最近リリースされた新譜から ③
ブルッフといえば、ヴァイオリン協奏曲第1番。他には、スコットランド幻想曲とか、コル・ニドライとかが有名ですが、あまり聴いていませんでした。今回は、そんなブルッフの、ヴァイオリンとピアノデュオのCDです。ヴァイオリンのメロディが美しいブルッフだけに、期待です。
【CDについて】
作曲:ブルッフ
曲名:ロシアとスウェーデンの民謡による歌と踊り Op.79 vn&p版 (25:18)
6つの歌曲(デュオ・ダウエンハウアー・クーン編曲) (15:50)
①6つの歌曲 op7より 17.春の歌 (2:37)
②5つの歌曲 op97より 4.朝の歌 (2:43)
③バリトンのための5つの歌 op59より 4.逃避(移民たち) (2:06)
④独唱とピアノのための4つの歌曲 op15より、黄金の橋 (1:44)
⑤歌と詠唱 op49より 4.セレナーデ (2:33)
⑥ソプラノまたはアルトとピアノのための賛美歌 op13 (4:07)
スウェーデン舞曲集 op63 (22:15)
演奏:デュオ・ダウエンハウアー・クーン
録音:2021年7月14-16日 カイザースラウテルン SWR Studio
CD:555 505-2 (レーベル:CPO)
【曲に関して】
当時は、ブラームスのハンガリー舞曲などが流行っていた時代だと思いますが、ブルッフは民族音楽大きな関心を寄せていたようで、民族音楽に取材した曲をいろいろ残しています。旋律の美を求めるブルッフとしては、民謡は恰好の対象だったのでしょう。美しいメロディをたくさん聴くことができますが、東洋にいる私からすれば、これがどこそこの民謡と言われても、なかなかピンとこないのではありますが…。
【演奏についての感想】
ブルッフの活躍した時代は、後期ロマン派が活躍している時代に相当します。比較的古典的なロマン派音楽を指向したブルッフは、リストやワーグナーと真っ向から対立。一方でブラームスとは親交を結んでいました。そんな、保守派守旧派的なブルッフの音楽は、ヴァイオリン協奏曲もそうなんですが、メロディメーカーなんですね。wikiによれは、ブルッフは、ヴァイオリンはピアノより旋律を良く歌うことができると考えていたとのことです。
このCDは、SWRによるある企画に基づいて、デュオ・ダウエンハウアー・クーンが選定して演奏したものとのことです。忘れ去られてしまったブルッフの作品に焦点を当てた録音で、op79のオリジナルvn&p版は、世界初録音とのこと。冒頭から、美しいメロディのヴァイオリンが流れ出てきます。全9曲の程よい長さの曲で、あくまでヴァイオリン主体で、ピアノは伴奏に徹している感じです。そんなヴァイオリンの音色に、いいねいいなとうっとり身を任せるといった感じのCDでした。確かに忘れ去ってしまうには惜しい曲たちです。
次の歌曲集は、リートからの編曲なので、尚更ヴァイオリンのメロディが中心となる曲でした。ブルッフは生涯にわたって、メロディ豊かな歌曲を追求していたようです。そして、最後にスウェーデン舞曲集。より短い曲で構成され、統一感もあって、音楽的にも技巧的にも面白いと思います。ヴァイオリンの音も強めのはっきりした豊かな音で、終始美しいメロディで満たされることは間違い無いので、大変楽しめるCDだと思いました。
スウェーデン舞曲の Judith Stapf(vn)、Marco Sanna(pf)による演奏
【まとめ】
ロマン派時代の埋もれた作品集という感じのCDでした。美しい曲でもあり、同じくCPOで制作された、これらの曲の管弦楽版のCDもあるようなので、手に入れば、聴いてみるのもいいかな、と思っています。
購入:2023/08/09、鑑賞:2023/08/21
