今夜の「岡田斗司夫ゼミ」が楽しみです。
『考察する若者たち』の著者・三宅香帆さんを招いて、トークがおこなわれます。
前回配信での岡田斗司夫さんの弁によると、三宅さんはこのような主張をされておられるようです。
 

「批評」はこんなに面白いのに、どうして「考察」なんてつまらない行為に流れてしまうんだろう?


ハハァ……。それを息でもするように簡単にできてしまう人は、ナチュラルにそれを不思議に思ってしまうんですね。

簡単です、実に簡単ですよ。こう云い換えれば、すごく解かりやすいと思います。
 

SEXはこんなに気持ちいいのに、どうしてみんなオナニーばっかりしてるんだろう?


――それがやれるんなら、おれかてそうしたいわ!!! という話です。

ワタシは最初、「考察」と「批評」って、どう違うんだろうと、その差がピンと来ませんでした。
ワタシなりに考え、「考察」とは読んで字のごとく「考え、察する」こと。要は「感想」とニアイコールなんだと思い至り、両者の違いについてワタシなりの解釈ができました。

これはその一例です。

 

満島ひかりが出演するから彼女目当てに『ハムレット』観に行ったけど、さっぱりわからんかったわ。全然おもんないわ!


これは「批評」としては、完全に落第です(笑)。でも、「感想」としては、これはアリなんですよ。だって事実そう思ったんだから。
……お前の実話だろって? それはナイショ(笑)。

ワタシの「奈保子日記」も「批評」ではなく「考察」です。
河合奈保子という存在、歌やタレントとしての活動と「ワタシ」との、云わば「対話」です。河合奈保子という「対象」と「自分」だけで完結する世界です。

「批評」は、そうはいきません。河合奈保子を「批評」するとは、「音楽」という世界、「アイドル」という世界における彼女の位置づけを論じ、彼女の活動や作品を評価することです。それには、それらの広範な知見や見識が要求されます。
ワタシにはそれに足る資格がありません。ワタシにできることは、ワタシがどう想い、どう感じたかを披露すること、それだけです。そもそもそれ以前に、仮にそれができたところで、「批評」なんて別にやりたくもないというのが本音ではありますが。

オナニーがSEXより下だとも思いません(笑)。両者は違うもので、等価だと思っています。自分独りでできるか、相手を必要とするか、その敷居の高い低いがあるだけです。
(「考察(≒感想)」と「批評」になぞらえているつもりです。念のため。)
 

岡田斗司夫ゼミ(2026.02.08配信分)

 

「岡田斗司夫ゼミ」の視聴を終えて
単語に対して脊髄反射的に今回の日記を書きましたが、三宅さんの云う「考察」「批評」というワードは、かなり意味合いが異なっていました。それについて、ワタシは次のように理解しました。

考察――作者の用意した「答」に向かう、問題の解答。「正解」(もしくは不正解)というゴールがある。.
批評――作者が考えてもいない作品の真実を提示する。ゴールなき果てしない探求。

前者はミステリーの犯人探しに代表される、作者の狙い通りの作品の鑑賞法。後者はそれを逸脱した作品の分析(時に作者にもファンにも煙たがられる)――といったところでしょうか。
これは「作品の愉しみ方」についての話で、ワタシの「奈保子日記」とはまた領域の異なる話です。河合奈保子は「作品」ではないし、ましてや「答」はありません。

ワタシ自身は、今回の三宅香帆さんの主張に大賛成、大共感です。岡田ゼミの大部分の視聴者がそうだと思いますが。ただ、疑問を呈したい部分はあります。
 (文芸)「批評」をやる・やれる人間なんて、昭和の昔から少数派だったと思いますよ? そういう高度な遊戯ができる人間は、云わば「エリート」だった。そして、そうでない人間に、表現の場なんてなかった。
令和になって、作者がお膳立てした愉しみ方しかできない若者が増えてきた? そうかなあ? ネット時代が到来して、誰もが活字でものを云えるようになって、昔から多数派だった人々が「見える化」してきただけじゃないの? ワタシはそのように思うのですが……。

あるいはその辺の疑問は、彼女の著書を読めば、納得させてもらえるのかもしれません。三宅香帆さんの著書は、読ませていただきたいと思います。(>思うつぼ)
きっとワタシは、三宅さんのファンになってしまうと思います(笑)。

2026.02.09 一部変更・改題・動画視聴後のコメント加筆

2026.02.10 一部変更

「素直」という言葉は、しばしば誤用されます。
本当は謝りたい。悪いと思っている。でも、いざその人の前に出ると、それができない。照れ臭くて、恥ずかしくて、変な意地もあったりして。
そういう相手に「素直に謝りなよ」――と云うのは正しい。正しい使い方です。

「素直に云うことを聞きなさい!」
親が子供を叱りつける際によく使われるフレーズですが、これはどうなんでしょう?
「従順に親の云うことに従いなさい!」――正しくはこれが真意ではないでしょうか?
でもそう云ってしまうと、いかにも強権的なヒドい親になってしまうので、まるで親の云うことを聞くのがその子の「本心」であるかのような、そんな云い方をするのでしょう。その子は、素直に逆らっているだけかもしれないのに。

 

辞書によると「素直」には、「物事がすんなりいく」「曲がったりゆがんだりせす真っ直ぐ」とも書かれており、この意味合いにおいて、上記の親御さんの云う「逆らわず服従せよ」の言葉遣いも間違いではありません。でも、子供の気持ちとしての「正直」=「素直」ではありませんよね。

 


前回日記の『ささやかなイマジネーション』についての解釈は、ちょっとヒネクレ過ぎ、ネガティブ過ぎたかもしれません。
あれはたとえば結婚を間近に控えた女性が、近い将来訪れるであろう生活像を思い浮かべている。あるいはそういう境遇ではなかったとしても、理想の未来を他愛なく夢見ている――。
そういう「ウキウキ」とした「憧れ」の心持ちであると、そのようにポジティブに捉えるのが、世間の多数派だろうと思います。

別に奇をてらったつもりはありません。それこそ「素直」にそう思ったのです。それ以外の解釈について、考えることさえしませんでした。
え!? いま聴いたお部屋のコーディネートもゆり椅子でくつろぐ彼も、全部「夢」ですか!? キッツい歌やなぁ! こんなにふんわりした曲調なのに!?
ごく「素直」に、そう思ってしまったのです(笑)。

だいたい「夢」に対する認識が根暗過ぎる。「虚ろ」で「空しい」ものであるという決めつけは悪いクセですね。なにもカップ麺のカップが残り汁の腐臭を漂わせて床に転がってる安アパートの一室で、そんな妄想に耽ってるわけじゃない。

この思い直しをさらに前回の日記に反映するとなると、それこそ「改訂三版」になってしまうので、ここでコメントするに留めておきます。

ちょっと云い訳をゆるしてもらえば、『砂の傷あと』の影響はあると思います。
あの元気ハツラツなメロディに、別れた彼氏と過去の恋を追憶する少女の詞が乗った歌は強烈すぎます。すっかりあてられてしまいました。
(詞が後の前提ですが)あれは竹内まりやの仕込んだ、意地悪スパイスかと思ってしまう(笑)。さすがは『けんかをやめて』の作者です。

あらためて、「素直」に聴いてください(笑)。多摩市・カナメさんからのリクエスト、『あるばむ』より、河合奈保子『ささやかなイマジネーション』。そして、同じく『あるばむ』より、河合奈保子『砂の傷あと』、2曲続けてお送りします。

河合奈保子『あるばむ』
さわやかなイマジネーション (YouTube)

河合奈保子『あるばむ』

砂の傷あと (YouTube)

なにしろワタシときたら、好きな河合奈保子ソングベストテンに『スマイル・フォー・ミー』が入らないヤツですからね。何卒ご寛恕の程を。

 

 

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1983年1月21日発売

 

オープニングナンバーは多摩市・カナメさんからのリクエスト、5枚目のオリジナルアルバム、その名も『あるばむ』より、河合奈保子『ダブル・デイト』をお送りしました。

 

ダブル・デイト
作詞/竹内まりや 作曲/林哲司
十代ならではの、まさにアイドルソングの王道だと思います。
早い話、これを竹内まりや自身が歌えますか?――という話です。

 

待ち合わせはお昼過ぎに シネコンの前で♪
ポップコーンかじって 見るのは“アバター”
暗闇にまぎれて 手を握られるかも……♪ ドキドキする

 

なにしろ40年以上前の歌なんで、時代感のありすぎる風物は現代に置き換えてみましたが、いかがでしょうか。カバーできますか、まりやさん?

『けんかをやめて』をセルフカバー(『REQUEST』(1987年)収録)するにあたって、さすがに自分で歌うのは抵抗があった※1そうです。それでもセルフカバーをしました。しかし、『Invitation』ではそれをしませんでした。ヒットの度合いや大衆の認知度だけが理由ではなかったはずです。河合奈保子(の年頃)でなければ歌えない――そんな河合奈保子カスタムであることが、最大の理由ではなかったでしょうか。

そんな歌を歌えるのが、アイドル。そんな歌こそが、アイドルソング。アイドルだけが歌い得る、アイドルだけに歌うことを許される。そんな「アイドル専用」のカスタムメイドぶりこそ、アイドルソングの王道だと思うのです。
――ふたりとふたりで ゴキゲン Walk hand in hand ちょっぴり大人に なった気がするわ♪

追跡
作詞・作曲/竹内まりや 
石川ひとみのカバーが有名な『まちぶせ』にも似た、怖いほどの少女の「恋の炎」。現状、靴箱にラブレターを忍ばせるぐらいで、この少女がこの先『まちぶせ』のような怖い行動に走るかは、この歌を聴く限りではまだわかりません。それでも、同じぐらいの危うい「狂おしさ」を感じないではいられません。
クラブ活動の掛け声さんざめく校舎の片隅、女生徒たちに取り巻かれる彼に、燃えるような熱い視線を注ぐ少女がひとり――。
ここでもう一曲、お聴きいただきましょう。多摩市・カナメさんからのリクエスト、『あるばむ』より、河合奈保子『追跡』。
「奈保子杯」※2の前に聴いていたら、間違いなく5thアルバム代表曲として選抜されていたでしょう。惜しかった。また次の機会もあるさ。
――ライバルは 多いけど 私 あきらめない♪

河合奈保子『あるばむ』
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砂の傷あと
作詞/竹内まりや 作曲/林哲司

林哲司のポップなメロディに、竹内まりやのビターな詞が乗る、異色のフュージョン!

