多摩市・カナメさんからのリクエスト、河合奈保子『スマイル・フォー・ミー』をお送りしました。
「一日」は「いっぴ」とお読みいただけると、語呂がいい感じです。
1981年のこの日、『スマイル・フォー・ミー』が発売されました。アイドルソングの金字塔、奈保子さんのアイドル時代を象徴する彼女の代表曲のひとつでもあります。

――そばにいると 胸がキュンとなるの♪
(ヤング・ボーイ)
――愛してます 泣きたいほどあなた♪
(愛してます)
――ああ 17才の私♪
(17才)


奈保子さんの歌って、意外とけっこうマイナー調が多いのですよね。

 

止まらないの 弾む心は
ポップコーン みたいに踊る


それがここへ来て、この詞そのまま、弾けるような、明るく、ポップな、アップテンポ。こんな奈保子ちゃんを見たかった! アイドル・河合奈保子の過去映像が流れる場面では、決まって『スマイル・フォー・ミー』なのですが、それもむべなるかな。

 

 

……という話はすでにここで書いたことの焼き直し。この機会に若干の手直しを施しています。

『「スマイル・フォー・ミー」創作ノート』は、絶賛遅延中です。今日この日に「事故前パート」の完結編を披露する予定でしたが、日曜ライターの辛いところで、前回からまったく進捗していません。

81年10月、奈保子さんはあわや一生車いす、最悪「夭折のアイドル」になっていたかもしれない大事故、大けがに見舞われました。その復帰のステージは、初出場の紅白歌合戦! ただでさえプレッシャーのかかるその大舞台に、退院してまだ日の浅い、わずか十八歳の女の子が臨む。しかもその舞台は、大事故、大けがをした当の現場、いわくつきの場所、NHKホール!?
そこでうたった歌が『スマイル・フォー・ミー』です。
その恐怖とプレッシャーに打ち勝ち、見事はねのけてみせた彼女が味わったであろう歓喜に想いを馳せるうち、ワタシにある創作衝動が芽生えました。一回で終わらせるつもりでした。長くて二~三回。「創作ノート」と銘打ったのは、設定の記述と、あとは映画の特報スポット的シーンの羅列で済ませるつもりだったからです。
妙な色気を出して「小説仕立て」にしたのが運の尽き。……終わりません。
間に合わなかったので、せめてもの「特報スポット」風の予告をお送りします。実際の発表では、変更される可能性があります。

 

「小夏くんの気持ちには、気付いていました……」
(!!!)
「星奈さんって、よっぽどわたしのことを、ウブな女の子あつかいしたいみたい――。
……そういうひとの目や、態度や言葉遣いからにじみ出る気持ちようなものは、感じます。痛いほど。……わたしだって、アイドルなんですよ? こう見えて」
素直は、かすかに微笑んでみせた。
「………」
「でも、気付かない振りをしていました」
素直は、目線を小夏から外し、顔を伏せた。
「小夏くんの気持ちには、応えられないから……」
「………」
「それでも、小夏くんには『東京のお兄ちゃん』でいてほしかった。わたしの髪をセットしてほしかった。これからも、ずっと――。だから、わたし――」
素直の声が、震えていた。
「星奈さんが云うような、ウブな女の子なんかじゃない! ズルくて、計算高くて、あざとい女なんです。ごめんなさい……」


話はここへ向かう。それがいま現在の作者の「構想」です。
そもそもを云えば、『スマイル・フォー・ミー』とは、あまり関係がありません。この物語における「紅白歌まつり」で、この歌がうたわれるというだけで。

本当にあの「事故」と関係があるのは、次のシングルであり当時の新曲であった『ムーンライト・キッス』です。その当時の思い出などは、その機会に譲りたいと思います。それまでには「小説仕立て」のこの作品も、なんとか区切りをつけておきたいと思っていますが、どうなりますことやら。


そして6月1日と云えば、ちょうど一年前、1980年のこの日、ファーストシングル『大きな森の小さなお家』が発売されているのです。つまり、デビュー一周年。記念すべきデビュー日でもあるわけです。
「奈保子記念日」ですよ。今日一日中、『スマイル・フォー・ミー』と『大きな森の小さなお家』をエンドレスでパワープレイ、ヘビーローテーションしてました。

Smile for me!
Smile for you!
大きな森の小さなお家~♪


お別れの曲は多摩市・カナメさんからのリクエスト、河合奈保子『大きな森の小さなお家』。
大きな大陸の大きなお家の奈保子さまにも、ファン一同のこころの歌声が届くことを願って。
※広さは知らんけど、きっとそうだと思う。

こんな時間にアップして、ホントすみません。6月1日・0時ジャストに発表したかったのですが、日曜ライターの辛さ、時間がとれませんでした。

 


2024.06.03 加筆・一部変更