(序)『ハーフムーン・セレナーデ』の衝撃
 

 

多摩市・カナメさんからのリクエスト、河合奈保子『ハーフムーン・セレナーデ』をお送りしました。

この眼で見ても、ちょっと信じられない気持ちです。これがほんの数年前、「スマーイルッ・フォーッ・ミーッ♪」と明るく可愛く歌っていた女の子なのかと?
確かに、歌は巧かった。彼女の歌唱力の高さは、彼女の水着に並んで、昔からの語り草でした。
でも、これは……圧倒されます。「巧い」どころの話じゃない。彼女はもはや、生歌がCDを超える、稀な本物の歌い手のひとり、その実力の持ち主であったということです。

低音がしっかりしているから、高音の跳ね上がりが冴えわたる。サビのこのファルセット、このビブラート、鬼気迫るとはこのこと。鳥肌が立ちそうです。
この映像を見、歌声を聴きながら、みっともない、恥ずかしい話ですが、ワタシは年甲斐もなく、部屋でひとり、泣いてしまったのです。

(1)河合奈保子マイブーム

話は少し前に遡ります。
時ならぬ「河合奈保子マイブーム」がワタシに訪れたのは、特にこれといったきっかけがあったわけではありません。それはなんのドラマ性も面白味もない、Y○utubeでした。数あるおすすめ動画の中から、懐かしさも手伝って、何気なく彼女の動画のいくつかをクリック、視聴しました。
「やっばり、可愛いわ……。このデビュー当時の映像なんて、悶絶もんやわ……」
そんな風に懐かしみながら、目尻を下げていたのです。
 

 

ご承知のとおり、Y○utubeは視れば視るほど、次々と関連動画をおすすめしてきます。

「お前、ほんま奈保子ちゃん好っきゃなあ? まだまだあるでェ、奈保子ちゃんの動画が!?」

そんな風に、Y○utubeのやつは、ワタシにおすすめをしてきやがるのです。
山王のゾーンプレスのように容赦なく襲いかかる、Y○utubeの奈保子ちゃん攻撃の数々!
ワタシはなすすべもなく、中毒に罹ってしまいました。

み、水……
く、クスリ……
な、奈保子……

そんな感じ? まあクリックひとつで簡単に手に入るんで、こんな風に苦しむことないんですけど。

……その過程で、ワタシはあの運命の一曲に出逢いました。そう、『甘いささやき』です。
キュンキュン、グサグサ、刺さりましたねぇ。あの、そこはかとなくエッチ(それはワタシの勝手な解釈によるものですが)な歌を、未完成な、初々しい、彼女の可愛らしい歌声が歌い上げる。

惚れ直しました。もう一度、ファンをやり直そうと思いました。それは前回書いたとおりです。

彼女はワタシの思春期の扉を開けてくれた女性です。
彼女がワタシのことを男の子から、少年にしてくれました。(男にはしていただけませんでしたが)

彼女が両腕を広げ、にっこり微笑んで、「おいで」――とワタシに云ってくれたのです。(>妄想)

語り草である彼女の水着は、「健康的」で「いやらしくない」と評されてきました。その評価自体、間違ってはいないと思います。それを不健康で、いやらしい目で見てきたのは、ワタシのしたことです。

どう? コーフンしちゃう? たまんないでしょ?
――そんな風に、彼女はアグレッシブにセクシーアピールをすることはしません。(Q:そういうの、お嫌いですか? A:お好きです。)
「太ってるから、水着は恥ずかしい……」
そんな談話を残すほどに、彼女は恥じらいながら、それでもワタシたちファンの気持ちに応えて、水着になり続けてくれました。
恥じらいながら――。そう、ココがポイントです。試験に出ますよ。そこに「グッ」ときちゃうんですよね。
太ってる? とんでもない。女性が理想とするプロポーションと、男が求めるそれとはかなりのギャップがあります。云わせてもらえば、抱き心地も、見た目も、そこがベスト! お願いだから、痩せないでほしい。そう、お願いしたいぐらいでした。

ビジュアル面で、そのように散々「お世話になって」おきながら、そんな彼女のことを薄情にも、ワタシは――『けんかをやめて』あたりを境に――忘れ去ってしまいました。

河合奈保子の現役時代の映像は、日本コロムビアの公式映像だけでなく、非公式にもネットには飛び交っています。それらを時系列に追っていけば、ワタシがなせ彼女への関心を無くしていったのかは、いやでもわかります。なにしろ、自分のことですから。

大人になっていく奈保子ちゃんに、お前、醒めたな?