曲が先か詞が先か? めっちゃ訊いてみたい! 作詞と作曲を独りでしたら、こういう歌はできないと思う。

これこそ論よりサウンド。こちらも聴いていただきましょう。多摩市・カナメさんからのリクエスト、『あるばむ』より、河合奈保子『砂の傷あと』。

 

河合奈保子『あるばむ』

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ボ~ッとイージーリスニング感覚で聴いていると、軽快なリズムについ騙されてしまう。でも、奈保子ちゃんの歌う詞をしっかりと噛み締めて聴くと……。
それはあまりにも切ない、破れた恋への惜念の想い。付き合った相手は、とんだプレイボーイ。眠れなかった毎日……。それでも、そんな彼を愛した過去が忘れられない。想い出が甘やかであるほど、いまが悲しく、辛い。幼い恋を失って、少女は大人の女になってゆく。
――どんな夢も かなうと 信じたあの日は もう帰らないのね♪


そして、アナログ盤で云うところのA面ラストの『けんかをやめて』※3に続く。
『ダブル・デイト』で無邪気な乙女の青春を、『追跡』で炎のような片想いを、『砂の傷あと』では失われた恋の想い出を。それらを『Invitation』※4と『けんかをやめて』で挟む、この曲目の組み合わせが絶妙すぎる!
お家デートに始まって、ダブルデート、片想いに失恋、最後は両天秤にかけた男たちの殴り合い(笑)。竹内まりやの「乙女の恋の詰め合わせ」ですよ。プレゼンテッド・バイ・ナオコ=カワイ。
ここまでが云うなれば、竹内まりやパート。
盤を裏返して、B面。来生えつこ・たかお姉弟パートへとバトンが渡ります。

 

来生たかお『浅い夢』

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河合奈保子『あるばむ』

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こうして並べてみると気付く、色見とデザインの類似……。これは偶然でしょうか? ワタシは「元ネタ」説に一票です。来生たかおファンなら、一目見てピンと来たことでしょう。
 

お聴きいただいたのは、来生たかおのデビューシングル『浅い夢』、そしてそのカバー曲となります、河合奈保子『浅い夢』、2曲続けてお送りしました。多摩市・カナメさんからリクエストをいただきました。

 

浅い夢
作詞/来生えつこ 作曲/来生たかお

「海の町」「海の宿」「私はあなたの手をとった」
言葉少なな詞から自ずと浮かぶイメージを具体的な言葉にするのは、野暮というものでしょう。
幸せなまどろみに包まれるような歌で、来生えつこ・たかお姉弟パートは静かに幕を開けます。
――浅い夢を 見ているようで 私の体 妙に軽くて 浮き上がりそうだった♪


ささやかなイマジネーション
作詞/来生えつこ 作曲/来生たかお
そんな甘やかな前曲にクロスフェイドして、この曲が始まります。
※前曲のフェイドアウトにかぶせて次の曲がフェイドインすること。
白いシンプルな部屋に、ひとつずつ色をつけたインテリア。
揺り椅子でまどろむ、あなた――。
でも、これは夢――イマジネーション。
そうしたい。そうであったらいいのに、という。それが、しんみりと切ない。
――Just only a dream かなえてよ かなえてよ♪

この歌も曲調だけなら、穏やかなミディアムスロー。ぼんやり聴いていているとこの歌に込められた「苦い真実」を聴き逃してしまう。
こちらもお聴きいただきましょう。多摩市・カナメさんからのリクエスト、『あるばむ』より、河合奈保子『ささやかなイマジネーション』。

 

河合奈保子『あるばむ』

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惑いの風景
作詞/来生えつこ 作曲/来生たかお
恋やつれだと人は云う。でも、「片想い」だけではものがたりにならない――。
そんなふうに想ってはいても、その人をただ見ているしかできずにいる。そんな女の現実。
――夢ならばいくらかは 強気の私がいる 現実は遠くから あなたを見つめてるだけ♪

オレンジ通り5番街(振り向いてアベニュー)
作詞/来生えつこ 作曲/来生たかお
そんなメランコリックな曲の連続から一転、朗らかな曲調が一服の清涼剤。
ステッキ片手の奈保子ちゃんのタップダンスが目に浮かぶようです。
――私 そぞろひとり歩き 訪ねびとは あなた♪


それではここで、2曲続けてお聴きください。多摩市・カナメさんからのリクエスト、『あるばむ』より河合奈保子『オレンジ通り5番街(振り向いてアベニュー)』、そしてその原曲、アルバム『BY MY SIDE』より来生たかお『オレンジ通り5番街(振り向いてアベニュー)』。
このカバーバージョンでは、詞の一部が「女言葉」にアレンジされている点にも注目です。

河合奈保子『あるばむ』

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来生たかお『BY MY SIDE』

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竹内まりや(作詞作曲)のシングルの収録は2曲――。現代の奈保子ファンとしては、ここに『ストロー・タッチの恋』と『疑問符』を収録したいところですが、それはこの時点では発表されていない未来のシングルです。
まだ提供シングル曲のなかった来生(姉弟)のカバーを2曲配したのは、両者のバランスを意図してのことでしょうか……?
まあ、ここまでは現実的な解釈ができる範囲です。ですが、詞がメロディに背いているような歌までそれぞれ1曲ずつ(『砂の傷あと』・『さわやかなイマジネーション』)あるというのは、さすがに意図してやったとは思えない。でも、これが偶然だとしたら、なにやら不思議な符合を感じます。

 

恋ならば少し…
作詞/来生えつこ 作曲/来生たかお
なぜかライナーノートでは、この歌だけ歌詞が手書き。
「曲の構成はこのままでしょうか?(中略)甘くしっとりめに唄ってください よろしく」という、えつこさんの注文まで克明にプリントされているのが可笑しく、そこまで掲載してくれた日本コロンビアさんのサービス精神がうれしい。
前曲までわりと大人の「レディ」を主人公にした歌でしたが、この歌の主役は竹内まりやパートのような、お年頃の少女。まだまだ恋に奥手で臆病な、そんな乙女心を奈保子ちゃんがしっとり歌い上げます。
――はやし立てる ともだち ひやかし言葉も気にしない♪

A面を竹内まりや、B面を来生姉弟。それぞれの担当を分けることで、両者の作品性・世界観の違いが際立つ一枚になりました。
前者が「動」なら、後者は「静」。前者が「俗」なら、後者は「聖」。

そのように異質で、対照的でありながら、前述した曲の構成だけでなく、どこか両者で相通じる、まるで鏡に写した裏返しの像のような不思議な相似を感じさせます。
『浅い夢』では甘やかな情愛を。『ささやかなイマジネーション』では一見幸福そうな情景が、実は「夢」であるという、曲調も含めた聴き手への惑わせを。『惑いの風景』では愛を諦めながら、それでも未練を引きずり続ける哀しい女の現実を――。

 

まりや派か来生派かと問われたら、ワタシは最初、詩的な来生姉弟より、ストレートにハートを突き刺す竹内まりやに傾いていました。『追跡』の女の子は確かに危なっかしいけれども、「私はあきらめない!」という、ひたすら前を向く力強さに惹かれるし、共感します。
でも、案外『追跡』の女の子が大人になったら、『惑いの風景』の女性みたいになってるのかもしれませんよね。いろんなものを「諦め」て、ひとは大人になってゆくもの。(願わくは、「妥協」という術もあわせて身につけてほしいものですが。) 要は切り取り・描く、人生の「季節」が違うだけです。竹内まりやは少女という人生の「青い春」を、来生姉弟はレディという「白い秋」を描いた。
「白秋」は40歳代半ば以上を指す(諸説あり)言葉ですが、ここでは関係ありません。
歳の頃はちょっぴり上げているものの、来生姉弟もまた、やってることは「レディの恋の詰め合わせ」。
リピートして聴き返すうち、いまではすっかり来生パートも、まりやパートに負けないくらい好きになりました。

喩えて云うなら、作曲は監督、作詞は脚本。そして歌手は役者。
河合奈保子という女優を使って、どんなドラマを撮るか? 両者のドラマはテーマも、さらに舞台設定さえも共通していながら、まるで性質の異なる作品でした。それでも河合奈保子という女優は、いずれも見事に演じ切ってくれました。
竹内まりやパートでは、少女の恋を。来生姉弟パートでは大人のレディのそれを。
その対比は、19歳の河合奈保子がシンガーとしても、ひとりの女性としても、脱皮を遂げようとしている、その表れであるようにワタシには思えました。

