モーツァルト:セレナード第10,12番 ウィーンフィルハーモニー木管グループ (1949,53) | クラシックCD 感想をひとこと

クラシックCD 感想をひとこと

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。
一言二言で印象を書き留めておきたい。
長い文章だと、書くことが主になってしまう。
その時の印象を大切に。

【CDについて】
作曲:モーツァルト

曲名:①セレナード第10番変ロ長調「グラン・パルティータ」K361 (47:09)

   ②セレナード第12番ハ短調「ナハトムジーク」K388 (17.35)

演奏:ウィーン・フィルハーモニー木管グループ
録音:1949年②、1953年① (M) ウィーン Konzerthaus Mozartsaal

CD:MVCW-19016(レーベル:Westminster、発売:MCAビクター)

 

【曲について】

モーツァルトのセレナードの中で、木管楽器のみで演奏される曲「管楽セレナード」は、第10番~第12番の3曲が存在します。これらは当時1780年頃にウィーンで流行していた、ハルモニームジークのために書かれた曲で、ハルモニームジークは、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット各2本の八重奏が基本となっています。第10番はさらにバセットホルン2、ホルン2、コントラバスが加わり、このコントラバスがコントラファゴットで代用されることがあることから、「13管楽器のためのセレナード」と呼ばれることがあります。このCDでも、コントラファゴットによる演奏となっています。

 

【演奏について】

モーツァルトのセレナードということで、ちょっと気軽に聴き始めます。演奏は、伝統のウィーン・フィルのアンサンブル。ウラッハをはじめとする、ウィーンの名手たちによるものです。ウィーンメンバーの演奏ですので、ニュアンスもウィーン的で典雅なものと期待して聴き始めますが、意外と重いですね…。もちろん、内容はウィーン風のニュアンスに富むものですが。これは、13管楽器という音質や録音もあるかもしれませんが、前回聴いたのは18世紀オーケストラだったので、この曲は古楽器の方が音色が柔らかくて聴きやすいのかなと改めて感じました。

 

ウィーン・フィルハーミニー木管グループの名手たちの演奏は、伝統の演奏とはいえ、全体的にバランスが良くてストレートな演奏ではないかと思いました。これは前回のブリュッヘンと比較してのことですが、あちらは個人技で歌う要素がかなりあったのではないかと思いますが、こちらは全体的に調和のとれた、かつ大変彫りの深いというか、輪郭のはっきりした演奏だと思いました。

 

第12番の方はコンパクトにまとまった感じの曲で、のちに弦楽五重奏曲第2番に編曲されています。管楽器8本ながら、実質5部の構成の曲だったとのことで、ほぼそのまま落とし込まれたようです。モーツァルトのセレナードでは唯一短調の曲で、緊張感のある引き締まった音楽が聴かれました。

 

【録音について】

しっかりとした音で録音されており、53年の第10番は全く問題なく聴かれますが、第12番の方はいくぶん録音が古いためか、一部で少々音が割れ気味のところを感じました。

 

【まとめ】

ウェストミンスターの伝統の音楽を聴きました。このシリーズは大変面白いので、全部聴きたいぐらいですが、時間がかかりますね(笑)。このカプリングは、元のレコードでは第10番で1LP、第11番と第12番で1LPだったので、片割れの第11番をまず探してこないといけません。第11番はポストホルンのCDにカプリングされています。現役版ですが、何度も再発されている音源ですので、中古も多いと思います。

 

購入:2023/11/25、鑑賞:2024/04/10

 

モーツァルトのセレナードの記事からです。