ばかだねぇ。なにより、こどもだねぇ。

く・ち・び・る・・・の・・・プライヴぁスぃぃぃぃ~♪
 

――この風格! このお色気! 嗚呼、奈保子さま、かしずいてしまいます。

この、この、色っぽさが、大人の色気が、お前にはわからんか??? エレガントで、セクシーな、淑女・奈保子さまの魅力が??? ふるいつきたくなるほど「いい女」じゃないか???
十七・十八の幼い、あどけない、愛くるしい、かわいいかわいい、少女でアイドル・奈保子ちゃんだけが、お前の好みだったか? わかりやす過ぎるわ。認めたくないものですよ、若さゆえの過ちというものを。
彼女の魅力のほんの一端しか知らず、知ろうともせず、有り余る性欲のはけ口にしただけか?
そう、四十年前の自分に、こんこんと説教せずにはいられません。

河合奈保子の活動期間は、1980年から1996年。決して長くはありません。
彼女が駆け抜けた十六年間の軌跡、芸能人生を、あらためて追いかけてみよう。とりわけ、どうしようもなく「こども」であった、あの頃のワタシがスルーしてしまった彼女の「音楽」に、今度こそ真剣に向き合ってみよう。その思い、その決意で、四〇年遅れの新米ファンとして、河合奈保子の「推し活」を始めることにしたのです。

(2)ワタシのアイドル遍歴

そんな、河合奈保子「推し活」を始めた矢先、ワタシはあの『ハーフムーン・セレナーデ』の衝撃を喰らうことになるのですが、その前に。ワタシの昔話に、もう少しだけ、お付き合いください。
それは昔、奈保子ちゃんへの熱が醒めてしまった男が、突如「アイドル」に目覚める話です。

時は2001年――。アイドル・河合奈保子を卒業した、かつて普通の少年であったワタシも、いい大人になっていました。
そんなある日、ワタシはあるアイドルに、アイドルグループにハマりました。ドハマりしました。
学生時代の恩師は、ワタシにこう云ってくれたものです。
「お前は三十過ぎて、女に狂う」
先生、お見事です! ある意味、的中してます! まさか先生も、それが「アイドル」だとは思わなかったでしょうけど。

そのアイドルとは、AKINA――現在のビビる大木夫人。彼女がメインボーカルをつとめるアイドルグルーブ、Folder 5。
説明不要の三浦大知の少年時代、沖縄の超絶歌うま小学生として彼が率いた男女混成7人組キッズユニット「Folder」――その名の由来は、「夢」や「可能性」など色んなものが詰まっているという、パソコン用語の「フォルダ」から――その活動が三浦大知(当時「大地」)の変声期により休業して(復帰後の彼の活躍はご承知のとおり)、その女子メンバー5名で再結成された、それが「Folder 5」です。

ハートの矢が刺さったのは忘れもしません、ヤングマガジンの表紙とグラビアでした。時代は「巨乳」全盛、巨乳にあらずんば、グラビアにあらず。そんな時流に抗うような、彼女の控えめなバストのビキニショットが鮮烈でした。魅了されました。最初はビジュアル目当てで彼女をフォローしていましたが、当時リリースされていたファーストアルバム「HYPER GROOVE 1」を聴いて、音楽性にも惚れこみました。メンバーがみんな、それぞれに可愛く思え、めでたく全員推しの本格的「ファン」になったのです。
ファンになってから初のニューシングルが「GO AHEAD!!」。カッコよかったんだ、これが。かっこかわいいってやつ?(この際ですから、Folder、Folder 5、AKINAソロのMVをうしろに貼っておきます。※)