そしてこのアルバムは、シングル・アルバムを通じて河合奈保子の初となる、オリコンチャート「1位」を獲得する快挙を遂げます。

さらにこののち、来生えつこ・たかお姉弟コンビによる、次期シングル『ストロー・タッチの恋』が発表されることになります。
このアルバムの収録曲とは、また趣きを異にするこの歌は、これで12枚目。河合奈保子のシングルは全36曲、そのちょうど1/3にあたります。それに相応しい節目として、彼女の歌手人生のその「序盤」の、まさに「フィナーレ」を飾ることになるのですが、それについてはまた、近いうちに奈保子日記でお話しさせていただくことにします。

 

【アップデート版】公開にあたって
当初の目的は『ダブル・デイト』の項を書き直すことでした。重要なことは曲名である「行為」そのものではないと気付いたからです。
さらに全体にわたって、粗く、浅く、ピントがボヤけていると思い、ほぼ全面的に書き改める結果になりました。時間がかかったのはそのためです。
いつもながら、なぜ初手からこれができないかと歯噛みします。
本音を云えば、初稿は消してしまいたい。あんな「予告」※をするんじゃなかった。
それなりに面白味があり、消すのが惜しいのは『ダブル・デイト』の項だけです。練り直せばここまで変わる――という実例として、お暇がありましたら、読み比べてみてください。
ここまで改めても、さらに訂正や書き直しはあり得ます。前もってお断りとお詫びをしておきます。どうかお許しください。来生たかおの原曲があることを、ワタシは【初稿版】※※を発表したあとで知りました。知見や考えは、時を経るごとに積み重なり、変化し漸進していくものなのです。云い訳としては大げさ過ぎますが。

※※


2026.01.26 【初稿版】公開
2026.02.01 【アップデート版】公開

2026.02.07 一部加筆・変更

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1983年1月21日発売

 

ダブル・デイト
作詞/竹内まりや 作曲/林哲司
十代ならではの、まさにアイドルソングの王道だと思います。
一例にAKB48の『涙サプライズ!』を挙げれば、クライメイトのバースデーをサプライズで祝う――なんてシチュエーションをいい大人になって歌えないじゃないですか? 厳密に云えば、いま現在の前田敦子が、かつての持ち歌として自ら歌うことはできるでしょう。ですが、とうに大学も卒業した、いい歳をした大人が、新曲でこのような歌を持ち歌として自ら歌うことはできません。

ダブル・デイト――! 仲良しカップル×二組のデイト!? 高校生、せいぜい大学生までの特権ですよ。社会人になって、これはちょっとできません。ラブホまでいっしょに行くわけにはいかないじゃないですか?
竹内まりやはのちに『けんかをやめて』※1をセルフカバーしましたが、『Invitation』※2はそれをしませんでした。ヒットの度合いや知名度だけが理由ではないでしょう。この歌も作詞者として、竹内まりやが自ら歌うことはなかったはずです(知らんけど)。
その歳頃の当事者だけに歌い得る。そのアイドルにしか許されないカスタムメイドぶりこそ、アイドルソングの王道だと思うのです。
――ふたりとふたりで ゴキゲン Walk hand in hand ちょっぴり大人に なった気がするわ♪

追跡
作詞・作曲/竹内まりや 
石川ひとみのカバーが有名な『まちぶせ』にも似た、怖いほどの少女の「恋の炎」。現状、靴箱にラブレターを忍ばせるぐらいで、『まちぶせ』のような怖い行動には、まだ至ってはいませんが。
クラブ活動の掛け声さんざめく校舎の片隅、女生徒に取り巻かれる彼に、燃えるような熱い視線を注ぐ少女がひとり――。
ここでお聴きいただきましょう。多摩市・カナメさんからのリクエスト、5枚目のオリジナルアルバム、その名も『あるばむ』より、河合奈保子『追跡』。
「奈保子杯」※3の前に聴いていたら、確実にエントリーしたでしょう。惜しかった。また次の機会もあるさ。
――ライバルは 多いけど 私 あきらめない♪

河合奈保子『あるばむ』
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砂の傷あと
作詞/竹内まりや 作曲/林哲司
林哲司のポップなメロディに、竹内まりやのビターな詞が乗る、見事なフュージョン!
ボ~ッとイージーリスニング感覚で聴いていると、軽快なサウンドについ騙されてしまう。でも、奈保子ちゃんの歌う詞をしっかりと噛み締めて聴くと……。
それはあまりにも切ない、破れた恋への惜念の想い。付き合った相手は、とんだプレイボーイ。眠れぬ日々。それでも、そんな彼を愛した過去が忘れられない。想い出が甘やかであるほど、いまが悲しく、苦しい。幼い恋を失って、少女は大人の女になってゆく。
――どんな夢も かなうと 信じたあの日は もう帰らないのね♪

そして、アナログ盤で云うところのA面ラストの『けんかをやめて』に続く。
『ダブル・デイト』で無邪気な乙女の青春を、『追跡』で炎のような片想いを、『砂の傷あと』では失恋の想い出を。それらを『Invitation』と『けんかをやめて』で挟む、この曲目の組み合わせが絶妙すぎる!
お家デートに始まって、ダブルデート、片想いに失恋、最後は二股かけた男たちの殴り合い(笑)。竹内まりやの「乙女の恋の詰め合わせ」ですよ。プレゼンテッド・バイ・ナオコ=カワイ。
ここまでが云うなれば、竹内まりやパート。
盤を裏返して、B面。来生えつこ・たかお姉弟パートへとバトンが渡ります。

浅い夢
作詞/来生えつこ 作曲/来生たかお
夏の日の海の町、愛する男(ひと)の横顔を覗く。
浅い夢のように、フワフワと体が浮き上がってしまいそうな。
夏の日の海の宿、愛する男(ひと)の手をとった。.
――その一瞬のときめきで あなたを選んでしまった♪

ささやかなイマジネーション
作詞/来生えつこ 作曲/来生たかお
そんな、わざわざワタシの下手な言葉に置き換えるだけ野暮(苦笑)な、甘やかな前曲にクロスフェイドして、この曲が始まります。
※前曲のフェイドアウトにかぶせて重ねて次の曲がフェイドインすること。
白いシンプルな部屋に、ひとつずつ色をつけたインテリア。
海の波もようが揺れる、あなた好みのカーテン――。
でも、これは夢――イマジネーション。
そうしたい。そうであったらいいのに、という。それが、しんみりと切ない。
――Just only a dream かなえてよ かなえてよ♪

惑いの風景
作詞/来生えつこ 作曲/来生たかお
恋やつれだと人は云う。でも、「片想い」だけではものがたりにならない――。
そんなふうに想ってはいても、その人をただ見ているしかできずにいる。そんな女の現実。
――夢ならばいくらかは 強気の私がいる 現実は遠くから あなたを見つめてるだけ♪

オレンジ通り5番街(振り向いてアベニュー)
作詞/来生えつこ 作曲/来生たかお
そんなメランコリックな曲の連続から一転、朗らかな曲調が一服の清涼剤。
ステッキ片手の奈保子ちゃんのタップダンスが目に浮かぶようです。
――私 そぞろひとり歩き 訪ねびとは あなた♪

 

それではここで、もう一曲お聴きください。多摩市・カナメさんからのリクエスト、『あるばむ』より、河合奈保子『オレンジ通り5番街(振り向いてアベニュー)』をお送りします。


河合奈保子『あるばむ』
YouTube
 

恋ならば少し…
作詞/来生えつこ 作曲/来生たかお
なぜかライナーノートでは、この歌だけ歌詞が手書き。
「曲の構成はこのままでしょうか?(中略)甘くしっとりめに唄ってください よろしく」という、えつこさんの注文が可笑しく、そこまで印刷してくれた日本コロンビアさんのサービス精神がうれしい。
前曲までわりと大人の「レディ」を主人公にした歌でしたが、この歌の主役は竹内まりやパートのような、お年頃の少女。まだまだ恋に奥手で臆病な、そんな乙女心を奈保子ちゃんがしっとり歌い上げます。
――はやし立てる ともだち ひやかし言葉も気にしない♪

A面を竹内まりや、B面を来生姉弟。それぞれの担当を分けることで、両者の作品性・世界観の違いが際立つ一枚になりました。
前者が「動」なら、後者は「静」。前者が「俗」なら、後者は「聖」。
そのように異質で、対照的でありながら、どこか両者で相通じているようにも思われました。来生姉弟の曲目の構成もまた、歳の頃はちょい上げてはいるものの、やってることはこちらも「レディの恋の詰め合わせ」

喩えて云うなら、作曲は監督、作詞は脚本。そして歌手は役者。
河合奈保子という女優を使って、どんなドラマを創るか? 両者のドラマは、共通したテーマを題材としながら、まるで性質の異なる作品でしたが、河合奈保子という女優は、いずれも見事に演じ切ってくれました。

そしてこのアルバムは、シングル・アルバムを通じて河合奈保子の初となる、オリコンチャート「1位」を獲得する快挙を遂げます。

さらにこののち、来生えつこ・たかお姉弟コンビによる、次期・12枚目のシングル『ストロー・タッチの恋』が発表されることになります。
この歌は、このアルバムの収録曲とは、また違ったテイストになるのですが、それについては、近いうちに『ストロー・タッチの恋』の奈保子日記でお話しさせていただくことにします。

