平安時代の書かれた医学書があります。
知る人ぞ知る医学書で医心方(いしんほう)と呼ばれるものです。
この本は中国の隋や唐以前の文献から抜粋して、984年(永観二年)に編纂して天皇に渡されたものらしいです。医学書としては日本最古の文献だそうです。
編纂者は丹波康頼(たんばやすより)という人で従五位下鍼博士(じゅごいげはりはかせ)だったそうですから貴族ですね。(5位以上が本物の貴族です)
医学書なので、内科、外科はもちろん婦人科、産科、小児科、そして中国の資料を集めたので針灸まで書かれているそうです。
この中には、なんと房内といってセックスの仕方までが描かれているそうです。
槇佐知子さんと言う人(歴史医学研究家)が翻訳しているそうで。
という本が出ているそうです
この中には、
「最初は男女が正面を向いて座り、女性は左、男性は右に寝ます・・・」
から始まって
「[禁!][禁!][禁!][禁!][禁!][禁!][禁!][禁!][禁!]」
とてもここでは説明できないリアルな性交渉が書かれていて、性交の最後には
「女性は必ず死ぬといってたすけを乞(こ)い、命乞(いのちご)いをします」
とまで書かれていて、
九浅一深または八浅ニ深(八回浅く二回深く)の動きをせよとまで書かれています。
なんか読んでいて笑けてきましたが、内容は大真面目です。
984年と言えば、清少納言は20歳前後だったし紫式部はまだ5歳くらいだと思いますが、帝の奥さんのお手伝いをしていた清少納言はこの本を読んだでしょうね。どう思ったのでしょうか。
紫式部は堅物だったと聞きますけど、読んでいると思います。どう思ったでしょうね。
この本を読んでリアルに説明しなおしているサイトがあります。
感心したのは、
「性の交わりは、男女の合意はもちろんのこと、互いの心の高まりがあって初めて行うものだ」
と書かれているところです。
こんなのを見ていて思ったのは、
こんなにハイテクになった今も昔も、これだけは変わらないなあ……
ということでしょうか。
古い文献には結構性の描写が多いらしいです。
たとえば「日本書紀」なんか、臣下が雄略(ゆうりゃく)天皇に、
「あの女性と一晩に何回なされたのですか」
「七回」
なんて書いてあるところがあるそうです。
この頃の雄略天皇はさぞ若くて元気があったのでしょうね……。