去る10月10日、四〇年遅れの「推し活」を始めて、初のアルバムをダウンロードできる日がやってきました。
ばかなマイルールです。でも、このぐらいの縛りを設定しておかないと、一気にお金を散財してしまいかねません。
奈保子さんが芸能界を去って二十余年、いったいどれだけ普通に買える河合奈保子の商品があるかということです。
うれしいですよ? ありがたいですよ? でも、ちょっと悲鳴をあげたくなります。
そんな気持ちを詩にしてみました。

何が面白くて河合奈保子のDVDを買ふのだ。
バストがあんまり大き過ぎるぢゃないか。
そそられるから『再会の夏』も買ふだらろうが、
破産してしまふぢゃないか。
日本コロムビアよ、

もう止せ、こんな事は。

……高村光太郎先生、たたらないでください。

 

LOVE

ファーストアルバム『LOVE』について、まず触れておきたいのは、このジャケットですね。
数多ある河合奈保子のショットの中でも、「ベスト」のひとつでしょう。
うっとりと、何時間でも眺めていられます。その気持ちは、中学時代のワタシのそれと何ら変わるところがありません。
というより、このジャケット写真がタイムトンネルとなって、ワタシは中学時代の自分へと還っているのだと思います。

多摩市・カナメさんからのリクエストは、アルバム『LOVE』から『フォーエバー・マイ・ラブ』です。
思い出話をさせてください。
奈保子さんの現役時代、レコードを買わず、よってシングル曲以外に奈保子さんの歌を聴いてこなかったワタシは、当然ながらアルバム収録曲のほとんどを知りません。この歌は、そんなワタシが当時から知る、数少ないアルバム収録曲のひとつです。
その理由は、当時NHK-FMの「ひるの歌謡曲」という番組で河合奈保子特集が組まれ、アルバム『LOVE』からシングル曲を含む数曲が放送され、それを録音していたからです。

そのカセットテープの中身を知られたクラスメイトから「河合奈保子が好きなん?」と訊かれ、自分の正直な気持ちを知られるのが恥ずかしかったワタシは、「歌が好きやねん」と答えました。

いまなら胸を張って、正直な気持ちを云えます。
奈保子さん、あなたのことが大好きです。
そして、もうひとつ。あなたの「歌」も大好きです。
今度は嘘じゃないっす。


――『SLAM DUNK』30巻より

 

※サビの部分で『ヤング・ボーイ』のサビを重ねて歌えるのは、ここだけの話。

※現役当時と同じ時間をかけて河合奈保子の歌手人生を追跡・追体験する四〇年遅れの「推し活」計画について

 

次回予想

「わたし、水着をやめたいとは、思わないんです」
意外な意志の強さを見せて、素直は云った。
「ファンのみんなが求めてくれて、よろこんでくれるなら、わたしはそれが嬉しい。それに応えたいんです。――こんなおデブちゃんの水着のどこかいいのか、よくわかんないんだけど」


『「スマイル・フォー・ミー」創作ノート』の第二弾。たぶん、これになりそうです。「小説」ではなく、「映画の予告編」風ハイライトにはなりますが。いよいよ、主人公・素直ちゃんの本格登場です。作者の愛情を一身に注がれたヒロインの魅力に、乞うご期待。うちの素直をよろしくお願いします。