2026.02.01 改題

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※ただいま工事中

1980年 1981年 1982年 1983年 

HIDEKIの弟妹募集!!全国縦断新人歌手オーディション 大阪地区大会
 
1980年2月10日
阪急ファイブで開催。石野真子「春、ラ!ラ!ラ!」を歌う(決勝大会も同じ)。定数は1名であったが、特別に2人目の代表として選出される。
日記
 
HIDEKIの弟妹募集!!全国縦断新人歌手オーディション 決勝大会
 
1980年3月15日
中野サンプラザで開催。西城秀樹の強い推薦により優勝。
 
大きな森の小さなお家
 大きな森の小さなお家
 
1980年6月1日
詞/三浦徳子 曲/馬飼野康二
B面/ハリケーン・キッド
詞/三浦徳子 曲/馬飼野康二
日記
 
ヤング・ボーイ
 ヤング・ボーイ
 
1980年8月25日
詞/竜真知子 曲/水谷公生
B面/青い視線
詞/伊藤アキラ 曲/川口真
 
LOVE
 LOVE
 
1980年10月10日
アルバム
収録シングル/大きな森の小さなお家、ヤング・ボーイ
日記1日記2
 
愛してます
 愛してます
 
1980年12月10日
詞/伊藤アキラ 曲/川口真
B面/そしてシークレット
詞/伊藤アキラ 曲/川口真
日記
 
LIVE
 LIVE
 
1980年12月10日
ライブアルバム
1980年10月14日、東京・芝・郵便貯金ホールにて行われた1stコンサートの模様を収録。
日記
別冊近代映画 河合奈保子特集号
 
 
1981年1月15日
ムック
日記
夢・17歳・愛 心をこめて奈保子より
 
 
1981年3月1日
エッセイ
日記1日記2
17才
 17才
 
1981年3月10日
詞/竜真知子 曲/水谷公生
B面/キャンディ・ラブ
詞/竜真知子 曲/水谷公生
日記
 
TWILIGHT DREAM
 TWILIGHT DREAM
 
1981年5月10日
アルバム
収録シングル/愛してます、17才
日記1日記2
スマイル・フォー・ミー
 スマイル・フォー・ミー 
1981年6月1日
詞/竜真知子 曲/馬飼野康二
B面/セレネッラ
詞/櫛田露孤、伊藤アキラ 曲/川口真
日記1日記2
 
音楽専科臨時増刊 河合奈保子 そよ風のメッセージ
 そよ風のメッセージ
 
1981年6月26日
写真集
日記
 
近代映画増刊 河合奈保子 フォトメッセージ
 奈保子フォトメッセージ
 
1981年8月5日
写真集
日記
 
DIARY
 DIARY
 
1981年8月10日
アルバム
収録シングル/スマイル・フォー・ミー
日記
 
ムーンライト・キッス
 ムーンライト・キッス
 
1981年9月1日
詞/松本礼児 曲/馬飼野康二
B面/あなたはロミオ
詞/松本礼児 曲/江戸光一、松本礼児
日記1 日記2 日記3
 
セリ穴落下事故による重傷 1981年10月5日
NHKホール「レッツコーヤング」収録リハーサル中、舞台昇降装置を設置したセリ穴に四メートルの高さから落下、「第一腰椎圧迫骨折」の重傷を負う。
日記
 
ときめきのメッセージ NAOKO ON TUOR 河合奈保子写真集
 ときめきのメッセージ
 
1981年10月15日
写真集
日記
 
退院、記者会見 1981年11月16日
渋谷病院を退院。コロンビア・レコード本社で記者会見。
 
Angel
 Angel
 
1981年11月25日
ベストアルバム
収録シングル/ヤング・ボーイ、大きな森の小さなお家、愛してます、17才、ムーンライト・キッス、スマイル・フォー・ミー
日記
 
ラブレター
 ラブレター
 
1981年12月5日
詞/竜真知子 曲/馬飼野康二
B面/No No Boy
詞/竜真知子 曲/馬飼野康二
日記
 
Naoko in Concert
 NAOKO IN CONCERT
 
1982年2月25日
ライブアルバム
1982年1月6日に日本青年館ホールで行われた、新春コンサートの模様を収録。
日記
 
愛をください
 愛をください
 
1982年3月10日
詞/松宮恭子、伊藤アキラ 曲/松宮恭子
B面/春よ恋
詞/伊藤アキラ 曲/馬飼野康二
日記
 
ほほえみ・ステップ
 ほほえみステップ
 
1982年3月27日
写真集
日記
 
夏のヒロイン
 夏のヒロイン
 
1982年6月10日
詞/竜真知子 曲/馬飼野康二
B面/ゆれて-あなただけ
詞/竜真知子 曲/馬飼野康二
日記
 
別冊近代映画 河合奈保子スペシャルPART3
 別冊近代映画 河合奈保子スペシャルPART3
 
1982年7月1日
ムック
日記
 
SUMMER HEROINE
 SUMMER HEROINE
 
1982年7月21日
アルバム
収録シングル/ラブレター、夏のヒロイン
日記
 
さまーひろいん
 さまーひろいん
 
1982年8月1日
写真集
日記
 
けんかをやめて
 けんかをやめて
 
1982年9月1日
詞/竹内まりや 曲/竹内まりや
B面/黄昏ブルー
詞/竜真知子 曲/馬飼野康二
日記
 
河合奈保子全曲集
 河合奈保子全曲集
 
1982年9月21日
ベストアルバム
収録シングル/「大きな森の小さなお家」~「夏のヒロイン」までの全シングル。
※カセットテープのみのリリース。
 
ブリリアント~レディ奈保子 イン・コンサート~
 ブリリアント
 
1982年11月21日
ライブアルバム
1982年10月17日に東京・芝・郵便貯金ホールで行われた秋のコンサートを収録。
日記
 
BRILLIANT -Lady Naoko in Concert-
 BRILLIANT -Lady Naoko in Concert-
 
1982年11月21日
映像ソフト
上記コンサートの映像ソフト。
日記
 
Invitation
 Invitation
 
1982年12月1日
詞/竹内まりや 曲/竹内まりや
B面/木枯らしの乙女たち
詞/尾関昌也 曲/尾関昌也
日記
 
アイドル百科3 河合奈保子
 アイドル百科3 河合奈保子
 
1982年12月20日
ムック
日記1 日記2
 
あるばむ
 あるばむ
 
1983年1月21日
アルバム
収録シングル/Invitation、けんかをやめて
日記
チェリーピンクのプチハート
 チェリーピンクのプチハート
 
1983年2月23日
写真集
 
ストロー・タッチの恋
 ストロー・タッチの恋
 
1983年3月1日
詞/来生えつこ 曲/来生たかお
B面/若草色のこころで
詞/来生えつこ 曲/来生たかお
日記
NAOKO IN BANGKOK 河合奈保子写真集PART4
 NAOKO IN BANGKOK 河合奈保子写真集PART4
 
1983年4月15日
写真集
日記

 
エスカレーション
 エスカレーション
 
1983年6月1日
詞/売野雅勇 曲/筒美京平
B面/恋のハレーション
詞/秋元康 曲/筒美京平
日記
SKY PARK
 SKY PARK
 
1983年6月1日
アルバム
収録シングル/なし
日記
UNバランス
 UNバランス
 
1983年9月14日
詞/売野雅勇 曲/筒美京平
B面/リメンバー
詞/売野雅勇 曲/筒美京平
日記
素敵な時間
 素敵な時間
 
1983年10月20日
写真集
日記

 
HALF SHADOW
 HALF SHADOW
 
1983年10月21日
アルバム
収録シングル/エスカレーション、UNバランス
日記
疑問符
 疑問符
 
1983年12月1日
詞/来生えつこ 曲/来生たかお
B面/冷たいからヒーロー
詞/来生えつこ 曲/来生たかお
日記
プリズム(AngelⅡ)
 プリズム(AngelⅡ)
1983年12月21日
ベストアルバム
収録シングル/UNバランス、ラブレター、夏のヒロイン、Invitation、エスカレーション、愛をください、ストロー・タッチの恋、けんかをやめて
 

 

工事日記 2024.01.05
公開しますが、工事中です。第一期工事としては主に1980年にリリースされた作品をまとめました。音楽に限らず、映像ソフトや写真集・エッセイなどの出版物も取り上げていくつもりです。
今後の日記で奈保子史に触れる際などにリンクして使用するほか、ワタシ自身のスケジュール表として(笑)使っていきたいと思っています。
工事日記 2024.06.09
更新をサボっていたら、セカンドアルバムが出てました。マメにメンテしないといけませんね。
81年末までのシングル、アルバム、出版物をアップしました。奈保子さんの芸能人生のなかでも最大の、激動のシーズンに差し掛かろうとしています。
工事日記 2025.01.01
第三期工事では1982年発売の作品を中心に、河合奈保子史に記録すべき大きな出来事も記載しました。今年も盛り沢山です(>今年じゃないけどな)。怪我はいまだ癒えず、腰にコルセットを着けてではあるものの、仕事に復帰。紅白歌合戦への初出場を果たしました。河合奈保子のいわゆる「アイドル」時代の、後半期とワタシは思っています。歌手人生の転機となった竹内まりや作詞作曲『けんかをやめて』が、今年は控えています(>今年じゃないけどな)。
工事日記 2026.01.03
第四期工事では、1983年発売の作品を記載しました。河合奈保子歌謡史では「転機」となる年ですが、自分史を振り返ると現役時代のこの頃、ワタシは「ファン」であることをやめていました。四年目を迎える「四〇年遅れの推し活」は、「思い出」という補助ぬきの、未知の奈保子ワールドへの旅路がいよいよ始まります。
 


『NAOKO ANTHOLOGY SONGS』発売記念キャンペーンとして企画された「あなたの河合奈保子ベストテン」。その結果が発表されました。その順位は上記のリンク(または巻末資料)をご覧いただくとして、以前の日記※1で予告していた、これに応募したワタシの奈保子ベストテンを発表したいと思います。奈保子ファンの「世間」とワタシの好みの違いをまざまざと知る結果になりました。
もったいぶらず、1位からまいります。
 