アイドルヲタとしての「追っかけ童貞」を捨てた、初めて足を運んだイベントは、メンバーのひとり、ルックス面でグループツートップの一角を張るHIKARI――これまた説明不要の大女優・現在の満島ひかり――のソロ写真集の発売記念握手会でした。
なにしろ初めてだったので、最初は不安でした。こんな三十を過ぎたいい歳のオッサンが行ってもいいのかな? そんな心配は、まったくの杞憂でした。周りは自分と同じような、なんならもっと上の人ばかり。やっぱりアイドルの追っかけって、金が要るんですよ。中高生にはなかなか飛び込めない世界ですよね。
新曲・アルバムのリリースパーティなど、行けるイベントには欠かさず行きました。もうリッパな追っかけ。リッパなヲタ。奈保子でこれをやっておけば――そう痛烈に後悔しているのは、ただいま現在のワタシ。

ベスト盤などを除けば、Folder 5は8枚のシングルと2枚のアルバムを残し、ひっそりとその活動を終えました。安室奈美恵、MAX、SPEED、DA PUMP……と、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった沖縄アクターズスクール出身の彼女たちでしたが、プロダクションの脱税騒動なども重なって、運も悪かった。ポテンシャルに相応しい評価は受けられなかったと思います。
それでも、メンバーたちはそれぞれに活動を続け、AKINAはタレントとして、HIKARIあらため満島ひかりは女優への道を、グループのリーダー格・ARISAあらためarieはインディーズで音楽活動を、最年少MOEあらため石原萌は故郷沖縄でローカルタレントに……メジャーから離れた分、ライブに、舞台に、追っかけ活動はむしろ加速しました。なにしろ「追っかけ」なければ、直に見に行かなければ、彼女たちの活動に触れることができなかったのです。充実した時期でしたね。
ウルトラマンマックスショーにも行きました。地球防衛軍のアンドロイド・エリー役で、女優・満島ひかりのブレイクの契機にもなった番組です。子供もいないのに、場違いなオッサンとして参加しました。ウルトラマン(マックス)とも握手しました。させていただきました。地球を守ってください! ……正直、ウルトラマンに用はなかったんですけど。

ひとりのアイドル、ひと組のグループを好きなると、必然的にその周辺のアイドルたちのことも気になるものです。モーニング娘。も、その後のAKBグループも普通に好きでした。ことにAKB48の選抜総選挙などは、ワタシも国民的アイドルに対する国民的義務に勤め、清きニ~三票を投票したものです。
指原莉乃は下っ端の頃から、妙に気になる子でしたね。最初は、なんかパンチの効いたルックスの子がいるなぁ……ぐらいに思ってたのですが、次第に彼女のダメっぷりが逆に気になって、応援したくなりました。彼女の計算高い策略に、まんまと引っかかってしまったのかもしれません。
左遷的にHKT48へ移籍になったときは、「博多から中央の選抜へ送り込んでやるよ!」と意気込んだものですが……そしたら、なんとまあ、コイツ、1位になりやがったんですよ(苦笑)。
彼女に投票しておいて、こんなことを云うのはなんですが、そこまでやれとは云ってない。そこはスキャンダルをやらかした身なんだし、少しは遠慮ってものはないのか? まあ、投票したワタシも悪いんですけど。

(3)ミュージシャン・河合奈保子の胸囲……じゃなく驚異

とまあそんな感じで、21世紀を現在まで、そこそこの「アイドル好き」として過ごしてきたわけです。
そんな、「アイドル」というものを少しは勉強してきたワタシが、ここへ来て少年期を過ごした80年代を振り返ったとき、河合奈保子こそ「アイドルの理想像」ではないかと思うようになったのです。

まるで「青い鳥」じゃないか? それなりに色んなアイドルを好きになり、遍歴を重ね、二十年に及ぶアイドル旅を続けて得た答えは、自分のアイドル原体験である彼女こそ、実は最高の、理想のアイドルだった!?
そんなことってあるのか? 自分の人生だから、そんな風に特別に、ドラマチックに見えて、感じてるだけじゃないのか?
それでも、つとめて客観的に考えても、このひとは凄すぎる。

一、ただの一度もスキャンダルに塗れなかった真正の清純派であり、

二、歌においては抜群の歌唱力をもつ折り紙付きの実力派であり、

三、にも関わらずド直球のアイドルソングを歌い続け、

四、トドメにそんな彼女が厭わず水着になり続けた。

さらに、ダメ押しにこれを付け加えることもできるでしょう。

五、結婚~出産を機に事実上の引退をし、ファンの思い出を美しいままに守った。
育児に専念するための「休業」であって、正確には引退し「普通の主婦」になったわけではありません。

