルート編曲版での鑑賞です。フルート版のこの曲は、ゴールウェイなど名手たちによる演奏も聴くことができるのですが、このCDに収められた演奏が初録音になるとのこと。編曲はそれぞれいろいろのようです。

 

まず聴いた感じは、聴き慣れたヴァイオリンの濃厚な音に比較すると、単旋律でもありスッキリとした感じに聴こえます。その分ヴァイオリンなら対峙するピアノの音が、ここではフルートを圧倒するような感じに聴こえなくもありません。バルビゼのピアノも容赦なく弾いているように聞こえますので、尚更です。しかし、ランパルも名手らしいテクニックと表情でヴァイオリンソナタの旋律を演奏しきっていて、爽快な音を楽しむ事ができました。やはり、素晴らしい曲だと思いました。

 

ピエルネは、伝統的なフランス音楽の継承者であり、穏健な作風ですが、輝かしいフルートとピアノのデュオが楽しめます。フランクやマスネの系統をひく音楽という事だと思いますが、優美なメロディが流れていく雰囲気でした。フルート・ソナタなので爽やかな印象を残します。せっかくなので、ヴァイオリンの原曲版も聴いてみたいなと思いました。そうするともう少しこの曲のことが判るのかもしれません。

 

【録音に関して】

細かい音までしっかりとらえられたいい録音だと思います。デジタルが一般的になる前の優秀なアナログ録音の雰囲気が素晴らしいです。

 

【まとめ】

ランパルとバルビゼというコンビでの録音は多くは無いのですが、同じ年の生まれで、若い時から苦楽を共にした間柄だそうです。そういう意味ではお互い遠慮のない関係で、自然な音楽を作り上げているのだと思います。

 

購入:2024/02/19、鑑賞:2024/04/09

 

ランパルの演奏するCDの、過去記事をリンクします。