 

第1位 十六夜物語

「四〇年遅れの推し活」※2に課したルールとして、未知の歌はその時が来るまで極力聴くことを避けています。ですがシングルA面曲については、さすがに全曲を通して聴きました。この現代に河合奈保子を語る上で、全てのシングル曲を知らないでは、文字通り話にならず、話もできないと思ったからです。
この歌をワタシは現役時代には知らず、「四〇年遅れの推し活」を通して初めて知りました。そのとき、全シングルで一番のお気に入りになったのが、この歌でした。新鮮さも手伝った、そのときの気分であって、時間が経てば変わるかもしれないとも思いましたが、いまに至るもこの気持ちに変わりはなく継続しています。
河合奈保子の「演歌」とも云える曲で、実際和服姿でのステージも多く見受けられます。女性演歌歌手にカバーしてくれないかと思います。売れるんじゃないかなぁ。昭和アイドル博士ちゃんは、梅谷心愛ちゃんに教えてあげて? ぜひテレビでそのステージを披露してほしい。
そして、「作曲・河合奈保子」とテロップに出して、世間を驚かせてほしいのです。
 

奈保子杯2025 第1節結果(凡例 ◎優勝 ○準優勝 ◇準決勝タイ)
グループA ◇フォーエバー・マイ・ラブ
グループB  黄昏ブルー
グループC ○ハーフムーン・セレナーデ
グループD  LOVE
グループE ◇ラブレター
グループF  スマイル・フォー・ミー
グループG  大きな森の小さなお家
グループH 
◎十六夜物語

 

 

第2位 大きな森の小さなお家

続く2位はデビュー曲! 「大きな森の小さなお家」とは、ヘアに覆われた女性器を意味する!? それを知った時は驚きましたし、それ以上に納得しました。――だから、誰も見たことない、誰もさわってないなのか!? そう考えると、意味が通る! 三浦徳子せんせい、ウブな十六才の女の子におそろしい歌を提供したものです。
一見(一聴)してメルヘン調の歌に秘められた、性的メタファー。それは彼女のかわいらしい見た目と、それとは裏腹なボリューミーでセクシーな肉体をもつ、河合奈保子性とでも云うべきものを見事に体現しています。デビュー曲として相応しい歌でしたが、それだけに社会的ヒットに届かなかったことが惜しまれます。もしこの歌が、河合奈保子の人気・知名度が確立してから発表されていたら、どんなことになっていたでしょうか。
 

第2節結果
グループA ◇フォーエバー・マイ・ラブ
グループB  黄昏ブルー
グループC ○ハーフムーン・セレナーデ
グループD  LOVE
グループE ◇ラブレター
グループF  スマイル・フォー・ミー
グループG 
◎大きな森の小さなお家
グループH  ハリケーン・キッド

 

 

第3位 ラブレター

河合奈保子の最大の魅力は「声」だと、ワタシは思ってます。
――ためらい ライライ ラブレター♪
この一節にそれが集約されています。歌手活動初期の基本路線であるマイナー調に、アップテンポな激しさを加えたこの歌にもドラマがあります。けがから復帰して初のテレビ出演は「夜のヒットスタジオ」。そこで披露したのが、この歌でした。裏を返せば、退院・療養を終えて間髪入れず、新曲のレコーディングをしていた!? ということでもあります。昭和アイドル残酷物語の一頁ですね。
 

第3節結果
グループA ◇フォーエバー・マイ・ラブ
グループB  黄昏ブルー
グループC ○ハーフムーン・セレナーデ
グループD  LOVE
グループE 
◎ラブレター
グループF  スマイル・フォー・ミー
グループG  17才
グループH ◇ハリケーン・キッド

 

 

第4位 ハーフムーン・セレナーデ

お恥ずかしい話、この歌のこともワタシは知りませんでした。初めてこの歌を聴いたとき、さらにお恥ずかしい話ですが、ワタシは泣いてしまいました。この歌を歌う河合奈保子を現役時代に見ておかなかったことが悔しくて。情けなくて。奈保子さんにも申し訳なくて。
おっさんの青春懐古でしかなかったワタシの第二次河合奈保子ブームが、もっと重いものになったことを決定づけた一曲です。
 

第4節結果
グループA ◇フォーエバー・マイ・ラブ
グループB  黄昏ブルー
グループC 
◎ハーフムーン・セレナーデ
グループD  LOVE
グループE ◇Invitation
グループF  スマイル・フォー・ミー
グループG  17才
グループH ○ハリケーン・キッド

 

 

第5位 フォーエバー・マイ・ラブ

こちらは思い出深い一曲になります。レコードなんて買わない(そもそもプレーヤーが無い)、だからアルバムなんて聴くはずもない当時のワタシが、珍しくFMのエアチェックで知っていたアルバム収録曲です。この歌を歌う奈保子ちゃんのステージを見てみたい! 動画も上がっているので、今後視聴するはずライブ映像ソフトに、おそらく収録されているのでしょう。
 

第5節結果
グループA 
◎フォーエバー・マイ・ラブ
グループB  黄昏ブルー
グループC ◇刹那の夏
グループD  LOVE
グループE ◇Invitation
グループF  スマイル・フォー・ミー
グループG  17才
グループH ○ハリケーン・キッド

 

 

第6位 ハリケーン・キッド

ポップなアップテンポに乗せて歌う、おっそろしい女の嫉妬(笑)。
――wow wow キッド ハリケーン・キッド 背中に稲妻♪
この歌詞の意味をワタシは最初、そんな柄のスカジャンでも、浮気男が着ているのかなと思ってました。そうではなく、この歌の主人公の女の子の感情のことだったんですね。アニメ画の動画でそれを知って、ますますこの歌のことが好きになりました。
――恋の炎に 黒い雲♪/恋の炎に 赤い雨♪
こんなドロドロした女の情念も、奈保子ちゃんが歌うとかわいくなってしまうんですよね。
『大きな森の小さなお家』のB面がこの歌。AB両面そろってベストテン入り! つくづく凄いシングル盤ですよ。
 

第6節結果
グループA ◇イチゴタルトはお好き?
グループB  黄昏ブルー
グループC ○刹那の夏
グループD  LOVE
グループE ◇Invitation
グループF  スマイル・フォー・ミー
グループG  17才
グループH 
◎ハリケーン・キッド

 


――nkさんのYouTube動画より
YouTube


第7位 甘いささやき

奈保子日記の第一回を飾ったのがこの歌。この歌を聴いて、ワタシは「四〇年遅れの推し活」をやることを決意しました。いまのワタシを決定づけたのが『ハーフムーン・セレナーデ』なら、そのきっかけになったのが、この歌です。
ムード歌謡的不倫ソングとも云えますが、これも奈保子ちゃんが歌うとかわいくなってしまう(笑)。

 

第7節結果
グループA ◇イチゴタルトはお好き?
グループB  黄昏ブルー
グループC ○刹那の夏
グループD  LOVE
グループE ◇Invitation
グループF  スマイル・フォー・ミー
グループG  17才
グループH 
◎甘いささやき

 


第8位 Invitation

これは完全に奈保子日記効果。奈保子ちゃんの現役時代はボ~ッと聴いてて、さほど印象に残っていませんでしたが、日記のために深掘りしてこの歌の真価を知り、大好きになりました。
――見つめられてること知らぬふりして キスさえ許さないわけを見抜いてほしい♪
部屋に招いた彼女のくちびるを欲する彼氏と、それを察し、そして許さない彼女のしたたかさ。
この歌も見事に竹内まりや節ですね。

 

第8節結果
グループA ◇イチゴタルトはお好き?
グループB  黄昏ブルー
グループC ○刹那の夏
グループD  LOVE
グループE 
◎Invitation
グループF  スマイル・フォー・ミー
グループG ◇17才
グループH  デビュー~Fly Me To Love~

 


第9位 刹那の夏

「あなたの河合奈保子ベストテン」では、その集計結果を25位まで発表しています。当然その多くはシングル(A面)曲であるわけですが、ランクインしなかった曲をあげるほうがむしろ難しい。そのトップ25のランクにもれた一曲がこの歌です。このあたりは奈保子ファンの「世間」と、ワタシの好みの差を感じます。
やはり奈保子ファンの一般的な層は、明るく、健康的で、陽性な歌がお好みのようです。この手の歌は、比較的人気が低い。でも、ワタシは好きなんですよねえ。小昏い、ダークな、ちょいワル奈保子が(笑)。6、7、9位は、完全にワタシの好みが出ましたね。

 

第9節結果
グループA ◇イチゴタルトはお好き?
グループB  黄昏ブルー
グループC 
◎刹那の夏
グループD  LOVE
グループE ◇鳥の詩
グループF  スマイル・フォー・ミー
グループG ○17才
グループH  デビュー~Fly Me To Love~


刹那の夏
YouTube

第10位 17才

奈保子ファンのハシクレとして、ワタシのベストテンにも順当な歌が、順当に選ばれたという感じです。振り付けのキュートさで『スマイル・フォー・ミー』、『デビュー』をかわし、堂々ベストテン入りを果たしました。

 

第10節結果
グループA ◇イチゴタルトはお好き?
グループB  黄昏ブルー
グループC  唇のプライバシー
グループD ○LOVE
グループE ◇鳥の詩
グループF  スマイル・フォー・ミー
グループG 
◎17才
グループH  デビュー~Fly Me To Love~