そんな想いのたけ――河合奈保子=理想のアイドル説を綴るべく、この企画を始めました。
しかし、その認識は間違っていました。
彼女が理想のアイドル像を体現していた、その考えに変わりはありません。河合奈保子の容量は、それで収まるものではとてもなかった、ということです。彼女は歌のスキルは云うまでもなく、ピアノの演奏をこなし、おまけに作曲まで身につけ、自身の歌としてシングルで発表しています。冒頭の『ハーフムーン・セレナーデ』は、彼女自身が作曲したものです。
歌えるものなら歌ってみろと云わんばかりの激ムズ譜面を、自分自身で、それも見事に歌ってみせる!
ワタシも歌いたい、カラオケで。歌って、泣きたい! でも、歌えないわ。これ入れる根性ないわ。

彼女はトップアイドルという前身をもちながら、音楽の世界でアーティストになった、芸能史上、およそ類を見ない存在であったということです。
ステレオタイプなほどにアイドルとして正統派であった彼女の姿は、しかし、それは彼女の優しさ、生真面目さが、芸能人生の端緒において、「アイドル」であることを務めた結果に過ぎず、彼女の底知れない実力は、ワタシの記憶と想像を遥かに超える、芸能史にその名を刻まれるべき――その言葉のイメージからは、およそ程遠いのですが――とんでもない「天才」だったのです。決して大袈裟ではなく、そう思います。もちろん、超のつくうれしい誤算です。

そんな彼女が、いまは遠くオーストラリアの空の下、普通の主婦でいるという現実――。
一方で、そんな彼女の生き方が、ファンとして誇らしい。見事だと讃えたい。
でも、もう一方で、彼女にそんな選択をさせてしまった世間が憎くもある。バカヤロー、と云いたい。この逸材を、この大きな大きな、奈保子ちゃんのバストよりも大きな(←いちいち、こういうのをブッ込まないと気が済まないのか?)才能を、オーストラリアの普通の主婦にさせてしまっていいのかよと。

でも、そんな世間を責める資格は、ワタシにはありません。
ワタシもこの歌を、こんな彼女を、いまのいままで知らなかった。知らずに、ここまで生きてきました。

ハナから関心がなかったのなら仕方がない。でもワタシは、好きだったのに。かわいくてかわいくて、そんなあなたのことが、ワタシは大好きだったのに……。
あの可愛かった奈保子ちゃんが、こんな素晴らしい歌手になっていた……。

ワタシは、ばかだ。ひとりのアイドル、ひとりのシンガー、ひとりの女として、この成長の物語、ヒストリーを、どうしてリアルタイムで見守り、見届けてこなかったんだよ? どこに目をつけていた? 同じ時代に生きていたのに!?

芸能界を離れたのは、彼女の意志で選択です。落ち目になったとか、そんな失礼な決めつけはしたくありません。それでも、この歌が、その後の彼女の活動が、もう少し、それに相応しい、正当な評価を受けていたら、彼女の未来は違っていたかもしれない。
それを想うと――ワタシはこの彼女を知らず、知らないからこそ応援もせず、彼女に普通の主婦の道を選ばせた「側」に、ワタシも消極的に加担していた。そんな自分のばかさ加減が情けない、自分で自分が赦せない。なにより、彼女に対して申し訳ないという気持ちになるのです。

奈保子さん、ごめん。ほんとにほんとに、こめんなさい……。
そのように想いながら、この歌を聴きながら、映像を眺めながら、涙があふれてあふれて、止まりませんでした。

(4)四〇年遅れの「推し活」の計画

こんなに泣いたのは、芦田愛菜主演『さよならぼくたちのようちえん』を観たとき以来です。……そんなに昔じゃないな? 十代のころ大失恋をしたとき以来とか云えないのか? まあ事実なんだから、しょうがない。こう見えて、けっこう泣き虫なんです。でも、このドラマは本当に泣いちゃうんですよ。このブログにもアップしているので、これもうしろにリンクしておきますね。

お恥ずかしい話をしました。泣いちゃいけませんよね。泣くのは、排泄行為です。
尿便を排泄するのも、精を迸らせるも、それらはみな気持ちがいい。涙も同じです。それは気持ちよく、カタルシスそのものです。
泣いて「罪」が洗い流された気分になり、すっきりする。それじゃいけないと思います。
この「罪」は、背負い続けなければ。