 


総評

まず、お詫びしなければならないことがあります。
「マイベストテンを選ぶ奈保子ワールドカップ」※1では、サードアルバム『DIARY』のことを完全に失念していました。このアルバム収録曲からのエントリーが、一曲もないのはそのためです。訂正はしましたが、最初『SUMMER HEROINE』の収録曲を「3rdアルバム」と記述しておりました。
やり直そうにも、気付いたのは応募後。このまま行くことにしました。多少の入れ替わりはあったにせよ、今回のベストテンに変動はなかったと思います。

世間的知名度では代表曲のツートップとも云える『スマイル・フォー・ミー』、『けんかをやめて』がベストテン入りしなかったところがワタシらしい。二十位まで枠を拡げれば入ってくると思いますが、今回はミスもあり、ベストテンに留めておきます。
そして、ふと気付いてみれば、1stアルバム『LOVE』からは、シングルを含めればなんと4曲がベストテン入りしています!(しかも、タイトル曲『LOVE』も第10節?では決勝までコマを進めるなど、いいところまで行っています。) ジャケットといい、つくづく名盤ですね。もちろん現役世代というだけで、ビギナー&にわかですので(笑)、これから未だ知らない歌を聴いていくことで、自分の中の順位も入れ替わっていくと思います。
「四〇年遅れの推し活」※2は、道半ばとさえ云えない始まったばかり。まだまだ知らない歌は数多くあります。「あなたの河合奈保子ベストテン」にも初めて聴く歌がありました。「奈保子ワールドカップ」の名称は「奈保子杯」と改め、いずれまた開催したいと思います。
恒例の多摩市・カナメさんのリクエストは、今回は割愛します。YouTubeのリンクをいくつも貼りましたので、そちらに代えさせていただきます。何年後かはわかりませんが、次回の「奈保子杯」でまたお会いしましょう。

 

《巻末資料》
あなたの河合奈保子ベストテン 順位(括弧数字はシングル発表順)
1. スマイル・フォー・ミー (5)
2. ハーフムーン・セレナーデ (26)
3. ラブレター (7)
4. 夏のヒロイン (9)
5. エスカレーション (13)
6. けんかをやめて (10)
7. 唇のプライバシー (18)
8. Sky Park
9. デビュー~Fly Me To Love~ (21)
10. 十六夜物語 (28)
11. 大きな森の小さなお家 (1)
12. 涙のハリウッド (24)
13. ヤング・ボーイ (2)
14. Invitation (11)
15. コントロール (17)
16. 17才 (4)
17. 愛してます (3)
18. ジェラス・トレイン (20)
19. ムーンライト・キッス (6)
20. 愛をください (8)
21. 言葉はいらない~Beyond The Words~
22. 北駅のソリチュード (19)
23. UNバランス (14)
24. 悲しい人 (29)
25. 微風のメロディー (16)

 

 

※1

※2

 

 

 

1982年12月31日放映

前年度1981年※1に続く2度目の出場となる、NHK紅白歌合戦。
この模様は、『河合奈保子 プレミアムコレクション』で視聴することができます。
 

 
 


 

河合奈保子 プレミアムコレクション
つい先頃発売された『NAOKO ANTHOLOGY SONGS』(前回日記参照)は、「ザ・ベストテン」などTBSのテレビ番組で放送された河合奈保子の歌唱の数々を収録した映像集の第二弾です。この映像ソフトは、その「NHK版」とも云える先駆けでした。


紅組・2番手※2で登場、出場曲はこの歌。
それでは、ここでお聴きいただきましょう、多摩市・カナメさんからのリクエスト。河合奈保子『夏のヒロイン』。

 

河合奈保子『夏のヒロイン』

――1982年度・紅白歌合戦より

YouTube

 

登場時の衣装は、夏らしいノースリーブのドレス姿。
それが「チャンス・チャンスぅぅぅ♪」「きっとなーれーるッ♪」の部分で、周囲のダンスガールズと交叉しざま、目に止まらぬ早業で、衣装早変わり。
おそらくNHK的にも限界ギリギリ、さらに奈保子ちゃん的にも、ここまでがんばって肌を露出したステージ衣装は、おそらく初めてだったのでは? 紅白だからこその大サービス、ミニスカ&キャミソール!


1982年度・紅白歌合戦より

登場時
1982年度・紅白歌合戦より(2)
ここからの――
1982年度・紅白歌合戦より(3)
こう!!!

 

なにしろ、この頃までの河合奈保子のステージ衣装は、「清純派」そのもので、おとなしいドレスだったり、スカートも長めでした。次年の『エスカレーション』あたりからですね。歌にあわせてステージ衣装がセクシーに、大胆になっていくのは。

 

2年前、前述のDVDで初めてこの映像を視たワタシは、恥ずかしながら人前であれば前屈みにならざるを得ない状態になってしまいました(苦笑)。中学生か?
でも、これは云い訳させてください。ワタシも奈保子ファンのハシクレ。「水着」はいい加減、慣れっこになっているつもりでした。
彼女の「ボイン」には備えがあった(笑)。しかし、彼女の下半身、おみ脚には無防備でした、当時はまだ。
云うなれば、パンチを警戒し、必死に頭部をガードしてたら、重いローキックを入れられた。そんな感じです。

ギリギリの丈の超ミニスカートから覗く、奈保子ちゃんの上半身を支える、ほどよくふとい太もも、むっちむち、健康的なおみ脚が放つお色気にクラクラ――文字通り悩殺です。
ワタシはまだまだ奈保子ちゃんを甘く見ていました。彼女の武器は、バストだけではありませんでした。

 

云うまでもなく、水着ではもっと広範囲の肌を露出しています。それこそ脚の付け根から肌を見せています。それでも、ミニスカートの裾から覗く脚のお色気は水着に勝ります。これが「エロス」の不思議なところで、晒した肌の面積と算数的に比例しません。
よく云われる「ビキニも下着も、面積は同じよ?」というのも同様で、「見せるもの」であるビキニに増して「隠すもの」である下着姿に、より男は「グッ」とくるのです。こうしたシチュエーションは、お色気の度合いに大きく作用します。たとえば同じ水着姿であっても、グラビアと芸能人水泳大会の水上ゲームのそれとでは、こちらの刺さり方はまるで違います。
思えば今回のケースでは、(「性」とはおよそ隔たった)紅白歌合戦という舞台、(清純派の)河合奈保子という人物、さらに予想外に発生した突発性――といった幾つのも要素が、お色気を高める「スパイス」の役割を果たしました。意図的にそうしたわけではないでしょうけど。


当時の紅白の放映※3では、ワタシと同じようになった男性諸氏もそれなりにいらっしゃったのではないでしょうか。日本全国でただ一人、ワタシだけが奈保子ちゃんの紅白衣装でコーフンした唯一のド変態であるなんてことは、さすがにないと思うんですよ?

「おとーさん、年越しそばできたから運んで――」
「ちょ、ちょっと待って――」


1982年の大晦日、そんな一家の亭主の所作が妙に不自然だったお茶の間の光景が、もしかすると全国津々浦々で展開されていたのかもしれません。

 

43年前、同じようなボンノーの虜になった同志諸兄に。御自分を責めることはありません。紅白歌合戦で、コーフンしてしまうなんて!? いいえ。艶めかしくも悩ましい、奈保子ちゃんのおみ脚がいけないのです。

「ゆく年くる年」の除夜の鐘で、ヨコシマな昂りを鎮め、浄化していただきましょう。

今回の日記は、大部分が以前に発表したことのある内容です。あえて当時の日記は読み返さず、いまの自分の頭と言葉で語り直しました。変態的な手記として、より磨きがかかっていたりして。来年もよろしくお付き合いの程をお願い申し上げます。

※1

※2

ウィキペディア「第33回NHK紅白歌合戦

※3
ヒネクレ者だったワタシは、この当時の紅白歌合戦をまったく視聴していませんでした。奈保子ちゃんが出ているにも関わらず。

 

 

 

NAOKO ANTHOLOGY SONGS

NAOKO ANTHOLOGY SONGS
2025年12月24日発売

良いXmasプレゼントが届きました。(買ったのはもちろんワタシですが)
止まらない弾む心が、ポップコーンのように踊ります。
お陰で、良い聖夜を迎えることができました。

――イブの夜は、大切なひとと過ごそう。
ワタシも奈保子さんと、素敵な夜を過ごすことができました。
なんかワタシ、すごくさびしいヤツになってます?(苦笑)

全部は視聴し切れていません。視聴し切ったとして、すぐさま言葉にできる自信もありません。
予定では前回お話したように※1、「あなたの河合奈保子ベストテン」※2の発表――壁紙もいただきました。ありがとうございます。――に合わせて、ワタシの河合奈保子ベストテンをお話させていただく予定でしたが、しばらく延期させてください。
ただいま、絶賛インフルエンザ罹患中でして、回復に専念しているところです。

そんなわけで短いですが、今回はこんなところで早退させていただきます。
恒例の多摩市・カナメさんからのリクエストは、DISC1「in ザ・ベストテン1」のオープニングを飾ったこの曲をお贈りします。河合奈保子『17才』。

河合奈保子『17才』
YouTube


チャプター2では、雑誌取材でグァム島に発つ奈保子ちゃんを成田空港まで追いかけ、VIPルームでTBSアナ時代の生島ヒロシがスーツケースの中身をチェック。
「これ! これ!! これはなんですか!?」 目敏くビニール入りの「水着」を見つけ、悲鳴を上げさせます。
さすが、生島ヒロシ。1981年当時から、片鱗を窺わせます。なんの片鱗だ?


2025.12.30 一部変更・加筆



※1

※2

 

 

――1981年12月24日。

日本中が浮かれたムードに支配されるこの日。日本有数の歓楽街である新宿のこの界隈も、その例に漏れなかった。

そこかしこから聴こえるクリスマスソングが種々雑多に混じり合い、キツ過ぎる芳香剤の匂いにも似た、狂騒的なノイズとなってこの街に充満している。


そのダンススタジオは、そんな街中の古い煤けた雑居ビルのワンフロアにあった。
バレエ教室やダンススクールなど様々な団体が、曜日と時間を区切ってそのフロアを間借している。彼女が所属する――予定の――芸能プロダクション・K音もそのひとつだった。

周囲の騒がしい雑音も、ここには届かない。防音は行き届いている。
その用途に相応しく四方を鏡張りにしたその部屋は、静寂に包まれている。
コンセントに繋がれ、つい先程まで流行りのダンスナンバーを大音量で響かせていたラジカセも、いまは沈黙していた。

ただひとつ、鏡の壁にテープ貼りされた、杉村星奈のポスターだけが、奇妙な違和感と異彩を放っていた。

聴こえるのは、荒い、少女の息づかいひとつ。
バスタオルを床に敷き、そこに身体を横たえている。
つい先ほどまで、激しく身体を動かしていたのだろう。荒い息づかいとともに、腹部が大きく上下している。
真冬だというのに、少女の上衣はTシャツひとつだ。だが、まったく寒そうには見えなかった。汗にまみれた少女のTシャツを押し上げている胸の隆起は、彼女が見事なプロポーションの持ち主であることを物語っている。

そこにノックもせず乱暴にドアを開け、ことさらズカズカと足音を立てるように男が近付いてきた。その片手に、小さな手提げの紙袋をさげている。
歳の頃は初老だろう。渋味を帯びた容貌の頭髪には、白いものが混じっている。咥えタバコの煙をくゆらせて。

「おい」
男は不機嫌だった。むろん、少女の態度に気分を害しているのだった。

「なにもしゃちほこ張って気をつけしろとは云わねーがよ、その態度はねえだろ? おれが誰だか忘れたか、あん?」

「その必要が?」
少女が云った。身体を横たえ、眼は閉じたままだ。

「あなたとわたしは無関係。いまは。そうよね?」

「けっ」
吐き捨てるようにそう呟き、ついでに咥えタバコを二本の指で口からもぎ取ると、盛大に紫煙を吐き出してみせた。

「まだ怒ってんのか?」
呆れたような、困ったような、苦い表情で、男は口ではそう云いながら、その目線は床に仰臥したままの少女ではなく、鏡の壁のある一点に注がれていた。

(………?)
なぜ、杉村星奈のポスターがここに――? それは大いに興味をそそられる疑問ではあったが、いまは違う話が先であった。

「デビューは来年! 今年はミッチーの年だ。ジーザスと喧嘩はできねーよ」

 

[作者コメント]
ミッチー――男性アイドル・新堂ミチル(本名・充)のニックネーム。ジーザス事務所所属。
ジーザス――ジーザス事務所。ジーザス北村社長率いる男性アイドル専門の芸能プロダクション。男性アイドルはこのプロダクションの独占状態にあり、業界での権勢は絶大。他のプロダクションは男性アイドル分野から撤退を余儀なくされた。


「彼なんて、別に目じゃないのに」
苛立ちを隠しもせず、少女は云った。

「そう思ってるのは、お前だけさ。実力だけで勝てるほど、甘い世界じゃないんだよ。事実、去年、杉村星奈は田宮鋭彦とぶつかって、最優秀新人賞を逃した。――デビューが一年早けりゃあな。相手が竹内かぐやだって、それこそ目じゃなかっただろうよ」

 

[作者コメント]
田宮鋭彦――男性アイドル。ジーザス事務所所属。ニックネームは「トシ」。野口芳文、新堂ミチルとともに、三人組の「たのしんトリオ」として売り出されている。この姓名に覚えのあるひとは平井和正ファン。

竹内かぐや――覚えてますか?(笑) 創作ノート本編第一回に登場したシンガーソングライター。彼女が主人公・沢合素直に『けんかをやめて』を提供することになるのですが、再登場はいつの日か? モデルはもちろん竹内まりや。79年度のレコード大賞・新人賞に輝いています。(最優秀は桑江知子)


(くだらない――)
少女は思った。
業界の根回しで結果が決まる出来レースの賞など、その実態は早晩、大衆の知るところとなり、権威も注目も喪ってしまうだろう。
だが、少女はそれを口には出さなかった。議論をするのも、くだらなかった。少女は、こうした賞レースにそもそも関心を持たなかったのだ。

「幸い、来年ジーザスから有望な新人が出るという情報はない。だから、来年だ。来年――といっても、もうすぐだぞ?――君は『スター創生』で「合格」を獲り、晴れてウチの所属となるわけだ」

「それも出来レース……素敵なお話ね。ゲロ吐きそう。よその事務所と契約しちゃおうかしら?」

男はまた、盛大にため息をついた。
「あんまり、つまらんことを考えるなよ。話はついてるんだ。業界ぐるみでな。云っとくが、ウチだって結構“力”はあるんだぜ? ジーザスほどじゃないにしてもな。あんまり、ウチの会社を舐めるなよ? ところでよぉ――」
男は埒もない会話を切り上げ、先程から気になっていた疑問に、話を切り替えた。

 

[作者コメント]
ウチの会社を舐めるなよ?――知ってる人にはわかりやす過ぎる、某人気漫画からの拝借。


「なんだって、こんなところに、あんなものがあるんだ?」
鏡張りの壁に張りつけられた、杉村星奈のポスターを向いて云った。

「まさか、憧れてるってわけじゃないんだろ?」

ブッ――と少女は噴き出した。
「憧れてる? わたしが? あの女に――?」

ハッハッハッ――。
少女は、腹を抱えて大笑いした。文字通り、彼女は笑い転げたのだった。
「ああ、可笑しい――。今年一番の大爆笑」
そう云って、少女はすっくと起き上がった。

「憧れ? 冗談でしょ?」
そう云って、少女はそのポスターに近寄った。
そして、ダンッ――と杉村星奈の笑顔のすぐ横を掌で叩きつけた。

「これを見るとね――力が出るの」

目線で人を殺せるならぱ――そんなギラギラした目付きで、少女はポスターの星奈を睨みつけながら云った。

「キツくて、辛くて、クタクタに、ヘトヘトになって、もうダメ、限界、倒れそうになったとき、これを見るの……」
「………」
「するとね、身体の奥底から、燃えるような、力が湧いてくるの……。こんちくしょー! 笑うな! わたしがデビューしたら、お前なんか、わたしの足元に這いつくばらせてやるんだ! そう思ったら、まだ立てる。まだ動ける。弱音を吐いていたのは、ただ甘えてただけ……。そう気づかせてくれる。これは、そのためのもの……」

「その意気さ」
男はあらためて、少女のこの自信と、そして闘争心に、感嘆、感服していた。
生意気な態度に腹は立ったが、それさえも彼女の器のデカさの証だと、彼は買っていた。その彼の勘が、この職のベテランである彼をして、その気難しさに誰もがさじを投げたこのジャジャ馬の担当を買って出させたのだ。
「だが、女王に闘争心を燃やすのも結構だが、ライバルも大勢いるってことを忘れるなよ? うちは来年に標準を合わせたわけだが、考えてることはよそさんも同じさ。大変な年になるぞ? 来年、82年は――」

「まず筆頭は――」
男は続けた。
「今泉郷子。よそのデビュー前の新人で、おれが一番買っているのは彼女だ。それから、第二の西咲ジョージの妹、金沢秀美。堀地えみ。友松衣世。速水優里――」
さらに男は続ける。
「こいつらをぜーんぶブッ倒して、トップを獲るんだ。お前が」


「同期対決なんて、興味ない――」
少女の返答は、にべもなかった。

「的はひとり――ってか? まあいいさ」
男はシュラッグしてみせた。
そのキザったらしい仕草に、少女は少しイラッとした。

「ウチはお前がモノになってくれりゃあ、それでいいのさ。期待してるんだぜ、お前さんには。そうイラつくなよ。デビューは、もうすぐさ。それまで、しっかりレッスンに励んでくれよ? 玲(あきら)――」
踵を返して去ろうとする男の背に、少女は云った。

「ここ、禁煙なんですけど?」
機嫌を直して立ち去ろうとしていたところに水を差され、再び不機嫌な表情で振り返る。
「さっきからタバコの灰を床にばら撒かれて、迷惑なんですけど?」

「おれに向かってそんな口がきけるのは今のうちだ。正式にウチの所属になる前に、その口のきき方もしっかり直しとけ。許されるんだよ、おれは。ウチの息がかかってる所じゃあな」

「権力が振るえる場所でだけ横柄な、お山の大将。ジーザスにはビビってるくせに」
「お前な、いい加減にしろよ……?」

男の怒気をまるで意にも介さず、少女はさらに怖しい科白を口にした。


「黙っててあげるかわりに、一本恵んでくれません?」
「おいおい……」

 