推しは推せるうちに推せ。
――いつだったか、そう、NHK「あさイチ」で云っていました。その通りだと思います。
無為に過ごした貴重な時間は取り戻せない。そんな「後悔」という「罰」を抱いて、ワタシは四〇年遅れの新米ファンとして、河合奈保子の「推し活」を続けていきます。

この「推し活」は始めた当初から、ある「縛り」を設定しています。
「歌」については原則、1980年のデビューから同じタイミングの月・日でダウンロードする――という。
早い話、当時と同じ時間をかけて、河合奈保子の歌手人生を追跡・追体験しようというわけです。
デビュー曲『大きな森の小さなお家』の発売が1980年6月1日。
この活動を始めたのが、8月初め。さすがに来年の6月までは待てないんで、これは即ダウンロードしました。
セカンドシングル『ヤング・ボーイ』の発売が同年8月25日。これは25日を待って、ダウンロードしました。まるで天が味方してくれたような、まことに良いタイミングです。

そして、⇒⇒⇒いまココです。
同年10月10日発売のファーストアルバム『LOVE』、これをダウンロードできる日が、もう待ち遠しくて仕方ありません。その割に『甘いささやき』をさっそく思いっきり語っちゃってるのってどうよ? って話なんですけど、Y○utubeとかで知ってしまうのは、この限りではないということで。あくまでも「原則」です(便利な言葉です)。
サードシングル『愛してます』が、同年12月10日。まだまだデビューしたばかり。まだまだあどけない奈保子ちゃんと、まだまだ当分はたわむれ続けることができます。
誕生日を迎えて、翌年3月10日発売の4枚目のシングルが『17才』というのも、何かの運命でしょう。ワタシももうジジイですからね。違う意味で、大人でもない、子供でもない。
ああ~ 57歳のワ・タ・シぃぃぃ~♪

36枚目のラストシングルにたどり着く頃、おれ幾つよ? 考えたくないわ。それまで、なんとか生きていたいですね。残りの一生をかけた「推し活」です。
歌手生活も後半に入った『涙のハリウッド』とか『眠る、眠る、眠る』とかを、ワタシが矢継ぎ早に語り始めたら、コイツそろそろ危ないんじゃね? ――そう思ってもらっていいかもしれません。

(5)河合奈保子の現在

そして河合奈保子の話題は、「過去」だけでは済みません。
先にも触れましたが、彼女は決して、「引退」したわけではないのです。休業の理由は、育児に専念すること。
すでに二人の子は成人しており、復帰の目はなくはないのです。

まるで「ONE PIECE」の「ワノ国編」のようではありませんか。
二十年の時を超えて、奈保子さまが復活するかもしれないのです。

オーストラリアの普通の主婦なのに、どっからそんな情報が出てくるんだというような噂話が、耳に入ってきます。
――復帰をめぐって、夫の金原氏と夫婦関係が険悪に。熟年離婚の危機か!?

まるで江口のり子主演の「ソロ活女子のススメ」のようではありませんか。
「それ、なに情報?」
「ネットです」
「だろーね」

いずれにせよ、どうするかは、彼女の意志です。普通の主婦であり続けることを選んだとしても、ワタシは支持します。ワタシは四〇年遅れの新米ファンとして、「推し活」を続けるだけです。
でも、もし復帰してくださったのなら、きっとワタシは、また泣いてしまうでしょう。そのときこそ、遠慮なくうれし涙を流させていただきますとも。

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
最後に男女を問わず、推し活者の合言葉で締めたいと思います。
うちの奈保子をよろしくお願いします。

※第1回

 

※「太ってるから水着は恥ずかしい」

 

※Folder / パラシューター

 

※Folder 5 / GO AHEAD!! Music Video

 

※AKINA / Touch me Music Video

 

※「さよならぼくたちのようちえん」を観た日記

 

次回予告
実は第3回分もすでに書き上がっています。今回の小ネタとして書いたものですが、長くなり過ぎるので分けることにしました。近いうちに、またお目にかかりましょう。それでは次回、「『ハーフムーン・セレナーデ』に関する補足と月影の奈保子」をお愉しみに。うちの奈保子をよろしくお願いします。

 

 

2023.09.17 加筆・一部変更
2023.09.24 次回リンクを追加