男はさすがに狼狽を隠せなかった。

もしそうなら、ただ事ではない。写真一枚で致命傷だ。アイドルのイメージ云々以前に、彼女はまだ未成年なのだ。


プッ――と少女は噴き出し。また、笑い転げた。
今度は天真爛漫に、年相応の少女に相応しく。

「冗談です。喫煙の習慣はありません。本当ですよ?」

天使のような。悪魔のような。
ケラケラと笑うこの少女に初めて、商品価値を値踏みするのでなく、女としての魅力を心で感じた。もし自分が同年代のガキだったら、惚れていたな――と。
いい歳をした自分が、こんな少女に翻弄されている……。そのことに驚きを禁じ得なかった。
職業柄、いわゆる「美少女」はイヤというほど目にしてきた。
そんな彼の経験に照らしても、彼女はこれまでになく「特別」だった。

 

美貌やスタイルの良さは一目でわかる。歌唱力、ダンススキルの高さもよく知っている。しかし、それらに増して大事な素養があると、男は思っている。それは、ハートの強さだと。

そこが、この少女は規格外だった。


(本当に、超えられるかもしれない――)
(あの杉村星奈に、この娘なら――)

 

[作者コメント]
場面転換がわりに、こぼれ話を。
現実における82年の新人賞レースがどうであったか。ジブがき隊が、レコード大賞最優秀新人賞に輝いています。
ですから、ミッチーこと新堂ミチルとの対決をこぞって避けたがために、82年がアイドル当たり年になったというのは、あくまでもこのお話だけのフィクションです。
現実における82年のアイドルシーンがああいうことになったのは、本当に要するにただの巡り合わせ。あえて云うなら、神様の悪戯としか云いようのないものだったのだろうとワタシは思います。
ところで、現実における82年の最優秀ではない新人賞の受賞者は、石川秀美、早見優、堀ちえみ、松本伊代。……なんと、小泉今日子もあのひとも、「新人賞」を逃してたんですね!? 意外。そして、不思議に運命的なものを感じてしまいます。


その雑居ビルの一階エントランスで、男はインストラクターの青年と鉢合わせした。
「いらしてたんですか!? 仰ってくだされば――」
恐縮した表情で、その青年は云った。
「いやいや、急についでで寄ったもので。……いっけね、こいつを渡してなかった」
男は手に提げた紙袋を持ち上げて云った。
「それは――?」
「ケーキです。陣中見舞いの差し入れに。クリスマスなのでね。申し訳ないが、ここでお渡して構いませんか? 二人分あります。召し上がってください」
「いえ、どうかご自分で渡してください。彼女、よろこびますよ」
「どうだか――。それに、急ぎの用もありますので」
そうですか、それでは。――と青年は受け取った。

「どうですか、彼女は?」
男は青年に訊いた。
「根性ありますよ、彼女。こちらがたじろぐ程です。呑み込みが早いし、なによりひたむきで熱心です」
「そうですか……」
「真面目で、素直です。とても、いい娘だと思いますよ。確かに、ちょっとヒネクれてて、気難しくて、とっつきにくいところもあるけど、根は真っ直ぐな娘なんじゃないかなあ。それで、かえって小狡い大人の妥協ができなくて、周囲とぶつかって、誤解されることもあるような気がします」
「なるほど……」

 

[作者コメント]
河合奈保子がデビューした1980年、その年の紅白歌合戦出場を逃したのは、『大きな森の小さなお家』(1980年6月発売)『ヤングボーイ』(同年8月)だけでは、まだまだ実績不足だったから――という以前に、当時17歳という年齢では出場資格がなかったのだと、長い間思っていました。しかし紅白に限らず、この当時のテレビは、労働基準法などどこ吹く風、平気で未成年のタレントを夜の生放送に出演させていたようです。彼女が出場できなかったのは、普通に選にもれた、ということでしょう。
ちなみにテレビが未成年の夜間生放送出演を気にするようになったのは、ワタシの記憶と知識では、伊藤つかさから。当時大人気のつかさちゃん、早くお家に帰りたかったみたいです(笑)。後年、自分のせいで放送界のルールが変わってしまったことを気に病んでおられたようです。ワタシはいいことをしたと思いますよ。子供に遅くまで働かせちゃいけませんよ。


青年と別れて、男が新宿駅東口前に差し掛かると大型ビジョンでは、沢合素直がインタビューを受け、『紅白歌まつり』初出場の意気込みを語っていた。
「『紅白』出場は、わたしの夢でした。去年、同期の田宮くんや星奈さんがそこで歌っているのをテレビで見て、とても悔しい思いをしました。だから、今年の『紅白』に出られることをとても嬉しく、誇りに思います」
〈先日、あんなことがあって、不安に思っている人もいらっしゃると思います。そのへんのところ、いまの心境はいかがですか?〉
「あのときは、みなさんに本当にご迷惑とご心配をおかけしてしまいました。いまでも恥ずかしくて、消えてしまいたいぐらいです。――不安がないと云えば、ウソになります。でも、今度こそみなさんに恥ずかしくないステージを見ていただけるように、一生懸命頑張ります」
〈ありがとうございました。沢合素直さんでした。では次に、二度目の出場となります、杉村星奈さんです〉

アナウンサーは少し移動し、今度は素直の隣の杉村星奈にマイクを向け、インタビューを始めた。
大型ビジョンの映像では、杉村星奈が二度目の『紅白』出場に、堂々とその意気込みを語っている。その風格はまさに、早くもアイドル界の「女王」そのものだった。

 

[作者コメント]
新宿駅東口前の大型ビジョンと云えば、云わずと知れたスタジオアルタです。現実のアルタビジョンでは、重大事件のニュースなどはN〇Kの放送内容を映すこともあるにはあったようですが、このような『紅白』の番宣の放送を映すことは、ちょっと考えられません。この世界での新宿駅東口前の大型ビジョンは、アルタビジョンとは違うのかもしれません。
それから、このチョイあとのラストの描写ですが、この時代にはよくある光景だったのです。何卒、御寛恕の程を。


不敵な笑みを浮かべ、大型ビジョンの杉村星奈に睨みつけるような視線を注ぎ、男は思う。咥えタバコの煙をくゆらせて――。

(女王様気分でいられるのも、いまのうちさ。せいぜいひたっておくといい……)
(来年以降、あんたは女王の座から引きずり下ろされる……)
(ウチの中条玲にな……!)

男は紫煙をくゆらせるタバコをまるでそこに映る彼女に捧げるように、二本の指で持ち上げると、周囲には聞こえぬ程度の小声で、そっと囁いた。
(謹んで、御祝辞申し上げます。日、没するところの女王陛下に――)
「メリークリスマス!」
男はタバコを地面のアスファルトに落とすと、革靴の底で踏み消した。


「スマイル・フォー・ミー」創作ノート
 1st-extra 少女A
(了)

ending 中森明菜『少女A』

中森明菜『少女A』

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あとがき
○杉村星奈のこと
モデル松田聖子+若干の中森明菜要素の混合キャラ。だから、名前も「星奈」。それが「本編」の主人公・沢合素直にとりまるで勝ち目のない強力過ぎるライバルとしての、彼女の当初の設定でした。


○本作のヒロインのこと
でも、出てきてしまいました。やっぱり書いているうちに、こういうことは変わってくるものです。
杉村星奈にとり素直は、実力=人気+セールスで及ばないだけでなく、哲学=人としての生き方がまるで異なり、ライバルとしては噛み合いません。ガチッとギアがハマるような、実力でも、なにより己れの哲学において相通じる、同じタイプのライバルを出現させてあげたくなった、描きたくなりました。


彼女が『「スマイル・フォー・ミー」創作ノート』の「第三極」として本編で活躍するかとなると、それはないと思います。なぜなら81年の『紅白歌まつり』が、本編のほぼほぼクライマックスだからです。彼女のデビューはそのあと。そこから星奈と彼女がどのような、公私に渡る壮絶な鍔迫り合いを演じるかは、みなさまのご想像におまかせする領域です。『SLAM DUNK』(井上雄彦)における、森重寛みたいなキャラですね。さらにワタシの好きな『あさひなぐ』(こざき亜衣)に喩えるなら、主人公・沢合素直が東島旭なら、杉村星奈は宮路真春。本作ヒロインはまさに、真春に対する戸井田奈歩に相当するでしょう。

○本編伏線のこと
アナウンサーがインタビューで質問した「あんなこと」とはなんなのか? それは創作者としての秘中の秘です。発表のその時まで(いつになることやら……)お待ちください。ワタシはドキュメンタリーを書く気はなく(そもそも、その資格がありません)、あくまでも史実をモデルにしたフィクションを書いています。当然、史実よりも「盛り」ます。そうでなくては、現実のドラマに太刀打ちはできません。現実の河合奈保子さんが体験した事実よりも、さらに過酷な試練が沢合素直ちゃんには待ち構えています。


○改訂・再掲のこと
本作初稿を発表してから、丸一年が経ちました。50も過ぎると時間が過ぎるのが奔流のようです。実感としては、ついこの間の気がします。
改訂の必要に迫られたのは、「あのひと」の名前が変わるからです。本作単体なら、初稿のままでよかったし、むしろ初稿のほうが良かった。ですが実際に「2nd-extra」に登場するとなると、もっとカッコよくしたいと思うようになりました。
しかし、それに絡めた作者コメントもあり、このまま幻と消し去ってしまうのは忍びなく、当時は「期間限定」と謳いましたが、「初稿バージョン」として、一年前の発表のまま留めることにしました。


○多摩市カナメさんからのリクエストのこと
今回はendingをお送りしましたので、奈保子日記のいつものアレは割愛します。


○『「スマイル・フォー・ミー」創作ノート』本編のこと
本編はこちらです。「2nd-extra」ともども、こちらもどうぞよろしくお願いいたします。早よ、続き書けよ。

 


2024.12.24 初出 【期間限定特別企画】として公開
2025.12.24 改題・一部改訂・再掲